ドイツで学んだ技術で、感動を提供するお花屋さん「Sissi Flower Design」
目次
一流のフラワーデザインを
中学の卒業文集で、お花屋さんを開業したいと書いた尾崎さん。
その後、通信制高校と、フラワーデザイン学校を掛け持ちしながら、お花に携われるアルバイトもはじめたそう。「Sissi Flower Design」をオープンするに至った経緯をお伺いしました。
– お花屋さんを志すきっかけになった出来事を教えてください。
尾崎さん:「きっかけは、祖父母でした。祖父母家族と一緒に住んでいたのですが、祖母は植物が好きで、よく庭仕事をしていました。いつの間にか一緒に手伝うようになっていたんですよね。
それと、祖父が会社を経営していた姿を見ていたこともあり、いつかは自分で会社を経営したいと思うようになりました。
小学生のころかな、人生ゲームが流行っていた時期があって。ゲーム序盤でお金がない時に選べる職業って限られているじゃないですか。その中にお花屋さんがあって、服装がかっこいいという理由で、漠然とした憧れみたいなものがありました。
成長するにつれ、その気持ちが徐々に固まってきたんですよね。はやく働いて、お金をためて、自分のお花屋さんを持ちたいという具体的な目標になっていました。」
– こちらを開業されるまでに、東京とドイツで修業されているんですね。
尾崎さん:「20歳の頃からかな。ブライダルの仕事をはじめました。店舗は持たない形で、出来る範囲でというか。例えば、知り合いの結婚式でアレンジをやったりしていました。
でも、4年くらいやってみて技術が足りない部分があるなって。それに、店舗はなかったので、接客のスキルもまだまだ学べる部分が大きいのではないかと考えていました。
学ぶからには、本場でという想いがあって、ヨーロピアンフラワーデザインの巨匠である方にアポイントのメールを送りました。
ドイツ語でメールを送りました。ドイツ語教室に通ったり、独学でも勉強していたのですが、最後はインターネット掲示板頼みで。文法や単語があっているか質問しながらメールをつくりました(笑)」
– え、直接アポイントってすごいですね。
尾崎さん:「リーマンショック直後ということもあり、ドイツの景気が悪く受け入れてもらえませんでした。でも、1〜2年後にまだ気持ちがあれば、改めて連絡して欲しいって言ってもらいました。」
– それで、東京へ行かれたんですね。
尾崎さん:「日本で一番のフラワーショップで働こうと考え、明治25年創業の老舗である「U. GOTO FLORIST(ゴトウフローリスト)」で働きはじめました。ホテルなどにも出店していて、私が働いていた六本木本店はピアノの生演奏もあるラグジュアリーな空間でした。
現在でも活きている徹底的な品質管理は、このときに勉強しました。最終的にはお客様の喜びにつながっているんですが、水は毎日変えますし、古くなった花は売らない。厳しい目で、花の良し悪しを見極めて品質管理を徹底しています。」
– 東京では、他にどのようなことを学ばれましたか?
尾崎さん:「ニーズが細かく、幅広く対応しなければなりませんが、メニュー化されているので注文を受けてお渡しまでプロセスがシンプルになっていることです。お客様に確認することが決まっているので、スムーズに対応できることが分かりました。」
-その後、再度ドイツでの就業をご希望されたんですね。
尾崎さん:「東京で1年働いてから、Peter Assmann氏に再度メールを送りました。幸い、U. GOTO FLORISTのことをよくご存じなので、どの店舗で、どのような経験を積んだという説明をしたら、相手にもスッと伝わりました。
そこから、ドイツにある有名花屋でフローリストとして働きながら、語学学校に通いました。」
尾崎さん:「ドイツ語は1年半くらい勉強しましたが、現地の本物のドイツ語は教科書と違い、はじめのうちお客様に「あなたのドイツ語は理解できない」とストレートに言われました。言ってくれることはありがたいんですが、落ち込みましたね(笑)
おかげさまで、半年経った頃には語学を含め、ドイツの花屋の仕事を大体のことはできる様になりました。
ドイツの職人の技術は勉強になりました。フローリストによってつくるものは違いますが、スピードが早い。東京で、いろいろな注文に対応できるスキルは磨いていましたが、ドイツでのスピードには圧倒されました。
-現在では、東京とドイツで学ばれたことが上手く活かされているんですね。
尾崎さん:「お花屋さんは、接客と技術の両方求められる仕事です。いくら技術が優れていても、お客様の答えと違うモノが出来上がったのでは、意味がない。
フローリストとしての技術を持ちながらも、何が答えなのか聞き出すコミュニケーションスキルが必要です。お店として一定の品質でご満足いただけるよう、好みのパターンは統計しています。」