今回ご紹介するのは、特に歴史の好きな方にはおすすめしたい、ロードス島の数ある観光名所の中でも大変評価の高いロードス騎士団のグランドマスターの宮殿(Palace of the Grand Master of the Knights of Rhodes)です。
ここ世界遺産に登録されているロードス島の中世都市は、聖ヨハネ騎士団が築いた城壁都市。聖ヨハネ騎士団は、聖地エルサレムのキリスト教徒巡礼者の治療や、異教徒(=イスラム教徒)に奴隷にされていたキリスト教徒の奪還などを行っていた宗教騎士団で、中世ヨーロッパの三大騎士修道会の1つとして数えられています。
ここグランドマスターの宮殿は、もともとは都市の軍事拠点だったのですが、1309年以降ロードス騎士団の団長の居住場所となり、オスマン帝国の征服後は監獄として使われたそうです。騎士が治世していた時期の、重要な史跡の1つ。
写真1枚目、2枚目ともに宮殿の外観です。
こちらは「騎士団」が住んでいた事から、私達が「宮殿」と聞いて思い浮かべるような煌びやかな建物ではありません。この石が規則正しく敷き詰められたモザイク模様の床からも、騎士団の規律正しさや美意識を垣間見れる気がします。外も中も、「ここに遥か昔騎士団が存在し、住んでいたのだな」と強く肌で感じる事が出来る、凛とした空気がそこにあります。
ここの階段も、当時騎士たちが上ったり下りたりしていたのでしょうね。
さて、では宮殿の中を見てみましょう。
中に入ると、まずは大変古いものだと一目見てわかる絵画の数々が展示されています。
こちらはもう部分部分しかありません。キリストや聖母マリア等の宗教画も多くありました。
当時の本や手記も並びます。
更に進むと、斧や大砲など当時の武器、そして牢屋として使われていた事もあるだけあり鎖の着いた首輪や足枷が展示されていました。
説明には「聖ヨハネ騎士団の時代に労働者のギャングや奴隷に使った足枷」とあります。
聖ヨハネ騎士団は、イスラム勢力(海賊)と戦いました。
この宮殿には全部で150もの部屋があり、その一部が一般へ公開されています。公開されている部屋、場所ヘは自由に行き来する事ができ、内部を歩ているとまるで今でも騎士達が住んでいるかのような錯覚に一瞬襲われます。木漏れ日が入るこの窓の様子、当時とそんなに変わらないはずです。
当時の騎士たちも窓から外を眺めた時、今私たちが見るこの同じ景色を見ていたのでしょうか?
騎士団の構成員は騎士が500人程度。母国語によって8つの騎士館グループに分かれていたそうで、各グループ毎に騎士館長(戦闘の際には部隊長となるそうです)がおり全体を騎士団総長が統率していたそうです。
宮殿内には教会もあります。下の写真は聖母マリアの受胎告知。こちらには印象的な彫刻が多くありました。
こちらの部屋には騎士団に所縁のあるものが展示され、歴代の騎士団長の肖像画等も飾られていました。
中世の家具は部分部分がとても端正に作り込まれています。
こちらは表情が印象的なラオコーン像。
他にも大変広い大広間など、多くの場所を見ることができます。ロードス島へ行く機会があれば、ぜひ実際に足を運んで訪れてみて下さい。筆者は何の情報も入れぬままフラッと立ち寄ってしまったのですが(旧市街スクエアからすぐです)足を運ぶ前に今回ご紹介したような歴史を頭に入れておくと楽しさがかなり増すと思います!
ロードス騎士団のグランドマスターの宮殿
Palace of the Grand Master of the Knights of Rhodes■住所 Ippoton, Rhodes Town 85100 Greece
■電話 +30 2241 023359
■営業時間 8:00-20:00
■入場料:€6※新型コロナウィルスの影響で変更がある場合があります。
さて、最後にこちらの写真のサボテンの奥に見えるのがグランドマスターの宮殿からすぐの中世の時計塔(Medieval Clock Tower Roloi)。時計塔&ワンドリンクがセットになっていたので、暑くて疲れていたので入ってみることに。
時計塔からの見晴らしは最高です。エーゲ海と大きな客船、そして旧市街をぐるりと見渡せる展望。
グランドマスターの宮殿へ行った帰りにおすすめです。
Medieval Clock Tower Roloi
■住所 Apollonion 11, Rodos 851 00
■営業時間 9時~22時
■定休日 日曜※新型コロナウィルスの影響で変更がある場合があります。