Deign Torget(デザイントリエット)。ここはスウェーデンを初めとしたスカンジナビアの若いデザイナーやクリエーター達のデザインやアイデア、商品をストックホルムから発信して世に広め続けているお店。有名でも、無名でも、厳しい審査を潜り抜けた選りすぐりの商品達が店頭に並んでいます。現在ではスウェーデン国内で16店舗展開しており、スウェーデンの雑貨屋さんの顔とも言えるでしょう。
日用品にキッチン用品、園芸用品からステーショナリーまで様々なアイテムが並びます。
今回写真をご紹介していくのは、Uppsala(ウプサラ)のÅhlens内にあるDesign Torgetです。
Designtorgetは1993年に、ストックホルムのKulturhusetのスペースを利用して設立されました。設立者は、不況で失業した全てのデザイナーやクリエイター達のことを心に思い、「デザインのイノベーションの為のマーケットプレイスをはじめよう!」とDesigntorgetが誕生したとの事です。
それ以来、ずっと人々の目に留まるよう、手に届くように、数多くの才能溢れるデザイナーやクリエイター達の商品を販売する事でサポートしています。
店頭には数多くの新しい商品がお目見えします。デザインがユニークなもの、シンプルで機能的なもの、温かみのある木でできたもの、エコなもの、全てスカンジナビアデザインを感じさせるアイテムばかり。
さて、こちら何だと思いますか?木でできた家。中には穴が沢山開いています。これはBiBoと名付けられた、「木に住んでいる孤独なミツバチに休息と越冬の場を提供する蜂の家」。現在、個々で活動する蜂は越冬場所を見つけるのが難しく、そのために多くの蜂が絶滅してしまう恐れがあるんだそう。そこでこの蜂の家を吊るすことで、より多くの蜂が冬を越すチャンスを与える事が出来ます。集団で無く個々で活動する蜂は、人間には無害なので安全だそうです。
現在、スウェーデンには約290種のミツバチが生息しており、そのうち3種に1種が絶滅の危機に瀕しています。ミツバチは蜂蜜を生産しませんが、果樹や花の大部分を受粉させ、私たちや他の種の生存に欠かせない存在となっています。このBiBoは、そんなミツバチの為に家の屋根の下やベランダ、木の上など、雨風をしのげる場所に吊るして使用します。
またBiBoは、スウェーデンの松の一枚板から作られ、スウェーデン国内で生産されています。紐は麻で、ビハウスには亜麻仁油塗料が塗られています。「素晴らしい素材には素晴らしいミツバチが住む」という言葉を掲げて。
蜂の事を考えて環境にも配慮したアイテムですね。
https://designtorget.se/bibo-bihotellet
(Design Torget, BiBo紹介ページ)
さて、次にピックアップするのはこちら。こちらは筆者も愛用していておすすめの、ストックホルム発WASHOLOGI by Viktoriaの衣類ケア製品のシリーズ。
フルタイムの仕事を持つ4人の息子の母親であり、家のリフォームも本格化していた忙しい日々の真っ只中にいた設立者のViktoriaさん。ランドリールームを改装した際、棚に何か物足りなさを感じたそう。当時店頭に並んでいたのは、どちらかというと保守的でつまらないデザインのものばかり。「もっと魅力的なデザインで、環境への取り組みをしている信頼の出来るメーカーで、かつ効果的なランドリー製品があって良いはず!」と思いついたViktoriaさんは情報を集め、さまざまなメーカーに連絡を取り、レンジから香りからデザイン、ラベル、コンテンツ、ウェブサイトに至るまで、すべてのプロセスを1人で立ち上げました。その1年後、「WASHOLOGI」を2014年8月に立ち上げ、幸運にも16店舗の販売店を確保することができたそうです。
そんなWASHOLOGIですが、今ではスウェーデン国内様々なショップでよく見かけ、人々の手に取られています。筆者もその1人。パワフルなViktoriaさんの環境に配慮した商品は、地元の材料だけを使い人々の手に届けられています。
見て下さいこの数あるラインナップ!WASHOLOGIの商品は、洗濯洗剤に柔軟剤、リネンウォーターなどのランドリー用品から石鹸や染み抜き洗剤となっています。
スウェーデンで市場調査をした結果、洗濯用洗剤で多くの人が最も重要だと考えるのは「効率」で、柔軟剤では「香り」と「機能」が最も重要であることがわかったので、そのキーワードに沿ってつくられています。
こちらは柔軟剤。
WASHOLOGIのメインの香りをここでご紹介。
SPORT
ジャスミンのフレッシュで軽やかなフローラルな香り。HARMONI
鎮静作用やバランスを整える作用があるとされるラベンダーの香り。LÄNGTAN
ソフトでナチュラルな香りがスウェーデンをはじめ世界でベストセラーとなっているコットンフラワーの香り。VÄLBEHAG
柔らかなフローラルと癒しのミモザの香りHONOM
サンダルウッドがベースノートのベルガモット、柑橘系のフレッシュでマスキュリンなスポーティーな香り。HENNE
夏の草原にいるような美しいすずらんの香り。
ちなみにLÄNGTANはスウェーデン語で「待ち焦がれる」、VÄLBEHAGは「女性の人生」、HONOMは「彼」、HENNEは「彼女」という意味です。
筆者はシュッとスプレーできる、リネンウォーターのSPORTが気に入っており、リフレッシュしたい時に寝具や服にシュッとしています。環境に配慮し厳選した優しい素材から造られているので、小さなお子様がいても安心して使えます。ボトルもシンプルかつ美しいデザインですので、どこに置いてもインテリアの邪魔をしません。
WASHOLOGY by Viktoria
https://www.washologi.se/en
そして最後はこちら。カラフルなマグカップとその箱がならぶ一角。
こちらはDesign House Stockholm(デザインハウスストックホルム)。
1992年にAnders Färdig(アンダーシュ・ファーディグ)によってスウェーデン・ストックホルムに設立され、 60名以上のデザイナーや建築家達との幅広いネットワークの中で、北欧デザインの観点で アイデアを選りすぐり、デザイン性と実用性を兼ね備えた製品を創り出しているメーカーです。
そしてそんなDesign House Stockholmから、スウェーデンを代表する児童文学作家、Astrid Lindgren(アストリッド・リンドグレーン)の思慮深い言葉が刻まれたマグカップのシリーズです。彼女の作品は、長くつ下のピッピが有名です。
例えばこちらの青いマグには
Hyss hittar man inte på, di bare blir. Och att det är ett hyss, det vet man inte förrän efteråt.
いたずらは計画的じゃないし、その時は気付かない。後から気付くものだね(『エーミルと小さなイーダ』より)
という言葉が記されています。言葉で選んでも良し、好きなカラーで選んでも良し。選ぶのも楽しくなるシリーズです。
そして最後にご紹介するのは、同じくDesign House StockholmよりAstrid Lindgrenの長靴下のピッピのアニバーサリーマグカップ。シンプルですが、箱やマグのフリーハンドで描いたようなドットに、持ち手と箱の自然を感じさせる茶色がマッチして大変素敵なデザインとなっています。
他にも紹介しきれないような最新の北欧デザインで溢れるDesign Torget。スウェーデンにお越しの際は、ストックホルムの空港や駅などにも入っているので是非お立ち寄りその世界に触れて下さい。