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スタイリッシュで長く使っても飽きないデザイン性で、根強いファンをもつ「無印良品」。衣料品・生活雑貨・家具から食品まで、アイテム数は7,000以上にもなります。そんな無印良品が2004年から販売しているのが「無印良品の家」。
名古屋市北区にある名古屋店では、「木の家」と「窓の家」の2つのモデルハウスを併設し、それぞれのコンセプトの違いや商品の特徴を実際に体感することができます。
今回は実際にモデルハウスにお伺いして「無印良品の家ってどんなお家?」「性能や構造は?」「ムジラー(※)じゃなくても大丈夫?」など、気になる疑問をレポートしていきたいと思います!
※ムジラー:(無印良品をこよなく愛する人のこと)
「無印良品の家」の3つのポイント
左:「木の家」、右:「窓の家」
「無印良品の家」のコンセプトは、『永く使える、変えられる』。日本の住宅の建て替え年数は約35年といわれています。欧州の77年、アメリカの55年と比較すると、とても短スパンなのがわかります。その理由は建物自体の寿命よりも、内部の間取りが生活スタイルに合わなくなってしまうのが原因なのだとか。
そこで、ライフスタイルの変化や家族の成長に応じて、簡単に間取りを変化させられるようにとスタートしたのが「無印良品の家」。10年後も、30年後も、さまざまな可能性に柔軟に対応できます。
「永く使える、変えられる」を実現するには、大きく3つのポイントがあります。
ポイント① 間取りが自由に変えられる
ポイントの一つ目は「暮らしに合わせて変えられる」。
「無印良品の家」は、吹き抜けを中心とした間仕切りがない「一室空間」になっています。一般的な木造住宅は、何枚もの壁で強度を高めています。そのため、せっかくの広い空間を何枚もの壁で区切ってしまい、空間の使い方に制限がありました。
「無印良品の家」で採用しているSE構法は、家の骨格自体に強度をもたせることで、壁や間取りにしばられることなく、広々とした「一室空間」をつくり出すことができるのだそう。壁が少ない分鉄筋コンクリートのマンションのように、自由度の高いリノベーションが可能になります。
ポイント② 夏は涼しく、冬は暖かい
モデルハウスにお邪魔したのは、気温15℃ほどと肌寒い日。ですが、室内に入るとぽっかぽか。エアコンを付けていないのに、25.4℃と心地よい温度に保たれていました。
その秘密は魔法瓶のような保温性。「無印良品の家」では、外断熱と内断熱のメリットを兼ね備えた「ダブル断熱工法」を採用し、高い断熱性能を確保しています。さらに、断熱サッシとトリプルガラスの標準採用によって壁・天井・窓の表面温度の差を小さくし、温熱的快適度を向上させています。
そして庇(ひさし)や窓の位置から、最適な日射をシミュレーションします。南面に大きな窓を設け冬場は室内の奥まで日射を取り込み、夏場は約1.8m幅の庇が暑い日射を遮ります。同じ窓を通じて、夏はいかに太陽の熱を遮り、冬はいかに太陽の熱を得るのかをシミュレーションプログラムで検証しながら、設計をしていくのだそう。永く住むためには、こうした室内の快適さは欠かせませんよね。
ポイント③ デザイン性の高さ
そしてもちろんデザインも大切ですよね。
家づくりには「オーダーメイド住宅」「注文住宅」という選択肢もあります。ですが「無印良品の家」では、商品としてデザインが決まっています。その理由は、30年後、50年後も使える普遍的なものをつくりたいという想いから。無印良品が手掛ける生活用品のように、使い心地が良く、無駄を省いた理にかなった形や機能を持ち、耐久性がある家づくりです。愛着をもって永く使える、無印良品らしい考え方が貫かれています。