【スウェーデンの暮らし】アートと音楽のフェスティバル、Kulturnatt(カルチャーナイト)

スウェーデン
掲載日:2019.09.29
【スウェーデンの暮らし】アートと音楽のフェスティバル、Kulturnatt(カルチャーナイト)

緑豊かな大自然、おしゃれなインテリア、ゆったりと流れる時間。北欧の暮らしって憧れますよね。特集「スウェーデンの暮らし」では、現地からリアルな北欧の暮らしをお届けします。紹介してくれるのは、スウェーデン在住のライター新谷 友海さんです。

Kulturenatt(カルチャーナイト)」。カルチャーナイトとは、スウェーデンの各街で行われる秋のカルチャーイベントのこと。毎年9月に開催され、私の住んでいる街でも今年も大々的に行われました。今回はカルチャーナイトをご紹介していきたいと思います。

聖歌隊のコンサート

こちらの写真は、教会で行われていた男子のみからなる聖歌隊のコンサート。ご覧の通りメンバーの年齢層は幅広く、小さな子もいますので、高音から低音までの綺麗なハーモニーが、うつくしくライトアップされた教会の内部で響いていました。

この秋の大イベントカルチャーナイト。どんな催しがあるのかと言いいますと、メインは音楽やアートとなり、街中が会場となってさまざまな場所やステージで同時にコンサートやイベントが行われていきます。

そして、はじまるのは夕方17~18時と遅く、夜中の0時すぎまで行われます。

アトラクションや屋台

こちらは毎年お城の前で行われる、中世の頃を再現したアトラクションや屋台が集まるエリアです。中世の服を身に纏ったこの彼、手にハンドアーマーを着けていますね。そして手前には何やら斧や剣がたくさん置いてあります。何をしているところかと言うと……

アトラクション

男性が持っているのが、紐の先についた錘(おもり)。そして女の子が手にした武器でそれを打てたら勝ち!というゲームです。

アトラクション

男性の大きなアクションで錘は放たれました!この後この女の子は見事に剣で錘を打っていましたよ。観客からは大きな歓声が。

ゴンドラ

そしてその隣には、別のアトラクション。こちらでも、中世の衣装を身に纏った男性が手でゴンドラを回転させています。

こちらのアトラクションには「BALDER」という文字が書いてありますが、BALDER(バルドル)とは北欧神話で最も賢明で、うつくしく光り輝く美貌と白いまつ毛を持つとされた「光の神」のことです。

どのアトラクションにも家族連れが並んでおり、1回20クローネで遊ぶことが出来ます。

屋台

こちらではハンドメイドのアクセサリーやポーチなどを売っており、右手の大きなドリンクジャーにはSaft(フルーツのジュース)がたっぷりと入っています。

パン

こちらは昔ながらの製法で作られたパンが並びます。

鍛造のデモンストレーション

さて、こちらの写真は日が落ちた後。カルチャーナイトのスタート自体が遅いので、少し辺りをウロウロしていると、9月ですのでじきに暗くなってきます。こちらの中世エリアは、夜になると雰囲気が出てまるで別世界に来ているみたいです。

こちらの女性は何をしているところかというと、Smide(鍛造)のデモンストレーションをしています。ここでは昔ながらの鍛造を試すことができます。鍛造とは、金属に力を加えて成形とともに金属組織を強くする、古くからの金属加工の方法です。

クロスボウ

こちらではアーマーをつけた女性がおり、クロスボウを試すことができます。奥に見えている藁や木の要塞が的です。こういったものはなかなか試す機会がありませんから、毎年子ども達で賑わっています。

こちらはアートと音楽の融合スペース。様々なデザイナーやアーティストの作品が並ぶテントの中で、バイオリンがエレクロトミュージックと掛け合いをしています。

こちらはファッションのアートがずらっと並びます。個性的なコスチュームを纏っているスタッフがにっこり。駆け出しのデザイナーや、アーティストの卵の貴重な発表の場でもあるんです。

こちらのお店では動物の頭蓋骨から作られたランプが売られていたり。お店の人は、全員中世の服を着ています。ではここでズラっとどんなものが売っているのかご紹介しますね。そのほぼ全てがハンドメイドで、昔ながらの方法で作られています。

売られているものも、中世の雰囲気たっぷりです。こちらでも、以前ご紹介したようにキャッシュレスで購入することができます。カードかSwishが利用できますよ。

写真でご紹介したものの他にも毛皮や、キャンドル、アクセサリー、石鹸にキャンディーなどの屋台が出ています。写真は無いのですが、このエリアが開かれているお城にも自由に入ることが出来ます。ちなみにこのお城、見た目は全くお城っぽくないのでこの街に引っ越してきて最初の3年程は全くお城という事に気が付きませんでした。

他にもスウェーデンには見た目だけではなく、更に壁の色がピンクだったりする「お城に見えないお城」が沢山あります。

こちらにはアクセサリーが。

このような感じで夕方スタートしたカルチャーナイトは、街中5~6箇所のステージ、そしてさまざまな場所に散らばるギャラリーやシアターなどで、アートの展示・コンサート・ダンスなど幅広いプログラムが夜遅くまで開催されました。

全国さまざまな街で開催されるカルチャーナイト。ストックホルムでももちろん開催されます。全て無料ですので、開催される日にご旅行などで滞在される時は是非足を運んでみて下さい。街中が、カルチャー一色となるとても楽しい夜のイベントです。ストックホルムの開催日程は、次回は秋では無く、4/18となるようです。

Kulturenatt Stockholm
https://kulturnattstockholm.se

愛知県稲沢市出身。2007年1月よりスウェーデン在住。日本でプロボーカリストとして音楽活動に励んだのち、現在はフリーランスデザイナー、ライターとして活動中。スウェーデンから、リアルな北欧の暮らしを季節の写真とともにお届けします。

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