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ココロとカラダを同時に整えてくれるハーブティー。その日の気分や、自分好みのテイストを選んで飲むことが多いと思いますが、その選び方は正しいのでしょうか。
今回は、春日井市のラ・カーサで毎月第2木曜日に開催されている、ハーブティー講座に参加してきました。
ハーブによる植物療法とは
植物のチカラで心や体をより良い状態に導く植物療法。中でもハーブは植物のチカラを手軽に穏やかに取り入れながら、味や香りなど五感で楽しむこともできるなど、家庭のホームヘルスケアにもぴったりなのです。
この講座では、ハーブティーアドバイザーで国際中医師でもあるたかはし美保子先生が、目的にあったハーブの選び方や特徴、その人にあったブレンドの方法などを正しく楽しく教えてくれます。
今回は、6種類のハーブティーを試飲し、自分に合うハーブを一緒に探していきました。もちろん、ハーブの効能や飲み方といった正しい知識も一緒に。そして最後は自分に合ったハーブを3種使って、オリジナルブレンドに挑戦。自分だけのハーブティーをつくります。
「ハーブティー講座」
毎月1・2木曜に春日井と江南で開催中
参加費:3,000円(税込)
https://www.lacasa.co.jp/event/
今回のテーマは「便秘さんのお助けハーブ」
便秘はお腹の張りやむくみなどの症状を引き起こすだけでなく、肌荒れやニキビの原因にもなる女性の大敵。それぞれの便秘の症状にあったハーブの選び方を学びますが、便秘の方のほとんどは生活習慣やストレスによることが多いため、食物繊維や水分の不足を補うこと、また自律神経のバランスを取ることで、自然とお通じができるようになるのだとか。
便秘解消といっても、今回は強制的に排便させるような強いものではなく、お腹の調子を整えて排便を促してくれる軽めのものを用意してくれました。市販のお薬ではなくハーブティーの効能で腸を綺麗にして、健康的にスッキリとしたお腹になることをめざします。
たかはし先生は、講座中に何度も「あなたのカラダは何と言っていますか?」と聞いてきました。試飲してみて、自分のカラダがどう感じているのか、カラダの声を聞くことが大切だと言います。
そうすれば、そのハーブが自分に合っているのか、合わないのかが分かる。そうやって、これから出会っていくハーブが自分に合うのかを感じられるようになることが大きな目的のひとつ。カラダはちゃんと知っていて、そのメッセージを送ってくれている。この講座はそれを感じられるようになる練習なのだとか。では、実践してみましょう。
試飲1:タンポポ(ダンデリオンルート)
最初に試飲したのは「ダンデリオンルート」、和名は「タンポポ」の根っこです。水溶性の植物繊維を多く含むため、腸内環境を整えてお通じの改善につながります。また利尿に働くので、身体の不要な水と塩分を排出してむくみも改善してくれるのだとか。
たんぽぽコーヒーは飲んだことがありますが、たんぽぽのハーブティーは初めて。コーヒーよりも飲みやすくて甘みを感じました。おいしいとか甘いと感じるのは自分に合っているからだそうです。逆にまずいものは合っていないから無理して飲まないこと。まずはそこからです。
試飲2:ゴボウ(バードックルート)
次に試飲したのは「バードックルート」、和名は「ゴボウ」です。私たち日本人にとっては日常にある身近な食材ですが、ヨーロッパでは主に精力剤や解毒剤として使われるため、ゴボウをもぐもぐと食べる日本人を見てびっくりするのだとか。薬効はタンポポと似ており、腸内環境を整えるとともに利尿作用も期待できます。
薬効と同じく味もタンポポと似ていますが、ゴボウの味に慣れている日本人にとっては違和感なく味わえるおいしいお茶です。
「さっきのタンポポよりも少し強い感じがする」など、自分で感じたことを話していると先生がカラダとの相性を客観的にも見てくれます。私には、先ほどのタンポポの方が合っているのだとか。
試飲3:ビロードアオイ(マーシュマロウ)
3杯目は「マーシュマロウ」、和名は「ビロードアオイ」などと呼ばれており、ヨーロッパでは2000年前から医療に使われてきたという、筋金入りの薬草です。抗炎症作用により、喉や消化器系の保湿・炎症緩和が期待でき、風邪を引いた時にはうがいにもオススメ。化粧水にすれば保湿や肌荒れにも良いのだそうです。
タンポポやゴボウに比べて、さらに飲みやすさを感じました。何よりおいしい。先生からは「これがとても合っているようですね」と、お墨付きをいただきました。ついつい、これまで飲んだものと比べて飲みやすいとか、おいしいとかで判断していましますが、初めはそれでいいのだそうです。
自分に合っているものを飲むと、劇的ではないにしても胃がスッキリとした気になる。一方で、カラダには合っているけれど、今の自分は必要としていない。そんなハーブもあるのだといいます。
試飲4:桑の葉(マルベリー)
4杯目は「マルベリー」、和名は「桑」の葉っぱです。お蚕のエサとなって美しいシルクになる桑の葉には、やはり優れた効能があるようです。主に血糖値や血圧を整えてくれるため、高血圧や高血糖に良いのだとか。また腸をお掃除してくれる成分や、鎮静作用のある成分も含むなど、生活習慣病予防にオススメです。
とても鮮やかなグリーンの葉っぱからは、ほんのり草の香りがしました。緑茶を思わせる味わいは日本人には馴染みやすそうです。おいしいと感じたものの、先生は「カラダはそれほど欲していないみたいですね」とのこと。なぜ?と思ったのですが、先生といろいろと話をしていると、その理由は、私の食生活にあるとのこと。普段お米を食べる習慣がない私にとって、でんぷん質や血糖値に関わるマルベリーはそれほど重要ではないそうです。
試飲5:ギムネマ
5杯目は「ギムネマ」でした。甘みを抑制することでも知られたインドの伝統的な薬草です。ヒンズー語で「シュガーデストロイヤー(砂糖を壊すもの)」とも呼ばれるように、葉を噛めば1〜2分で甘みを全く感じなくなるのだとか。肥満の予防と改善や、ダイエットのサポートにも効果的です。食後の糖の吸収を速やかに抑えてくれるので、血糖値に効果のあるハーブティーのトップグループに属します。
苦いのはもちろんですが、それ以上にお腹に不快感を感じました。ということは、自分に合っていないということ。参加者の中には「全然大丈夫」という方もみえたので、やはり味の感じ方には個人差があるようです。
ただダイエットなどの薬効を見ると、女性はつい取り入れたくなるのも事実。けれど薬効を見て頭で考えるのではなく、それをカラダに入れた時に自分がどう感じるかで判断すること。だから頭を空っぽにして、カラダが何と言っているかをまず感じることが大切です。
試飲6:時計草(パッションフラワー)
最後に試飲したのは「パッションフラワー」、和名は「時計草」です。古くからアメリカ先住民が天然の鎮静剤として利用しており、常習性のない植物性トランキライザー(精神安定剤)とも言われています。イライラや不眠、うつ症だけでなく神経痛や生理痛にも作用があるといいます。神経の緊張や不安を和らげ、リラックス効果があることから、過度の緊張や不安からおこる過敏性腸症候群の方にオススメだそうです。
これはおいしいといえばおいしいけれど、体が喜ぶといった感覚はありませんでした。6杯目ともなると、だんだん自分のカラダが何と言っているのか、分かってきたような気がします。
カラダがその時に必要としているものを飲むと、本当に飲んだかどうか分からないくらい、つまり飲んだものがどこに行ってしまったのか分からないほどカラダに散っていく感覚がするのだとか。カラダの中に“すーっ”と入っていく感覚です。ハーブに慣れてくると、カラダに開かれていく感じが分かるのだそうです。