2023年6月、名駅に新規オープンした話題のスポット、「彩盆の間(さいほんのま)」。有名サイフォ二ストがサイフォンで丁寧に淹れる、コーヒーやお茶などを存分に楽しめるお店です。
今回は「彩盆の間」オープンのきっかけやお店のこだわりについて、オーナーサイフォニストの中山さんにお話を伺ってきました。
目次
「カフェ以上、美術館未満」
そんな場所にしたい
名古屋市営地下鉄桜通線「国際センター駅」から徒歩1分。2023年6月1日、名駅にサイフォンで淹れたコーヒーやお茶などが楽しめるお店が、新規オープンしました。
18ビルの2階に位置する「彩盆の間」。ビルの入り口の大きなちょうちんと、のれんが目印です。
ゆったりと上質な時間が味わえそうな、落ち着いた雰囲気の店内。
特別カウンター席とテーブル席、お好きな席が選べます。サイフォンを間近で見たい方、店員さんとの会話を楽しみたい方には、特別カウンター席がおすすめです。
どの席にも、盆栽が飾られています。お気に入りの盆栽を前に、お茶をいただくと、テンションがあがること間違いなしです。
外の様子を見ながら、テーブル席でのんびりカフェタイムを味わうのもよし。友人やご家族と、素敵なひと時が過ごせそうです。
「彩盆の間」はお子さんも大歓迎!エレベーター完備、席の間のスペースも広々としているので、ベビーカーでの来店も叶います。
店内では、ミニ盆栽を購入することも可能です。
その季節にあった盆栽を並べているため、毎月一度、すべての種類が入れかわるそう。お店を訪れるたびに、季節の変化を盆栽から感じられるのもまた「彩盆の間」での時間の楽しみ方です。
盆栽の鉢の色や形も異なり、水受皿も好きなものが購入できるので、自分だけのお気に入りがきっとみつかるはず。
世界大会で優勝した経験をいかし、
サイフォンの魅力を多くの人に伝えていきたい
– 「彩盆の間」をオープンした経緯を教えてください。
中山さん:「もともと異業種で働いていたのですが、「コーヒー関連の仕事がしてみたい」との想いから、脱サラし、コーヒー業界に携わりはじめました。今年で13年目になります。
コーヒー業界に入ってから、本格的にサイフォンについて学びはじめ、出場2年目でサイフォンの日本大会で優勝することができました(その後2度の優勝、史上最多優勝)。
本格的に独立を考えるようになったのは、やはりコロナの影響です。
コロナで客足が減り、家庭でコーヒーを楽しむ方が増加。その分店舗は閉鎖し、多くのバリスタたちもコーヒー業界を去っていきました。
まわりの状況が一変し、この先自分はどうしていきたいのかと考えてみたときに、やはり多くの方に、自分がおいしいと思えるものを提供したい、という想いが一番に湧きあがってきたので、独立することを決意しました。」
– 「彩盆の間」のこだわりを教えてください。
中山さん:「「彩盆の間」では「サイフォンの可能性を広げていくこと」を常に考えています。
サイフォンで淹れたものの最大の魅力は、その香り。うちでは、その香りをいかに、ひとつの作品として、お客様に届けられるかをモットーにお店を運営しています。
当店では、香りを景色と考え、メニューにはそのイメージした景色の絵をお見せし、サイフォニスト自らの言葉でお客様にあったコーヒーなどをご案内しています。
飲み物の提供中に座席においている盆栽に眺めていただきながら、五感をフル稼働させて、この世界感を楽しんでいただけたら嬉しいです。
また、「サイフォン=コーヒーを淹れるもの」というイメージが強いと思いますが、実は、お茶や紅茶、出汁だって淹れることができるのです。
ただ、お茶などを適切に抽出できるサイフォ二ストが少ないのも事実。技術の高いサイフォニストをこれからもたくさん育てていけたらと思っています。」
盆を彩る、香しき間
香りの個性をそれぞれの感性で感じてほしい
店名「彩盆の間」は、「お盆の上の彩りを楽しんでほしい」という想いからつけられました。
そんな「彩盆の間」のメニューは、ドリンクメニューもフードメニューも豊富。種類豊富なコーヒー、お茶に加えて、紅茶や日本のハーブティー、アルコールなども取りそろえています。
フードメニューは、愛知県内の人気のパン屋さんや、ケーキ屋さん、和菓子屋さんなど、オーナー中山さんのいちおしのお店とコラボした商品を常時おいています。
雨の日限定メニューや季節限定メニューなど、日によって提供されるドリンクやフードも異なってくるので、いつ訪れても楽しみが満載です。
まるで本物の盆栽?! 1日10個の限定プリン
お店いちおしのメニューはこちら。
大阪の「プリン研究所」監修の自家製プリン「盆彩たっぷりん(1,100円)」。
視覚から楽しめる、遊び心あふれる、オリジナルプリン。少しかための弾力あるプリンの上には、本物の盆栽とまちがえてしまうほどのデコレーション。
こちらのプリンも季節によって使用するトッピングがかわるそう。
今回いただいた秋バージョンの「盆彩たっぷりん」には、さつまいもや卵白のスポンジが使用されており、味だけでなく、食感も楽しめる贅沢なプリンでした。
希望があれば、注文したデザートに合うドリンクを用意していただくことも可能です。
その日の気分や好みを伝えると、あなただけのベストマッチをつくっていただけるので、特別感を味わいたい方におすすめです。
サイフォンならではの香りを世界に届けたい
– 今後の展望、新たに取り組みたいことなどを教えてください。
中山さん:「今後はこのお店の特性をいかした、さまざまなイベントを行っていく予定です。「サイフォンコーヒー抽出セミナー」や「盆栽づくりのワークショップ」などは、おかげさまで大人気となっています。
そのほかにも、引き続き、他店とのコラボメニューをどんどん増やしていったり、異業種とのコラボも行ったりと、精力的に「彩盆の間」の可能性を広げていけるような活動を行なっていきたいです。
すべてサイフォンでお届けする、予約制快席コースも計画中。コーヒーやお茶だけでなく、お出汁やお酒も楽しんでいけるメニューですので、ぜひ楽しみにしていてください。」
プロ意識が高く、サイフォンや盆栽への愛にあふれる、オーナーの中山さん。
「彩盆の間」に一度訪れると、誰もがサイフォンや盆栽の魅力にはまることでしょう。
これからも、どんどん新しいことに挑戦していく「彩盆の間」の動向から目が離せません。
あなたの五感を研ぎすまし、お気に入りの一杯を探しに「彩盆の間」を訪れてみてはいかがでしょうか。