【スウェーデンの暮らし】スウェーデンの家庭で過ごすクリスマス

スウェーデン
掲載日:2018.12.20
【スウェーデンの暮らし】スウェーデンの家庭で過ごすクリスマス

緑豊かな大自然、おしゃれなインテリア、ゆったりと流れる時間。北欧の暮らしって憧れますよね。特集「スウェーデンの暮らし」では、現地からリアルな北欧の暮らしをお届けします。紹介してくれるのは、スウェーデン在住のライター新谷 友海さんです。今回は、スウェーデンのクリスマスをご紹介します。

クリスマスは夏のMIDSOMMAR(夏至祭)と同じくらい大切なイベント。クリスマスはスウェーデン語で「JUL(ユール)」といいます。

クリスマスには、家族で同じ時間を過ごすため、多くの人が地元へと帰省します。クリスマスシーズンの電車やバスの指定席チケットは、早めに予約しておかないと売り切れてしまう事も。自由席での移動もスーツケースやクリスマスプレゼントを持った人たちが多く乗るので、国内移動は大雪でも降ったら大変です。

今回は、一般的なスウェーデン家庭のクリスマス風景をご紹介したいと思います。

クリスマスのオーナメント

普段は離れて暮らす家族が集まる家には、沢山のクリスマスのデコレーションが。こちらはクリスマスの妖精「TOMTE(トムテ)」です。スウェーデンのクリスマスシーズンには、サンタクロースよりも、このトムテを見かけることの方が多いでしょう。

ノルウェーとデンマークでは「ニッセ(Nisse)」、フィンランドでは「トントゥ(Tonttu)」と呼ばれています。家に訪れたトムテのためにバターを入れたミルク粥を置いておくと、家事を手伝ってくれたり家を守ってくれるという言い伝えがあります。子どもたちはトムテの為に、ミルク粥を用意します。

星形のライトシェード

部屋の飾りつけはこちら。こちらが無いとスウェーデンの冬は越せません!というほどポピュラーなアイテムの1つ、星形のライトシェード。

冬のスウェーデンの街を歩くと、どこのアパート、どこの家の窓からもこの綺麗な星形のライトが輝いているのが見えます。各家に星が煌めいているようで、それはとてもきれいなんです。

クリスマスツリー

部屋にはもちろんクリスマスツリーも。

集まる家族が皆それぞれへのプレゼントを持ってくるので、ツリーの下には沢山のプレゼントが!こんなに沢山のプレゼントの包み、子どもたちにはたまりませんよね。クリスマスのディナーのデザートを食べ終わったころ、サンタが玄関のドアをノックし家に訪れて、ツリーの下のプレゼントの包みに書いてある名前が読み上げられるのを今か今かと待ちます。今年は自分のプレゼントは何個かな、とワクワクしています。

こちらはまた別のお宅ですが、どこの家にお邪魔しても、素敵なクリスマスツリーとプレゼントが用意されています。

スウェーデンではクリスマスは家族が集まるビッグイベントですので、丁度日本のお正月と同じような感じです。以前ご紹介した夏のMIDSOMMAR(夏至祭)と並んで、家族が集まる大切な日です。逆にスウェーデンのお正月は、普通の平日のような感じで、特別なことは特にありません。お店の開店時間がちょっと短くなるくらいでしょうか?お正月を大切にする日本人としては、ちょっと寂しいですね。

ツリーの下には、沢山のクリスマスプレゼントの包みが。

クリスマスが近くなると皆プレゼントを買いに走るので、特にクリスマスに近い12月の週末はレジに長い長い列が出来ることもあります。プレゼントの購入は、早め早めに。11月の終わりにはブラックフライデーがあるので、ブラックフライデーセールでクリスマスプレゼントを購入しておく人も少なくありません。

私の住んでいる街では、クリスマスのショッピング用にバスが無料で乗り放題になる週末があるので、毎年「バス会社も粋なことをしてくれるなぁ」と思い利用させてもらっています。レジの横にはその場で自分でラッピング出来るように、無料のラッピングペーパーやリボンが置いてあります。

Pepparkaka(ペッパーカーカ)

他にもクリスマスといえば、ジンジャークッキーです。スウェーデン語でPepparkaka(ペッパーカーカ)と言います。クリスマスに皆でジンジャークッキーの家を作るのも楽しいですよね。

写真に写っている茶色いパックが出来合いのジンジャークッキーのたねなのですが、どこのスーパーでもクリスマスの時期に購入できるので、あとは伸ばしてお好みの型にくりぬいてオーブンで焼くだけで美味しいジンジャークッキーが出来上がります。

クッキーづくり

思い思いの形のジンジャークッキーが焼けたら、あとは溶かしたブラウンシュガーを使ってクッキーとクッキーをつなぎ合わせます。

クッキーの家

上手にできたでしょうか?ちょっと位不格好でも、それはご愛敬。自分のつくったジンジャークッキーの家が美味しくないわけがありません。

FIKA

そしてこちらはとってもクリスマスらしいFIKA(フィーカ:皆でコーヒーを飲みながらスイーツをつまんで談笑する時間の事)のおやつ。手前がスウェーデン人お母さんお手製のサフランクッキー。私の大好きな味です。バターが効いていてほんのりサフランの味がする、見た目も黄色と白のグルグルがとっても可愛いクッキーです。

その奥がジンジャークッキーにサフランブレッドです。

久しぶりに家族みんなが集まるクリスマスですから、FIKAの時間も話がはずみます。スウェーデンではとても沢山コーヒーを飲むので、1回のFIKAでコーヒーを何杯もお替りする人も。クリスマスの楽しい時間は、長い夜と共にゆっくりと過ぎていきます。

こちらはスウェーデン北部の海辺にある、とてもとても小さな集落の一角。メインのお家の庭にあるゲストハウスです。こちらの大きな庭には、鹿やヘラジカなど野生の動物がよく姿をあらわします。

この地域は普段はとても静かですが、クリスマスでそれぞれの家に家族が集まっているので、賑やかな声とクリスマスのイルミネーションがキラキラと煌めいています。こんなに暗いですが、実はまだ15時頃。

今年はあまり雪が降っていませんが、いつかのこのクリスマスの良く晴れた日のように綺麗な雪景色を見ることが出来るでしょうか?クリスマスは、もうすぐです。

愛知県稲沢市出身。2007年1月よりスウェーデン在住。日本でプロボーカリストとして音楽活動に励んだのち、現在はフリーランスデザイナー、ライターとして活動中。スウェーデンから、リアルな北欧の暮らしを季節の写真とともにお届けします。

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