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地球の最南端に位置し、氷の大陸とも呼ばれている「南極」。南極にはさまざまな国の基地があり、気象や地質、雪氷、生物、宇宙などの調査がされています。日本は昭和基地・みずほ基地・あすか基地・ドームふじ基地の4つの基地をもっています。
今回ご紹介する「南極観測船ふじ」は、そんな南極観測のための砕氷艦(さいひょうかん)として18年間活躍しました。
船内は当時の姿がそのまま残されているため、南極への旅を擬似体験することができます。さらに、ヘリコプター格納庫を改装してつくられた展示室「南極の博物館」では、南極のうつくしさ、これまでの南極観測の歴史や成果などを知ることができます。
写真たっぷりでレポートしていきたいと思います!
南極観測船ふじがあるのは、名古屋港ガーデンふ頭。地下鉄名港線「名古屋港」駅で下車して徒歩5分ほどの場所。すぐ近くには名古屋港水族館も!
券売機でチケット(大人¥300)をGETし、いざ船内へ!
単独入館チケットの他に、4施設共通チケット、3施設共通チケットなどのお得なチケットもありますよ。
▼詳しくはこちら
https://nagoyaaqua.jp/fee/#sub-anchor-01
受付でチケットを渡すと、乗船証明書がいただけます!記念になりますね。
「南極観測船ふじ」とは
船内入ってすぐのところでは、南極観測船ふじの概要が紹介されています。
南極観測船ふじは、1965年から18年間活躍した2代目の南極観測船で、本格的な砕氷艦としては日本で最初の船です。その役目を終えた後、1985年から名古屋港ガーデンふ頭に係留されています。全長100メートル。約200名の海上自衛隊員、約40名の観測隊、最大約240名が乗船。さらに、南極で1年間過ごすための食料や燃料、建築資材、研究に使用する装置なども運んでいました。
1代目の南極観測船「宗谷(そうや)」よりも多くの研究装置が運べるようになったため、隕石やオゾン層の発見、生態系の研究が一気に進んだのだそう。
では、気になる船内を見学してみましょう〜!
「南極観測船ふじ」の船内を見学
南極観測船だからこその工夫も「食堂」
まずは乗組員たちが食事をしていた「食堂」。船内で1番広い空間で、一度に約100人が会食していました。ときにはこの場所で映画の上映会が開催されるなど、憩いの場でもあったのだとか。
おや?!調理場に人の姿が……
とってもリアルなマネキン人形でした。あまりのリアルさに思わず「えっ!!」と声が出てしました。船内では、このように当時の姿がマネキン人形で臨場感たっぷりに再現されているので、驚かないようにご注意くださいね。
食堂でぜひ注目していただきたいのが、机。
南極にたどり着くには、必ず嵐の中を通っていく必要があります。ときには船が45度傾くこともあったのだとか。船体が激しく揺れるため、机や椅子は床に固定され、机の縁には食器が落ちないようにストッパーがつけられています。天井から鍋を吊るして食べていたこともあるそうです!
ちなみに、モバイル解説もあるのでぜひお手元のスマートフォンで使ってみてくださいね。
続いて、乗組員たちが過ごした居室を見学してみましょう!
食堂を出ると、長い廊下が続いています。廊下の壁にあるローラーは、床に敷いてものを運ぶ際に使われていたもの。
幹部のための居室「第13士官寝室」
寝室は自衛隊員の位によって分かれています。
こちらは船長以外の幹部である士官30人のための寝室。8畳ほどの空間に、2段ベットと机やロッカーが設置されています。今でも実際に使われているかな?と錯覚してしまうくらい、とてもリアルです。
階段で地下1階へ!
乗組員の健康を守る「医務室」
南極に辿りつくには、約5カ月もの航海が続きます。その間、約240人の健康を支えていたのが医務室。
手術ができる設備もあり、専門医が衛生教育・健康診断・診療にあたっていました。盲腸の手術まで行なっていたというから驚きです。
手先の器用な人が髪を切っていた?!「理髪室」
少し進むと、見慣れた看板を発見!
ここは乗組員さんが髪を切るための理髪室。
実は、乗組員で手先の器用な人が理髪師をしていました。出港前に特別訓練を受けた”にわか床屋さん”ですが、腕は確かだったそうです。
5カ月もの間過ごす船内には、こんなにも色々な設備があるのですね。
当時流行したゲームもの様子も「先任海曹寝室」
続いては、先任海曹のための寝室。何やらゲームをしている様子。
こちらは当時流行していた「キャロム」というゲーム。おはじきのように玉を弾いて、四角にある穴に入れて遊びます。
まだまだ奥へと進んでいきますよ!
一般乗組員のための寝室「第二居住区」
幹部乗組員と先任海曹を除く、一般乗組員約105人分の居室。3段ベッド27台、2段ベッド14台がずらりと並んでいます。
南極へ行くために欠かせない
「電気推進方式エンジン」
南極観測船にとって1番大切なもの。それはエンジンです!
こちらのコーナーでは南極へ行くために欠かせない「電気推進方式エンジン」の仕組みが紹介されています。
艦の自重で氷を砕く「チャージング」航法で進みます。氷が厚くて割れないときは、200mくらい後退した後に最大馬力で前進し、氷に体当たりしながら氷に乗り上げ、氷を砕いていきます。
18回の航海で平均2,000回のチャージングが行われ、多いときには約6,400回ものチャージングが行われました。氷の海を進むのが、どれほど大変なのかがわかります。
続いて「南極の博物館」へ行ってみましょう!