前回、前々回とお送りしているスウェーデンの手作り結婚式。家族皆でパーティーの会場を用意する様子と、小さな教会で挙げた式……とご紹介してきましたが、今回は最後、皆で作った会場でのパーティーの様子。
パーティーがはじまるのは午後15時頃からなのですが、なんとスウェーデンのパーティー、深夜まで続きます!場所を途中で移動することなく、皆で設置したテントで深夜2~3時まで続きました。
▼前回、前々回の記事はこちら
こちらが前日のまだ準備中の時のテント。こちらの中に……
ざっと約40人程の招待客が入りました!このテーブルの手前にはステージと、ケータリングの食事が置かれる台などが用意してあります。テントの上部には新郎新婦の写真が飾られています。
ちょっとひいて見ると、会場内はこんな感じです。お料理はというと……
こんな感じでアルバイトの女性が料理を並べてヘルプをしてくれます。この日はケータリングの料理を注文したのと、アルバイトの女性を2名、そして音楽を演奏するミュージシャンを雇った以外はすべて自分たちで用意、進行をしました。
まずはオードブル。生ハムに、サラミに、鮮やかなミニパプリカが彩を添えます。
こちらはチキンのトマトソース。奥にはパスタも並びます。
そしてたっぷりのチーズとぶどう。パンやKnäckebröd(クナッケブロッド)と呼ばれるかたくて平たいクラッカーのようなパンと一緒に。今回のケータリング、とてもスウェーデンらしいメニュー。
他にもトマトとモッツァレラのサラダなどが並びました。
こちらはデザートのカップケーキ。
お水にはたっぷりのレモンを入れて。
こちらは招待客の席に置かれたプレゼントの中身です。日本でいう引き出物でしょうか。こちらは男性用・女性用と中身を別で用意し、前日に皆で箱に詰めました。
女性用の中身はドライシャンプー、アフターサンローション、プレストパウダー、マニキュア、そしてボィデバーム。どれも皆が知るメーカーのもので実用的なものばかり。男性用は、シェービングクリームなど、こちらも男性用の実用的なアイテムばかりでした。こういう好き嫌い無く使用できるものは貰ってうれしいですね!
前日に皆で用意したテーブルで招待客同士の話がはずみます。白いテントに白いテーブルウェアに白い花。そして差し色のナチュラルブラウン。花は外で摘んできたものですし、テントの外に生えていた草も差し色のブラウンとして使用しています。ナチュラル(自然)を上手に使用したコーディネート。
用意したレースと白樺のフォトブースはこんな感じに!テントを設置したすぐ近く、ドリンクバーや休憩場所として使用しているロッジの外に立てかけました。紐を貼って、招待客達が自由にチェキで写真を撮り、ここへ飾っていけます。もちろん撮影した写真は、この先も思い出に。
こちらは花嫁とその息子たち。
こちらは招待客。
遊び心で写真撮影に使えるこんなアイテムも色々と用意しました!
フォトブースは人気で遅くまで皆使用していました。「遅くまで」と書きましたが、この写真皆さん何時頃だと思いますか?けっこう明るいですが、実はこの写真は22時を回っている時のもの。7月ですし、ストックホルムよりも北極圏に近い中北部なので日は大変長いです。
また皆でテーブルに着いている時は、招待客の友人がグラスをフォークで叩いて音を出したら新郎新婦が急いで席の上に立ってキスをするという一面も。どんな話をしていても、グラスをたたく音が聞こえてきたら2人は立ち上がってキスをします。
「これは日本では出来ないな!」と思ったのは、新郎が席を離れている間に新郎の友人男性たちが並び、列になり1人1人花嫁にキスをしていくというもの。もちろん頬にする人が多かったのですが、中には口にする人も!日本でやったら大ヒンシュクをかってしまいますね。スウェーデンならではだなぁと思った一面でした。
他にも夜になれば(写真は明るいですが19時を過ぎています!)ミュージシャンを呼んでダンスタイム。ラブソングに合わせて新郎新婦がとても幸せそうに踊ります。
こちらはアップテンポなロックンロールに合わせて踊る花嫁とその母親。会場は大盛り上がりです。
この写真で0時すぎ頃でしょうか。新郎新婦の子どもたちは早めに家へ戻り就寝。元気のある皆でパーティーはまだまだ続きました。
さて最後にご紹介するのは、スウェーデンの新郎新婦が独身最後として友人達と行う伝統的なSvensexa(スヴェンセクサ)とMöhippa(モーヒッパ)。アメリカなどでは「バチェラーパーティー」と言われますね。いわゆる独身さよならパーティーです。
このスウェーデン版バチェラーパーティー、まずは花婿・花嫁と仲のいい親友たちが計画し、実行する日の朝にそれぞれを迎えに行くところから始まります。行うのは花婿、花嫁別々です。本人たちは何が起こるのか知らされません。
写真は今回の花婿のSvensexa(スヴェンセクサ)。Svensexaは花婿が行うもので、だいたい友人達に誘拐され変なかっこをさせられて電車に乗ったり街を歩いたりします!ですので、もし男性グループの中に1人だけ変なカッコをしている人をスウェーデンで見たら…それは結婚を控えた花婿です。
そしてMöhippa(モーヒッパ)は花嫁が行います。花嫁版は友人達に連れられてサプライズでスパへ行ったり食事をしたりパーティーをしたり。今回ご紹介した花嫁は、親友たちに連れられてサプライズでスパへ行き思い出の90sの歌をレコーディングしてCDにするというものでした。
最後にこちらはハート型の木に招待客がそれぞれお祝いの言葉を残していけるもの。テントの外に設置しました。こうやって後に残るもの、そしてこういう所にも自然(木)が使われているところがいいですね。
いかがでしたでしょうか、スウェーデンの結婚式と結婚パーティー。日本の多くのそれとは違い、かなりアットホームな雰囲気が感じられたかと思います。自然を使い、新郎新婦、そして招待客の皆も誰一人背伸びしたり気を張る事無く、全員がリラックスして楽しんでいるところが大変素敵でした。