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photo by SATOSHI ASAKAWA
江戸中期に、麻織物「奈良晒(ならさらし)」の問屋として奈良の地に創業した「中川政七商店」。そんな300余年の歴史を誇る中川政七商店初の複合商業施設「鹿猿狐ビルヂング(しかさるきつねびるぢんぐ)」が、2021年4月14日、奈良市元林院町(ならまちエリア)にオープンしました。
施設内には「中川政七商店 奈良本店」、スペシャルティコーヒー店「猿田彦珈琲」、すき焼き店「㐂つね(きつね)」、コワーキングスペース「JIRIN」を展開。また、築130年の町家を活かしたショップ「旧 遊中川 本店」、茶道ブランド「茶論 奈良町店」、蔵を改装したギャラリー「時蔵」および「布蔵」も併設しています。
今回は、「鹿猿狐ビルヂング」を徹底レポートしていきます!
ならまちエリアに誕生した新たなランドマーク
鹿猿狐ビルヂングがオープンしたのは、近鉄「奈良駅」から徒歩7分ほどの奈良市元林院町(ならまちエリア)。世界遺産の興福寺からも近く、まるで迷路のような路地に溶け込むようなガラス張りの外観が印象的。
設計を手がけたのは、日本を代表する建築家の内藤廣さん。新しいビルと築130年の町家が、中庭を通してゆるやかにつながっています。
中川政七商店の創業の地で
約3,000点のオリジナル商品がずらり「中川政七商店 奈良本店」
まずは1階と2階にある中川政七商店の旗艦店「中川政七商店 奈良本店」へ。
800を超える作り手と協働した約3,000点のオリジナル商品や、奈良の伝統工芸品や奈良在住の作家の作品が並びます。オリジナル商品がすべてそろっているのは、旗艦店だからこそ。
中川政七商店と言えば!のふきんや、
本店限定の商品も。奈良土産にもぴったりですね。
続いては、中川政七商店の約300年の歴史に迫っていきましょう。
創業地に建つ直営店「旧 遊中川 本店(中川政七商店 奈良本店)」
1985年に初の直営店としてオープンした空間は「中川政七商店 奈良本店」の一部としてリニューアル。日本の染織技術から生まれた服や服飾小物が並びます。
店内では、かつて麻織物を検品する際に使用していた竹竿や、当時の電話ボックス、1925年パリ万博賞状など、中川政七商店の歴史を随所で感じることができます。
300年の歴史に触れる「時蔵」と「布蔵」
さらに中川政七商店の歴史を紐解くべく、蔵を改装したギャラリー「時蔵(ときぐら)」と「布蔵(ぬのぐら)」へ。
中川政七商店の300年の歴史がアーカイブされる「時蔵」。麻織物「奈良晒(ならさらし)」の問屋として創業してから現在までの歴史に触れることができます。
壁にずらりに並んだこちらの桐箱、一体なんだと思いますか?
正解は、毎年の成果物を資料として保存している421年分の桐箱の引き出しなんです。「古きから学び、進化し続けること」という中川政七商店の強い想いを感じました。
「布蔵」は、かつて布を貯蔵していた空間で、機織り機や道具とともに「手績み手織りの麻」のものづくりを展示しています。
「布蔵」では、手績み手織りの麻の体験ができますよ。
<布蔵体験~手績み手織り麻のものづくり(事前予約制)>
価格 :3,850 円(税込)
所要時間:60分https://www.nakagawa-masashichi.jp/shop/pages/shikasarukitsune-experience.aspx
たった一杯で、幸せになるコーヒー
猿田彦珈琲 奈良 鹿猿狐ビルヂング店
続いては、「猿田彦珈琲 奈良 鹿猿狐ビルヂング店」へ。
「たった一杯で、幸せになるコーヒー屋」をモットーに、東京・恵比寿にて創業したスペシャルティコーヒーの専門店。今回が奈良初出店です。
オープン記念企画の「ならまちブレンド」は要チェック!同点のためのオリジナルブレンドで、フルーティーな香りがたまりません。お土産にしても喜ばれること間違いなし。
その他にも、これからの季節におすすめなフロートや、中川政七商店の器にて提供する猿田彦珈琲オリジナルの「欧風バターチキンカレー」や「ビーフストロガノフ」なども。
古き良き街並みを眺めながら、ゆったりとしたひと時を過ごせますよ。