森のアトリエで生み出される、作陶家・吉田直嗣さんの 黒と白の器。

静岡
掲載日:2019.10.01

森との距離感に惹かれて。

アトリエ

今回は、アトリエ兼ご自宅についてもお話を伺いました。

– なぜこの場所にアトリエを構えたのでしょうか?

吉田さん:「実はもともとは妻の祖母の別荘があった場所なんです。築60年ほどの小さな平屋でした。僕が独立するタイミングで譲り受け、2年ほど前に建て替えをしたんです。

建て替えのタイミングで、伊豆・山梨・長野など周辺も探してみたのですが、なかなか気にいる場所が見つからず、やっぱりこの場所がよいのだと気がつきました。森との距離感が好きなんですよね。方角はあまり気にせず、森が正面になるような家にしました。なので、富士山に向かっての窓がひとつもないんですよ(笑)。」

ここからは、実際にレポートしていきたいと思います。

アトリエ

アトリエ

まずは器の制作を行っているアトリエ。一般的な陶芸の工房というと、作品を並べる棚がずらっと並んでいて閉鎖的なことが多いです。ですが、吉田さんのアトリエは日がたっぷりと入り、とても開放的。

窓からの森の景色

アトリエからもお気に入りの森がしっかりと見えます。鹿やタヌキが遊びに来ることもあるのだとか。冬には銀世界が広がります。

自転車

自転車がお好きな吉田さん。吹き抜け部分には、愛車たちがディスプレイされていました。

焼き場

焼き場

庭にある小屋は、器を焼き上げる「焼き場」。建具や窓のガラスは、廃校になった小学校のものをリサイクルされてつくられました。よいアクセントになっています。

リビング

リビング

リビング

ご自宅にもお邪魔させていただいました。床から天井まで一面ガラス張りのリビング。まさに森を正面にした設計です。リビングの一角では、ドローイング作家である奥様の吉田薫さんが制作中でした。

cheren-bel(チェレンベル)

自宅では、ご自身の器を使われている吉田さん。一番右のものは、奥様との共作シリーズ「cheren-bel(チェレンベル)」のもの。

中でも筆者が驚いたのが、こちらの照明スイッチとドアの取手。なんと吉田さんご自身がつくられたのだそう。ものづくりへのこだわりは、こうした細部にまで。

作陶家・吉田直嗣さん

陶芸家の方というと、とても寡黙なイメージを抱いていましたが、とても穏やかな空気で出迎えてくださった吉田さん。最後は笑顔で最寄りの駅まで、私たちを送ってくださいました。さまざまな人々を惹きつける器には、こうした吉田さんの空気感がまとっているのだと感じました。

吉田さんの器は、都内を中心に年10回ほど開催される個展にて出会うことができます。ぜひ実際に手にとって、器のうつくしさを体感してみてくださいね。

 

Photography by Kanae Hori

スポット詳細

吉田直嗣(Naotsugu Yoshida)
1976年沼津生まれ。東京造形大学卒業後、陶芸家黒田泰蔵氏に師事。2003年に独立し、富士山麓にて築窯。白と黒の器を中心に制作している。

http://ynpottery.net/
https://www.instagram.com/naotsuguyoshida_ynpottery/

 

<東海エリアで吉田さんの器を購入できる店舗>
Analogue Life(愛知県名古屋市)
MatoYa(愛知県岡崎市)
hal(静岡県沼津市)

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