建築好き必見!模型の新たな楽しみ方を体感できる「建築倉庫ミュージアム」
目次
展示室B
UNBUILT:Lost or Suspended
ナム・ジュン・パイク美術館 -スレッシュホールド・スクリーン-計画案 / 岡部憲明アーキテクチャーネットワーク
続いては、展示室Bで開催されていた「UNBUILT:Lost or Suspended(以下:アンビルト展)」をご紹介します。こちらは、複数の建築家による「アンビルト建築作品」を展示しています。アンビルトとは、惜しくも最優秀賞を逃したもの、バーチャルアーキテクチャとして生まれたものなど、模型は制作されたものの何らかの理由で実際には建てられることのなかった建築、これから建てられるかもしれない建築のことです。
展示室内には、50点もの模型が展示されています。壁側の棚に展示されているものは、「建築倉庫」で保管しているもの。中央に展示しているのは、今回の展覧会のために集められたアンビルト建築作品です。
模型と併せてプレゼンボードも展示されていました。アンビルト建築作品の提案内容をこのように見ることができるのは珍しいのではないでしょうか。建築学生、建築関係のお仕事の方は特に気になりますよね。プレゼンボードを見ることで、コンセプト・背景・構造など、より深く建物のことを知ることができます。
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世には出回っていないこうした作品に触れられるのも、アンビルト展の魅力。実際に建てられていなくても素晴らしい建築は山ほどあります。実現しなくても、模型が保管されているということは、それだけ設計者がその建築に想い入れがあったということなのではないでしょうか。
【UNBUILT:Lost or Suspended】
会期 :2018年8月4日(土)-10月8日(月・祝)
主催・企画 :建築倉庫ミュージアム
執筆 :片桐悠自(東京理科大学理工学部建築学科助教)
展覧会企画協力:三宅理一(一般社団法人日本建築文化保存協会理事)
建築倉庫ミュージアムでは、ギャラリートークのようなイベントも開催されています。こちらはなんと、ミュージアムの入館料だけで参加が可能なのだとか。
▼開催スケジュールはこちらから
https://archi-depot.com/exhibition-event
エントランスには、ミュージアムショップが併設されています。ここでしか手に入らないオリジナルグッズなどもありますよ。
「建築倉庫ミュージアム」は、建築を勉強している方は何時間いても楽しめるのはもちろんのこと、建築の知識がないという方でも、模型の美しさや他にはない展示施設に、感動すること間違いなしです。リニューアルを機に、より模型や建築をアート作品のように楽しめる施設になりました。
東京に行った際には、同じく寺田倉庫が運営している画材ラボ「PIGMENT(ピグモン)」と合わせて訪れてみてくださいね。