世界遺産白川郷、ミシュラン掲載の旅館「味と心の宿 城山館」

白川村
掲載日:2020.03.16
世界遺産白川郷、ミシュラン掲載の旅館「味と心の宿 城山館」

こんにちは!世界遺産白川郷にある創業明治末期の旅館「城山館」で若旦那をしている三輪了です。

雪が少ない冬でしたが一年で一番の繁忙期、1月2月を終え、ようやくひと段落つける季節になりました。今回は、手前味噌ではありますが、うちの旅館を皆様にご紹介したいと思います。

何を隠そう、去年発刊された「ミシュランガイド愛知・岐阜・三重2019特別版」に城山館は一つ星の評価を受けております。そんな城山館の魅力を、ホームページには書けないような僕の率直な意見を織り交ぜながら、書いちゃおうと思います。

これからの白川郷は、桜が咲いたり、新緑が美しかったり、ホタルが出たりと僕的には一番好きなシーズンとなりますので、観光にもオススメですよ。

城山館とは?

城山館

まず、簡単に城山館のご紹介です。城山館は岐阜県の白川郷にある世界遺産に登録されている合掌造り集落内にあります。創業は明治末期で、現館主で4代目にあたる4組限定の老舗旅館です。

建物が国重要伝統的建造物に選定されています。家族だけでやっているので、あたたかなおもてなしと、繊細な日本料理が自慢の料理旅館となります。

城山館への行き方・白川郷へのアクセスは?

城山館までの簡単なアクセス方法のご案内です。名古屋から白川郷の行き方としては

①車の場合:名古屋から東海北陸自動車道を通って白川郷ICで降りそこから約5分(約2時間)
②バスの場合:名古屋~白川郷の直通便 (約3時間)
③電車とバスの場合:JRワイドビュー飛騨で高山まで→高速バスで白川郷へ (約4時間)

の3パターンが基本となりますが、名古屋と白川郷のバス直通便は本数が少ないのでご注意下さい。
これからの時期は雪もないので、車で来るのが時間的にも一番行きやすいかなと思います。

白川郷バスターミナル。道路を渡ればすぐに城山館です。

バスでお越しの方に「白川郷のバス停から城山館までどれくらいかかりますか?送迎はしてもらえますか?」と良く聞かれますが、数年前に当館の目の前にバス停(バスターミナル)が移設してきたので、バス停から徒歩1分で城山館に着くことができます。

お車でお越しの方は、このバスターミナルを目印にしてお越しください。宿に隣接する広い駐車場がありますので、そちらに駐車してくださいね。

まずは合掌集落を散策

宿に着いたら荷物を預け、まずは世界遺産の合掌集落を散策するのがオススメです。夕方5時を過ぎてしまうとお店が閉まってしまいますから、早めに散策したほうが良いですね。宿から合掌集落までは徒歩1分くらいでいけるので散策もとっても便利です。

初夏や夏の白川郷もとても綺麗です。

お昼ご飯がまだの方は軽めの食事が理想です。なぜなら城山館の食事はとってもボリューミー!飛騨牛コロッケや五平餅やみたらし団子など、食べ歩きも人気ですがくれぐれも食べ過ぎにご注意下さい(笑)

以前、こんなお客様がいらっしゃいました。旅館の料理はどこも量が少ないと思ったのでしょう。夕食前にたくさん間食をしてしまったみたいで、うちの夕食の量を見て奥様が「こんにたくさん出るなんて聞いてないわよ!」とご主人に怒りだして夫婦喧嘩が勃発。あの時は、とっても焦りましたね。

とはいっても、女性でもキレイに完食される方がほとんどですので、普通にお腹を空かして頂ければ問題なく食べきれると思います。

散策の際は、以前、記事でご紹介した「喫茶・落人」さんもぜひオススメですよ♪

どれにする?4つのお部屋タイプ

城山館では毎日、観光ツアーを16時から行っているので、そのツアーがはじまる30分前にはチェックインするのがオススメです。(チェックイン時間は15時からですが、だいたい14時30分には準備が完了しますので、それくらいにいらしてもチェックインできます。)

4組限定の宿ですのでお部屋は4タイプあります。それぞれ特長があるので、簡単に説明しますね。

川沿い側の2階、和室8畳「せせらぎ」

ちょっと狭いですが、眺めナンバーワンのお部屋です。窓から眺める壮大な景色は、毎日見てても飽きません!僕的には一番好きなお部屋ですね。

川沿い側の1階、和室10畳「ぶな」

こちらは広さと眺めを兼ね備えたお部屋です。4名まで泊まれるので、2名以上の場合はこちらがオススメです。

中庭側の2階、和室8畳「一番」

明治時代の建築をそのまま残してある、歴史と趣きがもっともある部屋です。この部屋も風情があって大好きなのですが、廊下と部屋の境目が襖(ふすま)なので、気になる人には気になるかもしれません。ただ、その廊下を通るのは、隣接している「白山」の部屋の人だけですので、そんなに人が頻繁に行き来する廊下ではありませんので、この部屋をご利用のお客様からクレームを頂いたことはありません。鍵もちゃんとかけれますのでご安心ください。

ただ、部屋の照明を抑え気味にしてあるので夜になると少し部屋が暗く感じるかもしれません。普通に過ごす際には落ち着くライティングですが、本を読むには少し見にくいかもしれません。

以上、3つのお部屋にトイレはなく共同トイレとなっております。

中庭側の2階、和室8畳バストイレ付き「白山」

当館で唯一、お部屋にバストイレがついているお部屋で、この白山だけ他の3つの部屋より少し料金が高くなっています。お部屋の予約率でいうと一番人気のお部屋ですね。特に海外のお客様はこのお部屋を好まれます。またご高齢の方や小さなお子様連れの方にも人気のお部屋です。

個人的には2名で泊まるなら「せせらぎ」がオススメです。そこからの眺めは本当に最高ですよ!

他のお部屋と一切隣接していないので、プライベート感も充分感じられます。ただ、本当に狭いので(笑)そこだけご了承下さい。

湧き水

湧き水

館内には湧水が湧き出ており、お部屋の冷蔵庫や食事部屋にはこの湧水をご用意しています。こちらも美味しいと評判ですし、共有スペースの休憩室にはこの湧き水で淹れる珈琲もご用意しています。

大好評、観光ツアー

16時からは館主と一緒にいく観光ツアーが行われます。10人乗りの車に乗って集落内を一周しながら、ポイントポイントで解説を行い、最後は展望台で記念撮影を行う小一時間くらいの無料ツアーです。

普通に散策していたら分からないようなことや、白川郷の歴史や文化を一歩深く理解することができるこのツアーは、かなりオススメですし、お客様からも大好評です。館主はもう十何年も続けています。

そして、このツアー、オヤジギャグも満載です。すべりまくる日もあるようですが、毎日、めげずにギャグっています(笑)

このツアーに参加するかしないかで、旅の満足度はかなり違うのではないでしょうか。それくらいオススメなので、城山館にお泊りの際はぜひとも参加してみてください。

実はここだけの情報ですが、最近ではときどき、僕もツアーガイドを務めたりします。館主のお父さんのツアーには到底及びませんが、外から来たヨソモノならではの視点も織り交ぜながら、一生懸命やってますので、もし僕がガイドだった時は温かい目で見守ってやって下さい(笑)

天然温泉で癒しのひとときを

ツアーが終わると17時ごろ。夕食は18時からなのでちょうどお風呂に入る良い時間帯です。

城山館にはお風呂はありませんが、徒歩1分のところに天然温泉の「白川郷の湯」がありますので、そちらの無料入浴チケットが付いています。これまで、ずっと1回分のチケットだけだったのですが、実は今なら2回分も付いています。(2020年3月10日現在)

温泉は熱くて気持ちの良い内風呂と、少しぬるめの半露天風呂、そしてサウナがあります。真冬でもお風呂上りはポッカポカになるほど、温まりますよ。

温泉までは徒歩1分とすぐですが、雨や雪などの悪天候の場合や、小さなお子様連れ、ご高齢の方のために車で送迎も行っています。

待ちに待った夕食タイム

さぁ、18時からはお待ちかねの夕食のお時間です。城山館の一番メインとなる時間といっても過言ではないでしょう。なんといっても料理旅館ですからね!

夕食の食事部屋は完全個室となっているので、プライベートな時間をお過ごし頂けます。

最近、改めて思いますが、本当に地の食材を多用しています。

お米、エゴマ、飛騨牛、岩魚、ニジマス、こんにゃく、漬物、りんご、油揚げ、豆腐、ねぎなどなど、パッと僕が思いつくものでも、こんなにたくさん、白川村や飛騨地域で採れた食材があります。

山菜や野菜の収穫シーズンになれば、もっと増えますし、時期によってはお隣の富山県で採れた食材なんかも使ったりします。もちろん、すべての料理が手間暇かけて仕込まれている手作りとなります。ですので、料理人である館主のおとうさんは朝から晩まで仕込みに追われていますね。

僕のオススメは、エゴマの五平餅(上記写真の中央にある食前酒の右)。通常の五平餅は醤油ダレか甘い味噌ダレが基本ですが、うちはエゴマを使った自家製の味噌。恐らくほどんどの方が食べたことのない味だと思いますが、とっても美味しいです。

そして、もう一つが茄子の煮付け(食前酒の右下)。正直、茄子の煮付けはこれまで色々なところで食べてきましたが、むしろ「苦手な料理」でした。でも、おとうさんが作る茄子はまったくの別物。初めて食べたときには、その美味しさに本当にビックリしました。

そして、メインはこのA5等級飛騨牛ステーキです。A5等級はもちろん最高ランク!正直、こんなに大きな飛騨牛のステーキを出している宿を僕はあまり見たことがありません。

さらには、その部位にもかなりこだわってます。企業秘密なので名称はいえませんが、1頭から数切れしか取れない「〇〇〇〇」という部分の、さらに希少な「△△△△」という部分を使っています。サシの多いイメージのある飛騨牛ですが、サシの多いサーロインなどは、脂が多すぎてこの量は食べると胃が気持ち悪くなる方もいるくらいですが、この部位は赤身中心で、お肉本来の味わいをしっかりと楽しむことができる、自慢のステーキです。

表面をしっかり焼いて旨味をしっかり閉じ込めてしまい、食べると中はレアな感じなのが僕のオススメです。くれぐれも焼き過ぎにはご注意下さいね。

あと、タレはわさび醤油、岩塩、特製和風ダレの3種類ですが、僕は特製和風ダレが好きです。ご飯にも良く合います!

お刺身は、白川村で獲れた岩魚(いわな)とニジマス。どちらも山の中だからこそ食べることができるお刺身です。もうひとつは、友人が作っている「飛騨こんにゃく」のお刺身。これもツルツルで僕は大好きです。

焼き魚も岩魚(いわな)を使った塩焼きです。さっきまで活きていた魚をじっくりと焼き上げるので、「岩魚がこんなに美味しいとは知らなかった!」とよく言われるくらい、こちらも人気の逸品です。

揚げ物は季節の天ぷら。これからの季節は近くの山で採れた山菜がたくさん出てくるので、うれしいですね。僕はタラノメの天ぷらが大好きです。

お料理は季節やその日の仕入れによって若干変わりますので、どうかご了承下さい。

川のせせらぎを聞きながら就寝

夕食後はお部屋でまったりとお寛ぎください。お部屋にはあえてテレビを置いておりません。テレビがないからこそ、普段できない会話をしたり、本を読んでゆっくり過ごしたり、日頃の喧騒を忘れて心身共にリフレッシュできるのではないでしょうか。

すぐ横を川が流れているので、川のせせらぎの音を聞きながら眠りにつくのは、なんとも言えない心地よい睡眠をもたらしてくれます。

100年の歴史を伝える朝食

朝食の時間は7時30分と8時から選べます。

朝食

郷土料理の朴葉味噌焼き、湯豆腐をメインに朝からこれまたボリューミーな朝食ですが、僕の個人的なうちの朝食の感想は「めっちゃヘルシーで体に良い!!」です。特に野菜が豊富で多い時は20種類は使っていると思います。

やはりなかでも人気なのが、朴葉味噌焼き(上記写真の上中央)です。
100年以上も前から受け継がれてきた味を代々の館主が少しずつ改良しながら、和食料理人である現4代目館主が完成させた逸品です。あまりにも人気なので、商品化したほどです。ご飯にとにかくよく合います!

数年前に商品化した朴葉味噌。1瓶250g1,080円(税込) 野菜炒めに使ったり、そのままトンカツやおでんにつけたりと万能な自家製味噌です。

食後には飛騨牛乳もお出しします。これが、とっても美味しい!うちの5歳の息子は毎日飲むのがこの飛騨牛乳だから、ときどき、他の牛乳を飲むと「味が変で飲めない・・・」と言ってきます(笑)

スポット詳細

【味と心の宿 城山館】
住所   :岐阜県大野郡白川村荻町1168-1
電話番号 :05769-6-1007

WEB:http://shiroyamakan.jp/

愛知県稲沢市出身。大阪で帽子職人としてモノづくりと商いを学び、その後、縁あって飛騨へ。世界遺産白川郷にある明治末期創業の旅館「城山館」の若女将と結婚したことを機に、白川郷へ移住。現在は旅館の更なる発展のため、前職の広告・編集業で培った経験をもとに、情報発信力のある若旦那として旅館や白川郷の魅力を発信中。

また、子煩悩な二児の父親。自宅が職場なので一日中子供たちと過ごしているため、そのイクメンぶりは村内でも有名。

白川郷 城山館のWebサイト

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