会社員であり、アーティスト。年代・性別・国境を超え活躍の場を広げるアーティスト「Natsuko Poe」

愛知
掲載日:2019.12.05
国内外の展示会を経て

Natsukoさん

現在、DTPオペレータとして会社員をしながらアートの制作活動を行っているNatsukoさん。会社員としての姿と、アーティストとしての自分。ON/OFFの切り替えが必要だからこそ、制作活動に集中できるそう。

海外と日本での展示会を継続的に行われ、作風も進化させながら意欲的に活動されています。

-アートの世界へ進まれたきっかけを教えてください。

Natsukoさん:「商業高校卒業後、一般事務職勤務、働きながら2008年〜2010年に名古屋デザイナー学院夜間部グラフィックデザインコースで2年間広告デザイン勉強し、その後DTPオペレーターとして働きはじめました。

もともと、興味があったこともあり、23歳の時に絵画教室へ通い始めて。デッサンを学びたかったのですが、なんと前衛芸術(※)の先生で。トータルで4年間、みっちり仕込まれました。」

※前衛芸術とは、フランス語で「アバンギャルド」と呼ばれる、過去の伝統的な芸術の概念を覆すような提案を行うアート作品のこと。代表的な作家は、アンディー・ウォーホールや、ジャクソン・ポロック、草間彌生他。前衛芸術は、現代芸術と同列で語られるが、現代芸術はより哲学や社会的な要素が際立つ。

-現在のご活躍に至るまでの道のりは、いかがでしたか?

Natsukoさん:「2009年にニューヨークで行われたグループ展に参加しました。そこで絵が売れたんです。認めてもらえたことが嬉しくて、ニューヨークや海外に対するポジティブな印象が生まれましたし、その後の活動の原動力になりました。」

当時Natsukoさんが参加されたグループ展示会「100 Works on paper by Japanese Artists/AG GALLERY,New York」は、50人の日本人アーティストが2点ずつ出展し、合計100作品の展示が行われるという企画。

2013年 ニューヨークウエストブロードウェイで路上販売をするNatsukoさん

その後、2011年にもニューヨークでグループ展に参加。そして、2013年には1か月間路上で絵を販売する活動を行われました。

-ニューヨークに続けて行かれていますが、どのような魅力がありましたか?

Natsukoさん:「とにかく、ニューヨークがよかった。エネルギーに満ち溢れていて、光と影のコントラストがあるというか。

当時は、日本人向けのシェアハウスに住んでいました。マンハッタンからイースト川を挟んで、東に位置するクイーンズのジャンクションブルバードという場所で。アジア系や、ラテンアメリカ系の移民の人が多い地域です。

庶民的で、あたたかい雰囲気がある町で、好きでした。コインランドリーによく通っていたのですが、洗濯が終わるまで待っている間、デッサンやクロッキーをしていると、地元の人が褒めてくれるんです。」

人との距離感が近く、人情味のある町での経験を経て、1か月後、日本へ帰国したNatsukoさん。

ONWARD-Navigating the Japanese Future 2016/The Hive Gallery and Studios,LA

そして2014年、アメリカ西海岸のロサンゼルスでグループ展を行われました。展示会と観光を兼ねた1カ月の滞在。ニューヨークと全く違う雰囲気に驚いたそうで、特に、カリフォルニアの人々は陽気だったことが記憶に残っていると、楽しそうにエピソードを語っていただきました。

その後、2015年フランスで初めての展示を行い活動の幅をヨーロッパへ広げました。

きっかけは、「クリエーターズマーケット」。東海地区最大のクリエーターの交流の場を提供するイベント。売る買うはもちろん、人のつながりを広げることができるコミュニケーションの場で、日本や世界各地でイベントを開催しています。

2015年のフランスへの出展は「クリエーターズマーケット」の投票で、上位に選出されるとパリでの展示に参加できるという企画だったのだそう。

2017年開催の東海地区「クリエーターズマーケット」メインビジュアル

Natsuko:「また、その後2017年に開催された東海地区のクリエーターズマーケットで、メインビジュアルアーティストに抜擢されました。アートイベント自体は、2日間の開催でしたが、多くの反響をいただきました。これを機に周囲から「ちゃんとしたアーティスト」だと認知されたように思います。」

お話を聞くなかで、会社員をしながらも、コンスタントにアーティストとしての活動を続けたからこそ、活躍の場が広がったように感じました。「Natsukoさんの作風が好き」という、絶対的なファン層を獲得し続け、かつ、Natsukoさんも進化し続けたからこそ、より大きな活躍の場へと広がっていったように感じました。

今後について

2019年 メルボルングループ展に出品した作品

2019年には活動の幅を更に広げ、メルボルングループ展に参加。作風をガラリと変化させ挑んだ展示では、はじめて完売したそう。

Natsuko:「お客さんも常に楽しみたいと思うんです。だから、私も少し変化を加えながら新しい作品を生み出しています。メルボルンでは、全く違う画風でチャレンジしました。

毎年、名古屋市や岐阜県恵那市岩村町などなど国内で1回、海外で1回の計2回展示会を行うイメージです。アートに、年代や性別・国境はありません。いいものはいいと評価してくれる。

作品を通して、パワーを分かち合ったり、共有したりできるとうれしいです。以前は控えめで弱かった自分が憧れていた「かっこいい女性」。そんな姿を絵で表現しながら、世界中のすべての人に元気を与えられたらなと思います。」

国内外問わず、ファンの心を掴んで離さないNatsukoさん、彼女のさらなる活躍が楽しみです。Natsukoさん、ご紹介くださった「Gallery White Cube」さん、ありがとうございました。

スポット詳細

【Gallery White Cube】
住所   :名古屋市中区丸の内2-15-28 ビッグベン丸の内4階
駐車場  :無

 

公式HP
http://gwc-nagoya.jp/

山口県出身。大学卒業、食品専門商社でNY事務所駐在員として勤務。その後、東証一部上場のグローバルメーカーでBtoB部品販売サイトのUX改善に携わる。結婚を機に名古屋のベーカリーチェーンで人事を経験。10年間で3社経験したのちに、かねてから興味があったライティングを生業とすべく奮闘中。

 趣味は歩くこと、野菜を切ること・煮ること。村上春樹、イタリアングレーハウンド、グッピーが好き。自分らしく生きることを再発見できる切り口探し、そして発信することに日々没頭している。

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