1000年以上も昔から陶磁器を生産してきた、日本を代表する窯業のまち、瀬戸。
「ノベルティ・こども創造館」は、瀬戸でつくられてきた優れたノベルティ製品の展示や「瀬戸ノベルティ」づくりの技術を伝えるとともに、やきものに欠かせない「土」に触れ、創作体験を通じてものづくりの楽しさを知ってもらう施設として2003年に開館しました。
※情報は取材時のものです。
ご利用の際には、各施設・各店舗の最新情報をご確認ください。
目次
「瀬戸ノベルティ」とは?
「瀬戸ノベルティ」とは、やきものづくりで培われた技術と瀬戸産の良質な原料により生まれた陶磁器製の置物や装飾品のこと。
「ノベルティ」というと景品やおまけなどをイメージしますが、本来は「目新しいもの、珍しいもの」という意味。当時の陶磁器製品は、食器などが一般的だったため、陶器でできた装飾品や置物が目新しく「ノベルティ」と呼ばれるようになったとも言われています。
瀬戸でつくられる陶磁器は多岐にわたりますが、とくにノベルティは「瀬戸ノベルティ」として精巧な造形や繊細な絵付、多彩なラインナップなどが海外で高い評価を得て、戦後の瀬戸のやきものづくりの中心的な役割を担いました。
瀬戸ノベルティには多くの種類があり、人形や動物、鳥などの置物、装飾性の高い花瓶などさまざま。
材質も、磁器、半磁器、白雲、ボーンチャイナなど多様です。ノベルティミュージアムでは、生産がはじまった明治から現代まで、瀬戸ノベルティの名品の数々が展示されています。
1階の入り口脇のノベルティ・ミニギャラリー。季節などに合わせた展示をしています。
瀬戸ノベルティづくりを体験しよう
長い間、瀬戸で作られてきた「瀬戸ノベルティ」の技術や文化、やきものに欠かせない「土」に触れながら、豊かな創造力を養うプログラムを体験してみましょう。
※プログラムや体験内容は、定期的に変わります。
館内に入ると、事前にスタッフの方から注意事項などの説明があります。
有料プログラムの受付には、当日参加できるプログラムのサンプルが並んでいます。
ノベルティの絵付け体験や粘土を使ったワークショップなど小さなお子さんから大人まで楽しめるプログラムがいっぱいです。
気軽にいつでも体験できるものから、季節に合わせた不定期のプログラムなど予約が必要なものもあるので、プログラムの詳細は、WEBで確認を。
▼詳細はこちら
https://www.city.seto.aichi.jp/docs/2010/11/10/00080/
おうちに飾れる
自分だけのオリジナル作品をつくろう!
「おてがるたいけんコーナー」では開館日の毎日、季節に合わせたオーナメントや小さな置物に色ペンで簡単にできる絵付け体験ができ、小さなお子さんから大人の方まで誰でも参加できます。
取材時は、ミニおひなさまの置物。ポスターカラーマーカーで絵付けをしていきます。ドライヤーで乾かすと色が混ざることなく重ね塗りができるので間違えても大丈夫。くっきりと鮮やかに絵付けができました。
持ち帰ることができるので、おうちに飾る作品を季節ごとにつくって楽しめますね。
小学生から体験できる
「ノベテクたいけん工房」
「ノベテクたいけん工房」では、ノベルティってなに?どうやってつくるの?などの疑問に答えながら、職人さんたちの技術や個性を活かした体験プログラム(原型、石こう型、鋳込み、絵付けなど)を行っています。
「職人さんとノベルティ体験」では、職人さんから直接お話を聞きながら石こう型への鋳込み(いこみ)を体験した後、白素地(しろきじ)に絵付けをします。絵付け体験は、「アクリル絵付けコース」と「上絵付けコース」の2種類。作品のテーマは、季節によって変わります。
※当日10時から館内窓口で受付。電話での受付はできないのでご注意を。
今回は、当日に作品を持ち帰れる「アクリル絵付けコース」300円(税込)に挑戦しました。
まずは、どのような工程でノベルティができるか職人さんからお話を聞きます。
プログラムでは作業工程のひとつ、石こうでできた型に泥(でい)しょうと呼ばれる泥状になった粘土を流し込む「鋳込み(いこみ)」という作業を体験。
石こうの型に泥しょうを流し込んだら、しばらく時間を置き、逆さにして余分な泥しょうを出します。石こうには吸水性があるため、泥しょうの中の水分を吸収して型どおりに固まります。この作業をすることで中が空洞になり、軽い製品をつくることができるんですね。
さらに時間をおいて型から素地を取り出します。まだ、完全には固まっていないので形が崩れないように慎重に。
「バリ」と呼ばれる余分な部分を削り取り、水ぶきをして仕上げます。
左から型から取り出したばかりのもの、乾燥させたもの、本焼きしたもの。水分が抜けていくとともに小さくなり色も変化していきます。
本焼きされたいろいろな形のものから好きなものを選んで、アクリル絵の具で絵付けをしていきます。
鳥の形を選んで、ワシの写真を見ながら「本物のかっこいいワシみたいにしたい」と真剣に取り組んでいました。
最後に目の部分は、筆だと太すぎてうまく塗れないので油性ペンで塗るといいよと職人さんから教えていただき、完成。納得のいく作品に仕上がりました。
「上絵付けコース」は、窯で焼く専用の絵具で絵付けします。焼成するので、後日受け取りです。
職人さんから粘土の扱い方や原型づくりのノウハウを教わりながら、プロの道具を使って作品をつくる「職人さんと楽しく土遊び」。作品は、当日お持ち帰りできます。
ほかにも、不定期開催の「かわいいミニチュア食器づくり」も人気です。1回1,000円(税込)で参加できますが、ティーカップやティーポット、ランプなど体験できるメニューが毎月変わるので、何度も体験してオリジナルのティーセットを完成させてみたくなりますね。
※参加には、特設サイトで予約が必要です。
詳しくはこちら▼
https://l-tike.com/bw-ticket/gp-aichi/seto-novelty/