常滑の老舗和菓子店「大蔵餅」が手掛ける 話題の和菓子「トイレの最中」

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常滑市
2021.12.17
常滑の老舗和菓子店「大蔵餅」が手掛ける 話題の和菓子「トイレの最中」

みなさん、便器の形をした最中「トイレの最中」をご存知ですか?
「トイレの“さいちゅう”」と書かれたパッケージの破壊力もあり発売以来、Twitterを中心に瞬く間に火が付き、連日完売の大人気商品となっています。

そんな「トイレの最中」の製造を手掛けているのが焼き物の街、愛知県常滑市にある老舗和菓子店「大蔵餅」。実は、住宅設備機器メーカー「LIXIL」とのコラボ商品なんです。

なぜ、「LIXIL」と老舗和菓子店がコラボすることになったのでしょうか?そこには、まちの歴史と関係する深い歴史がありました。

今回は、直接お店へ伺い、知られざる誕生秘話についてお話を伺ってきました。

なぜ常滑でトイレなの?


なぜ常滑でトイレなの?と思われるかも知れませんが、ここ常滑は古くから衛生陶器が盛んなまちです。

平安時代の後期に誕生した常滑焼は、伝統工芸品で、日本六古窯(にほんろっこよう)の一つとされていてます。室町・安土桃山時代には茶の湯や生け花用品、江戸時代中期まではかめ、江戸時代末期からは、茶の湯や生け花用品に加えて暮らしの器を主に製造していました。

そして明治時代に入ると土管・洗面器や便器などの衛生陶器・タイル・植木鉢等も盛んに生産されるようになりました。

現在でも多くの、衛生陶器がこのまちでつくられています。

昭和26年創業の「大蔵餅」。

そんな焼き物のまちと共に地元の人に愛されてきたのが、「大蔵餅」です。店舗は、「やきもの散歩道」から車で5分ほどの場所にあります。

人気の餡餅をはじめ、知多半島の豊かな「素材」を使った和菓子や一年中楽しめるかき氷など、多くの人に親しまれている老舗和菓子店です。

人気の餡餅の詰め合わせ。

大蔵餅では、素材にもとことんこだわっています。小豆は「北海道十勝産小豆」100%使用による自家製餡。餅米は地元の農家から無農薬米、低農薬米を玄米にてまとめて仕入れるなど、素材ひとつひとつを吟味しながらつくられています。

常滑では古くから、製陶作業中の栄養補給として餅菓子文化が根付いていたのだそう。


店内では、甘味処も楽しめます。人気の餡餅や、一年中いただけるジャンボサイズのかき氷や甘味、お雑煮など種類もとっても豊富。
中庭を眺められるカウンター席もおすすめです。

「大蔵餅」。知多半島でとれたよもぎをつき込んだ風味豊かな餅を、北海道の小豆100%のこしあんでくるんだ看板商品。

大蔵餅と並ぶ看板商品「かき氷」

白醤油の京風雑煮「開運紅白雑煮」

地産地消に取り組まれているため素材だけでなく、店内で提供される器や急須などもすべて常滑産。

きっかけは“あんこ”と“〇んこ”って似てる!?
「LIXIL 榎戸工場」のお土産として誕生!


大蔵餅の3代目・稲葉憲辰さん。稲葉さんは、常滑をはじめ、知多半島の魅力をPRする活動にも力を入れられています。

−なぜLIXILとのコラボ商品をつくることになったのでしょうか?

稲葉さん:「きっかけは15年ほど前です。地元商工会の懇親会の席で、伊奈製陶創業家で当時のINAX会長・伊奈輝三さん「あんこ”と“うんこ”って似てないですか?うんこの代わりにあんこを入れる、衛生陶器の商品をつくりたいんです」という提案をしました。常滑といえば、衛生陶器のまちですから。

その場で会長は大笑してくださり、「ぜひやってみなさい」と言っていただけたんです。しかし、当時はクレームの問題、金型の問題もあって実現には至りませんでした。もちろん、いつかは実現してみたいと、秘めていたんです。

そんな中、15年の時を経て「LIXIL榎戸工場の工場見学に来た人に配るお土産をつくりたい」と工場側から提案がありました。今は「おしり」や「うんこ」が市民権を得ていますし、今ならいけるかもしれない!こんな時代だからこそ、みなさんに笑ってほしい。そんな想いもあり、本格的に商品化に向けて着手することになりました。

LIXILの設計者の方もノリノリで、LIXILの最新便器「サティス」を手本に、同社の技術陣がCADで設計、3Dプリンターで原型までつくりました。​​便座の幅やストッパーの位置にもこだわっているんですよ。あんこもより〇んこぽく見えるように工夫しています。」

まさかLIXILの設計者が関わっていたとは驚きです!本物同様に再現した「トイレの最中」は、遊び心がたっぷりと詰まっています。

稲葉さん:「試作を繰り返しながら、6月にようやく商品が完成しました。最初は工場見学土産として、8月にINAXライブミュージアムの土産店、9月には大蔵餅でも販売を開始しました。

予想外に、SNSやメディアの反響が多く、現在でも連日完売が続いています。」

常滑を盛り上げていきたい

稲葉さん:「販路を拡大しないんですか?との声も多くいただくんですが、この商品は、地場産業への感謝の気持ちと愛が詰まった商品なんです。

根本には、常滑の魅力発信していきたいという想いが強くありますし、せっかく常滑まで足を運んでいただいたなら、「やきもの散歩道」や「INAXライブミュージアム」など常滑の陶器産業についても知っていただきたいと思っています。

常滑には、まだまだ魅力的な場所がたくさんありますので、今後もさまざまなカタチで発信していきたいですね。」

常滑市の魅力を発信していくため、和菓子屋という枠を超えて活動されている稲葉さん。今後の活躍にも目が離せません。

実際にトイレの最中を食べてみました!


「ただ今使用中!」と書かれたユーモア抜群のパッケージ。最中にSAICHUとあえてルビが
ふってあるギャグセンスもたまりません。

価格は1つ324円(税込)なので、ちょっとしたギフトにも買いやすい価格です。

中をあけると、リーフレット、トイレの形状をした最中皮、あんこが入っています。
リーフレットには、「トイレの最中 正しいお召し上がり方」と書かれています。


手順通りに便器の中にあんこを入れると、溢れんばかりのあんこがはいりました。見ればみるほど、リアルで思わず笑みがこぼれます。

さまざまな角度から写真を撮りたくなるのも、この最中の最中の楽しさです。試食してみると皮はパリパリ、甘さ控えめの素朴な味わいで、とってもおいしい最中でした。

今回、取材をさせていただき、トイレの最中には常滑をもっと盛り上げていきたいという想いが詰まっているのを感じました。

名古屋からのアクセスもよく、観光としても魅力的なスポットが常滑にはたくさんあります。最中を食べながら常滑の歴史を感じ、その先のスポットにも足を伸ばしてみてくださいね。歩き疲れたら、大蔵餅のおいしい甘味を食べて癒されましょう。

photo by masaki hoshiyama

スポット詳細

【大蔵餅】
住所  :愛知県常滑市鯉江本町2丁目2−1
電話番号:0569-35-2676
営業時間:9:00~19:00(甘味処 10:00~L.O.18:00)
定休日 :月曜日(祝日営業・後日振替休日)
駐車場 :有り(35台)
https://www.ohkuramochi.jp/

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