飛騨家具のパイオニア、そしてリーディングカンパニー。「飛騨産業」の100年を歩むショールーム
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「地場産業」その原点にたちかえる挑戦
2000年に飛騨産業に就任した現社長は、環境問題にも積極的に取り組んでいます。節目を避けるのが定説だった家具づくりを見直し、あえて節を活かした家具「森のことば」を発表。廃材の減少にもつながりました。
また、ショールームでいくつか目についたグッドデザイン賞マーク。そのなかのひとつ、「KISARAGI」は、家具には不向きとされている針葉樹、杉を圧縮して使用しています。
森野さん:「高山の四方の山を見渡すと、黒い部分が多くあることに気づきます。これは戦後、成長が早い針葉樹を植えようという政策によって増えた杉の木です。しかし、使われないままほったらかしの杉は、花粉や台風被害などで悪者扱い。これらの杉をきちんと活用するのも人間、なかでも木を生業としてきた僕たちの役目だと感じたんです。」
誰もが「不可能だ」と諦めた挑戦に、専門家とともに試行錯誤を繰り返す日々。そして2014年、ついに杉を圧縮して固定化する独自技術を開発したのです。
森野さん:「創業時、先人たちがブナの木を活かそうとやってきたことを僕たちもやっただけのことです。その土地にあるものを有効活用するというのが地場産業の原点ですからね。」
森野さん:「外国の木材の購入費用は、その国の収益になります。さらに重油や石油を使って海を渡ってくるのでCO2の問題もありますよね。でも杉を使えば、ちゃんと地元に還元することができます。」
「木のすべてを使う」をモットーに、杉の圧縮技術を利用して樹木から成分を抽出。併設のショップでアロマグッズとして販売しています。
発想を転換し、誰もやらなかったことや「できない」と言われていることに挑戦する姿勢こそが、飛騨産業のルーツなのです。
こちらのアウトレット館もそんな挑戦のひとつ。バブル崩壊後、在庫となって積み上がっていた商品を見た社長のアイディアから実現しました。
展示品がところせましと並び、どれもがリーズナブルな金額で販売されています。
ファブリックや木工雑貨、一枚板のテーブルなど掘り出し物も多数。もちろん地方発送も対応していますので、思わぬ家具との出会いが楽しめそうです。
100年の歴史に裏打ちされた飛騨家具の良さ、そしてつくり手の想いをぜひ現地で体感してくださいね。