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今回ご紹介する「すいもん」は、JR岐阜駅から車で約6分、美しいけやき並木で有名な岐阜市本郷町にある喫茶店です。緑茶ブレンドハーブティーや、出来立てほかほかの母ちゃん飯がいただけると話題を集めています。
オレンジ・白のビニル屋根とくるくる回る黄色のパトロールライトが目印。
古き良き昭和の香りが漂う佇まいはどこか懐かしく、映画「ALWAYS」の下町に登場しそう……!お店のある並木道ではお散歩をする人がいたり、鳥のさえずりが聞こえてきたり、なんだか時間の流れがとっても穏やか。
お店のドアを開けるとイメージは一変、打ちっぱなしのコンクリートの床や白を基調としたモダンでシックな落ち着きのあるカフェ空間が広がります。
まるで昭和から令和への”どこでもドア”を開けたかのような気分です。
もともと喫茶店だったという築50年以上の趣ある物件。喫茶店の名前はそのままに、店主伊丹さんの手によって昭和と現代が融合したレトロ喫茶、新生「すいもん」に生まれ変わりました。
店主伊丹さんにお話を伺いました。
-お店をはじめたきっかけを教えてください。
伊丹さん:「柳瀬商店街にある和食創作料理店「楮」で20年ほど勤務をしていました。地元が大好きなのでわたしもいつかこの土地でお店をはじめたいなと思い、物件を探していた時に見つけたのがこの場所。昭和の雰囲気に惹かれて「ここにしよう!」とすぐに決めました。
この建物は、以前「茶房すいもん」という喫茶店だったそうで、名前はそのまま引き継ぐことにしました。
建物自体の老朽化がひどく、リフォームは大変でした……。ですが天井のデザインだったり、タイル貼りの壁だったり……壊したくないなと思う素敵な部分がとても多かったので、そういった箇所は取り壊さずに当時のまま残しています。外装に関しても補修はしましたが、景観をあまり変えたくなかったのでほとんど手を加えることなくそのまま活用しています。」
-お店のコンセプトを教えてください。
伊丹さん:「昔ながらの喫茶店、「ほっと落ち着ける場所、ひとりでもふらりと入りやすいお店」ですね。外の景色を見ながら、友人と楽しく会話をしながら……思いおもいに過ごしてもらう中で、すいもんのドリンクや食事を楽しんでもらえたら嬉しいです。
いつでも気軽に来ていただけるようなお店づくりを心掛けています。当たり前の日常生活の中に浸透するような、そんな身近な存在になれたらいいなぁと思っています」
-看板やショップカードのイラストが素敵ですね!
伊丹さん:「看板やショップカードに使用しているイラストは、パートナーの友人のデザイナーにお願いをして描いていただきました。
お食事を運んでいるあの小人たち、実は「私」と「パートナー」なんです。彼がわたしたちをイメージしてイラストを描いてくれました。
2人の特徴をよく捉えてくれているなぁと、なんとも愛おしくて気に入っています。」
日替わりおかずに毎朝わくわく
すいもんモーニングとハーブティー
すいもんのモーニング(8:00~11:00)はドリンクをご注文で「日替わりモーニング」が付いてきます。厚切りトーストと、日替わりおかずがワンプレートに!ナポリタンやグラタン、時にはピザトーストなど何が出るかは当日のお楽しみ。
目覚めの一杯には、すいもんブレンドのハーブティーがおすすめです。
ハーブティーをたくさんの人に楽しんでもらえるよう、飲みやすくするために日本人に身近な緑茶をブレンドして作ってもらったすいもんだけのオリジナルハーブティー。
香料・甘味料不使用なので健康に気を付けている方にも、紅茶がお好きな方にもとってもおすすめです。緑茶には岐阜の銘茶、美濃茶を使用しています。
今回ご紹介するのは「バタフライピー」とよばれるマメ科の植物などをブレンドしたちょっと不思議なハーブティー。
紅茶を蒸らしているとだんだんとお湯の色が鮮やかな青に!一体どんな味がするのか恐るおそる飲んでみると……レモンようなすっきりとした味わいが口いっぱいに広がります。
レモンの果実を口に含んだ時のような強い酸味はなく優しい口当たり。ブレンドされているレモングラスのさわやかな柑橘の香りに、心がほっと落ち着きます。お砂糖をいれなくてもほのかに甘く、あと味はさっぱりとしていてとっても美味しい!
こちらのハーブティーには、驚きポイントがもうひとつ。
なんとレモンをいれると、紅茶の色が青色からむらさき色に変わるんです!
バタフライピーはクエン酸に反応をすると色が変化する植物なんだそう。
また、「アントシアニン」がたっぷり含まれていているので、肌の老化を食い止める抗酸化作用にも優れていて、しわやくすみなどの肌の老化を加速させる活性酸素の働きを抑えるアンチエイジング効果もあります。
ハーブ特有のクセは緑茶をブレンドしていることでマイルドに。「ハーブティーって飲んだことない……。」そんな方々にもぜひ飲んでみてほしい一杯です。
こころもまんぷく
出来立てほかほか
すいもんママの母ちゃん飯
すいもんで楽しめるのはその名も”母ちゃん飯”。
”母ちゃん飯”とは……まるでお母さんが作ってくれるような母の味・出来立てほかほかのあたたかいお食事のこと。すいもんママこと伊丹さんの”母ちゃん飯”、満たされるのは胃袋だけじゃありません。
伊丹さん:「いくつになってもお母さんの手料理ってすごくおいしくて、不思議とほっとするあじわいで、とっても魅力的ですよね。そんな食事をわたしも提供したいなと思って”母ちゃん飯”をはじめました。最近SNSではかわいくてキラキラした「インスタ映え」するお料理が流行っていますが、すいもんでは……無縁です…(笑)キラキラも素敵だけど、すいもんに来たら”母ちゃん飯”を食べてほっこりと温かい気持ちになってもらえたら嬉しいです。」
サクッと軽やかな衣が絶品のメンチカツはどこか懐かしく優しいあじわい。”母ちゃん飯”ならでは食べ応え満点サイズです。注文を受けてからつくるメンチカツはいつでも揚げたて。食べるとパワーがみなぎってきます。
定食にはメインのほか、小鉢と赤だし、ご飯がつきます。実家を離れるとなかなか自分で作ることも食べることも少なくなる和え物や家庭料理を楽しめる小鉢は、すいもん定食の名わき役です。
毎日頑張るお母さんたちの力になりたいとはじめたテイクアウトサービス。
メンチカツ(1人前2個キャベツ付500円税込)・グラタン(1皿420円税込)は、お昼ご飯や夜ご飯のひと品に大人気です。(グラタンは要予約、180mlアルミトレイでのお渡し)
食事の後は、すいもんママの特製デザートもお忘れなく。
以前「楮」で働いていた時に、デザートを担当していたという伊丹さん。こだわりを入れつつ、できる限りシンプルに作り上げたというオリジナルのベイクドチーズケーキは売り切れ必須。
爽やかなレモンの風味が堪能できる、濃厚でありながら甘さは控えめの絶品ベイクドチーズケーキ。
ハーブティーやコーヒーとの相性もばっちり、至高の逸品です。
すいもんに新しい仲間が登場!
「グラタンポット」と「オリジナルブレンドティー」
この夏からすいもんに、定食メニューには「グラタンポット」が、ドリンクメニューには「すいもんオリジナルブレンドティー」が新しく仲間入り!すいもんママのこだわりが光るここでしか味わえない新メニューをご紹介。
モーニングやテイクアウトで人気のグラタンが、「グラタンポット」として定食の新メニューになりました。グラタンポットとは?
なんと器ごと食べれちゃうまるごとパングラタンのこと!少し固めにつくられたパンの器には、とろ〜りチーズと濃厚手作りベシャメルソースがたっぷり。
具材をソースに絡めて食べれば至福のひと時……。グラタンポット定食にはセットでサラダが付いてきます。
春夏秋冬、季節のお野菜を変えて作るすいもんママ特製グラタンポット、ぜひご賞味あれ。
もうひとつの新作メニュー「すいもんオリジナルブレンドティー」は季節のくだものが楽しめる、果肉入りの紅茶です。
数種の茶葉やフリーズドライフルーツを使用、ティーカップに注ぐ前からみずみずしいフルーツの甘い香りがふわりと広がる、ここでしか味わうことのできない一杯。スプーンに用意されたフルーツを紅茶に浮かべていただきます。
はじめての夏は、もも・ぶどう・いちじくの三種類をご用意。(フルーツは季節によって異なります。)
フルーツや茶葉から抽出される自然の優しい甘みがポイントです。食事やデザートのお供に、ひとやすみの相方にもおすすめ。
-これからどのようなお店にしていきたいですか?
伊丹さん:「日常に寄り添った身近な存在に、また、ひとりでもふらっと気楽に立ち寄ってもらえて、年齢問わず誰かの「心の拠り所」となれるようなお店にしていきたいです。お客様の声もたくさん取り入れて、もっと心地の良い空間を作っていきたいですね。今後もまだまだ新しいメニューが増える予定なので楽しみにしていてください。
また、イベントや出店などの予定も少しずつ決まっているので、「いま」を大切にしながら、少しづつ、このお店のペースでいろいろと挑戦していきたいなと思っています。」
笑顔が素敵で優しさ溢れる伊丹さんが店主の喫茶すいもん。店内を流れる空気もどこか温かく和やかです。「今日何食べよう?」迷ったときは、ぜひ母ちゃん飯を召し上がれ。