豊橋から全国へ。障がい者とともに一流のスイーツをつくる「久遠チョコレート」
目次
チョコレートの祭典「アムールドショコラ」をはじめとする全国百貨店のチョコレート催事でも注目を集めている「久遠チョコレート(くおんチョコレート)」。愛知県豊橋市に本店を構えるチョコレートブランドです。
こちらのチョコレートが一般的なものと大きく違うのは、障がい者と健常者が一緒につくっているという点です。現在では、直営店とフランチャイズ店を合わせて33拠点20店舗を展開するまでに成長。全国の障がいのある人たちの手によって、一つずつ丁寧につくられています。
はじまりはパン屋から
はじめに久遠チョコレートについてご説明します。
久遠チョコレートのはじまりは、豊橋市にある障がい者のパン工房「ラ・バルカ」の代表・夏目氏が、日本でも指折りのショコラティエ野口氏に出会ったことがきっかけです。チョコレートは、溶かして固める繰り返しの作業であり、危ない器具や、火傷の心配もない。このことに着目した夏目氏は、野口氏に監修を依頼し、2014年「久遠チョコレート」が誕生しました。
現在では、このプロジェクトに共感した、福祉事務所からの問い合わせがあとをたたず、全国に33拠点20店舗を展開するまでに成長しています。
久遠チョコレートとは?
久遠チョコレートには3つのこだわりがあります。
「素材のこだわり」
赤道上下20度内に位置する世界30カ国のカカオ生産国から届いたピュアチョコレートを、商品に合せてセレクトし、ブレンドしてつくりだしています。「純度のこだわり」
余分な油分を加えず、時間と手作業でチョコレートの本質と向き合い、そのチョコレートを最高の状態で商品にすることにこだわります。「社会と未来へのこだわり」
全国の福祉事業所が一流のショコラティエとして、妥協のないモノづくりから、ひとつひとつ丁寧につくり上げていきます。
ここからは、実際に名古屋市内にある2店舗へ取材に行ってきましたので、各店舗の特徴やこだわりをご紹介していきます。
久遠チョコレート藤巻店
場所は。東山動植物園から車で5分ほどの場所。駐車場も完備しているので車でのアクセスが便利です。
最初に訪れたのは、名東区にある藤巻店です。広々とした店内は開放感も抜群!イートインスペースやお子様連れにもうれしいキッズスペースがあります。
藤巻店を運営するのは「社会福祉法人 むそう」。店長の横倉さんにお話をお伺いしました。
横倉さん:「藤巻店の大きな特徴は、店舗の2階に障がいを持つ子どもたちの保育所があることです。スタッフの多くがそこでお子さんを預けながら働いているお母さんたちばかりです。商品づくりはお母さんたちが担当し、チョコレートドリンクづくりやレジ、カフェの接客は障がいを持つスタッフが担当し、一緒になって働いています。」
横倉さん:「イートインスペースをゆったり設けているので、お子様連れの方、ママ友会、お一人の方まで老若男女問わず気持ちよく過ごしていただけます。名古屋市内でありながら、緑が豊かなので、非日常を味わうこともできると思います。他にも、WiFiとコンセントも完備しているので、ここでお仕事をされる方も多いですよ。」
Wi-Fi・コンセント完備なのは、とってもうれしいポイントですよね。実際にこの日も、ママさんたちが楽しそうに談笑しながら過ごされていました。
ゆったりと過ごしやすい店内
ショコラショー(ホットチョコレート)をつくるのは、障がい者の方たちが担当。慣れた手つきで作っていただきました。
横倉さん:「チョコレートを溶かす作業は、私たち健常者よりも彼女たちの方が得意なんです。均一に時間をかけてゆっくり溶かしていく作業は根気が必要です。でも、彼女たちは黙々と丁寧に作業をこなしてくれます。」
慣れた手つきで、チョコレートを溶かしていきます。
あっと言う間にチョコレートが溶かし終わりました。
「ショコラショー(¥432)」
今回私たちがいただいたのは、エクアドルのカカオ70%のショコラショー。濃厚なピュアチョコレートとミルクをブレンドしただけの本格的なホットチョコレートです。カカオの多様な味わいを楽しめるようにと、カップには産地、カカオ濃度が明記されています。
種類は「コロンビア70%」や「マレーシア62%」など全9種類。そのうちの、2~3種類を日替わりで楽しむことができます。
「アイスクリームショコラショー/特濃ミルク(¥410)」
こちらはアイスクリームショコラショー。3種類のアイスクリームから好きなものをトッピングできます。アイスクリームも、香料・着色料不使用でカラダにも優しいこだわりの逸品です。
スイーツメニューも豊富です。こちらは、ガトーショコラ チョコレート添え(¥432)。濃厚なガトーショコラが甘さ控え目で上品な味わいです。他にも、ほうじ茶シフォンケーキもおいしそうでした。
ここからは、藤巻店おすすめの商品をいくつかピックアップしてご紹介します。
スタッフさんもおすすめ「久遠パッションブロック(¥734)」。ビターチョコの苦味とパッションフルーツの酸味がマッチしています。
サクサクの食感がクセになる「久遠フィアンティーヌ(各¥410)」。6種類のフレーバーから選べます。パッケージもかわいいのでプレゼントにあげてもよろこばれるはずです。
人気のテリーヌチョコをタルトに流しこんだ「久遠テリーヌタルト(各¥378)」。キャンディのようなピンクの包み紙もとってもかわいいです。人気が高く売り切れてしまうことも多いのだとか。
1枚¥248ですが、7枚以上は1枚¥227に。
オリジナルの12種類の他に、長崎店オリジナルの「出島珈琲テリーヌ」もありました。店舗ごとにオリジナル商品があるのも魅力的です。
久遠チョコレートの代表作「久遠テリーヌ」。京の黒豆や抹茶、ナッツやドライフルーツなどの食材を合わせフレーバーは全部で12種類。どれにしようか迷ってしまいそうですよね。すべて試食が可能なので、一つずつ吟味しながら選んでみてくださいね。
藤巻店だけの限定商品「FUJIMAKI ZOO BOX(¥950)」。動物にチョコレートがコーティングされています。東山動物園にほど近い、藤巻店ならではの商品ですよね。
【久遠チョコレート藤巻店】
住所 :愛知県名古屋市名東区藤巻町2-2-656
電話番号: 052-781-4898
営業時間:1:00~17:00(土・祝は16:00)
定休日 :日・月曜日