自然災害の多い日本では、東日本大震災をはじめとした地震による被害をはじめ、台風や局地的集中豪雨などの風水害・火山噴火・津波など、さまざまな自然災害が発生しています。
いつ自分たちの地域にその危険が迫っているのかわかりません。自宅にいる時間が多い今だからこそ防災への備えや知識は必要です。そこで今回は、 おうちでできる防災について、わかりやすくご紹介します。
目次
日本をとりまく自然災害
まずはここ10年以内で起きた自然災害について改めて振り返っていきます。
・2011年3月11日|東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)
2011年3月11日に発生したM9.0の巨大地震。 (国内観測史上最大の地震)最大震度7。東日本の太平洋沿岸部に大津波が襲来し多大な被害を与えた大地震。
・2011年3月12日|長野県北部地震(栄村大震災)
東日本大震災の翌日に発生したM6.7の地震。長野県栄村では震度6強を記録しており、家屋の倒壊や土砂崩れなどの被害を受けた。
・2011年4月11日|福島県浜通り地震
2011年4月11日に発生したM7.0の地震。東北地方太平洋沖地震で誘発された余震。福島県いわき市であり震度6弱を記録。
・2011年9月2日~3日|台風12号
特に紀伊半島の奈良県南部・和歌山県で被害が大きく、死者・不明者92人。
・2014年8月20日|豪雨による広島市の土砂災害
2014年8月20日に広島市北部の安佐北区・安佐南区の複数箇所にて大規模な土砂災害が発生。土石流などで死者74人・家屋の全半壊255軒。
・2014年9月27日|御嶽山噴火
2014年9月27日11:52、登山客が山頂に多数居る時間に突然噴火。多くの登山客が巻き込まれました。死者57人。
・2016年4月14日|熊本地震
2016年4月14日21:26に前震(M6.5)が発生し、最大震度7を益城町で観測。その後、4月16日に本震(M7.3)が発生し、熊本県益城町(2回目)、西原村で最大震度7を観測したほか、熊本県と大分県の広範囲で震度6強~6弱を観測。
・2016年4月16日|大分県中部地震
2016年4月16日7:11に発生したM5.3の地震。平成28年熊本地震に誘発された地震。 大分県由布市で最大震度5弱を観測。
・2017年7月5日~6日|7月九州北部豪雨
福岡県と大分県で集中豪雨。死者行方不明者42人。
・2018年7月上旬|西日本豪雨
2018年7月上旬に発生した西日本豪雨。広島県・岡山県・愛媛県などに甚大な被害をもたらし、死者は200人越え。水害による死者100人越えは平成に入ってから初。
・2018年9月6日|北海道胆振東部地震
2018年9月6日3:08に発生したMj6.7の地震です。厚真町で震度7、札幌市東区や新千歳空港などで6弱を観測。苫東厚真火力発電所の緊急停止から発生したブラックアウトにより全道295万戸が停電しました。
・2019年8月|九州北部豪雨
長崎県から佐賀県、福岡県までの広い範囲にかけて、長時間にわたる線状降水帯による集中豪雨が発生。観測史上1位の記録を更新
・2020年7月|令和2年7月豪雨
2020年(令和2年)7月3日以降に熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で発生した集中豪雨。
・2021年2月13日|東日本大震災 余震
福島県沖を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生し、最大震度6強を観測。福島県や宮城県、関東地方で計100人以上が負傷。
・2022年 3月 福島県沖地震
福島県沖の深さ57kmを震源として、M7.4の地震が発生し、宮城県登米市・蔵王町と福島県相馬市・南相馬市・国見町で最大震度6強を観測した。
過去の自然災害を振り返ると、地震だけでなく豪雨や台風、猛暑による熱中症被害など常に災害は隣り合わせだったことがわかります。自然災害はいつ発生するか分かりません。「備えあれば憂いなし」日頃からしっかりと準備をしていきましょう。
家族防災会議をして話し合おう
災害のとき、家族があわてずに行動できるように、実際に災害が発生したときのことを想定して家族防災会議しておきましょう。いざという時に「誰が」「何を」するのか、家族で離ればなれになった場合の連絡方法を決めておくのも大切です。
小学生のお子さんがいるご家庭は、分団登校の班名やお友達の誰と一緒であるかをご家族の方も知っておくとよいでしょう。
<役割分担の例>
ガスの元栓担当、非常持出品の担当、お年寄りや病人の保護担当など
<災害用伝言ダイヤル>
地震、台風などの災害の発生により、被災地への通信が増加し、つながりにくい状況になった場合に提供が開始されます。
▼災害用伝言ダイヤル
https://www.city.nagoya.jp/bosaikikikanri/page/0000003396.html
SNSをフォローしておこう!
SNS により発信される情報は、災害現場又はその近辺からの発信である場合や、災害発生直後、場合によっては災害発生前後の時間経過に合わせて発信されるなど、臨場感、 即時性を有する貴重な情報源です。
名古屋市では、防火・防災情報や講習の案内について、SNSを使って随時発信しています。また、家で楽しく学べる防災のアイデアをお伝えしているアカウントも多くあります。情報収集は受け身になるのではなく、自分から収集できるよう、あらかじめフォローしておくのをおすすめします。
▼Twitter(ツイッター)による情報発信
https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/391-1-2-0-0-0-0-0-0-0.html▼Instagram(インスタグラム)による情報発信
https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/391-1-8-0-0-0-0-0-0-0.html
防災マップを確認しよう!
いざというときに備えて、防災アプリ・各種ハザードマップで自宅の被害想定を確認し、災害時に避難する場所や避難経路などを家族で話し合っておきましょう。国土交通省が運営する、「ハザードマップポータルサイト」なら、身の回りでどんな災害が起こりうるのか、調べることができます。
▼ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/
また名古屋市が提供している「いつでも見られる携帯版防災マップ」は名古屋市の地震災害や洪水災害等の防災情報や、災害時等に公共交通機関が止まってしまった場合に徒歩で帰宅する際の帰宅支援情報を、スマートフォンやタブレット端末で確認できるアプリです。
現在位置周辺の被害想定や避難所情報が、カメラで撮影した実写の映像に合成して表示されますので、視覚的にその施設等がある方向や距離を把握することができます。事前に地図データ(国土地理院地図)をダウンロードできるので、災害時に通信機能が使用できなくなっても、地図を利用することができます。
▼いつでも見られる携帯版防災マップ
https://apps.apple.com/jp/app/ming-gu-wu-shi-zhen-fang-zaiapuri/id835646852?l=ja&ls=1
緊急避難場所の確認をしておこう!
自宅に近い緊急避難場所を確認し、その道順(安全ルート)を家族で話し合いましょう。
いざという時に速やかに避難できるよう、家族全員で歩いてみるのもいいと思います。
東日本大震災では、災害ごとに避難場所が指定されていませんでした。そのため、発災直後に避難場所に逃れたものの、その施設に津波が襲来し、被害拡大の一因となりました。教訓をふまえて、各自治体では避難場所が指定されるようになりました、名古屋市のサイトでも「指定緊急避難場所」「指定避難所」が記載されていますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
▼ナゴヤ避難ガイド
https://www.city.nagoya.jp/bosaikikikanri/page/0000090892.html
避難経路を確認しよう!
避難場所はわかっていても、そこまでの経路に危険な場所があると、たどり着くことが困難になります。避難場所と同時に経路の情報についても、事前に確認しておくことが大切です。家族で一緒に歩いてみるのもおすすめです。
<避けるべきポイント>
・道幅の狭い道
・ガラス張りビル
・土砂災害危険箇所
・古い建物
・大きな看板
・がけ・落石のおそれがあるところ
・ブロック塀
・河川
家族用の防災マップを作成しよう!
避難場所や安全な避難経路を確認したら、すべての情報をまとめた「家族用の防災マップ」を作成しておくと便利です。家族が離れているときに災害にあった場合の緊急連絡先や、災害用伝言ダイヤルなどの関連情報を記入。人数分をコピーして、外出時に家族全員で常に持ち歩いておくといざというときの備えになります。
<必要な項目>
・自宅と避難場所を記入
・複数のルートを記入
・危険箇所を記入
・緊急連絡先を記入
・コピーを作成し持ち歩く
家の中の安全対策
過去の巨大地震では、多くの方が倒れてきた家具の下敷きになって亡くなったり、大けがをしました。大地震が発生したときには「家具は必ず倒れるもの」と考えて、防災対策を講じておく必要があります。
寝室や子ども部屋などには、できるだけ家具を置かないこと。家具を置く場合はなるべく背の低い家具にし、転倒防止対策をとりましょう。家具が倒れてけがをしたり、出入り口をふさいだりしないように、家具の向きや配置を工夫しましょう。
家具は転倒したりしないように、壁に固定するなどの対策を!窓ガラスやペンダント式の照明、テレビ・電子レンジ・オーブンなど、家の中には凶器になるものがたくさんあります。地震の発生時、それぞれの部屋にどのような危険があるのかを考えて、対策をしておくといいです。
手の届くところに、懐中電灯やスリッパ、ホイッスルを備えておきましょう。懐中電灯は停電による暗闇を歩くときの必需品です。スリッパは割れたガラスなどの破片で足をけがをするのを防ぎます。ホイッスルは建物や家具の下敷きになった場合に救助を求めるためのもので、少しの息でもホイッスル音が出るので、救助する際の生息の目安になります。
▼自宅での家具類の転倒・落下・移動防止対策
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/bousai/1000027/1005737.html
備蓄品のチェックと入れ替えをしよう!
家族構成を考えながら、必要なものがそろっているかチェックしましょう。また、定期的に新しいものと取り替える必要があるもの(賞味期限や使用期限のあるもの)は、誰が取り替えるかも決めておくといいです。
▼自分の命は自分で守る!いざというときに備えておきたい防災グッズまとめ
今回ご紹介した情報は一例ですが、おうちで過ごす時間が長い今だからこそ、防災について改めて考えてみてくださいね。地震や津波などの自然災害は、ときとして想像を超える力で襲ってきます。しかし、日頃から防災対策をしておくことで、被害を少なくすることはできます。