名城線の西高蔵駅から徒歩3分、伏見通り沿いにある時計台が印象的な「Beer＆Restraurant シャーロックホームズ」。シャーロック・ホームズをテーマにしたレストラン＆喫茶店です。

外観もさることながら、店内に足を一歩踏み入れると、そこはまさにシャーロックホームズの世界感あふれる空間。今回は、40年以上愛され続けるオリジナルメニューの秘密もご紹介します。

昭和55年にオープン
「ストーリーのあるお店にしたい」

「シャーロックホームズ」の創業は昭和55年にさかのぼります。以前はコーヒーをメインにした喫茶店を東新町に構えていましたが、そこから現在の場所に「Beer Restraurant」として移転し、今年で25年になります。

オープン当初は名古屋にも「喫茶調理学院」という専門学校があるほどの喫茶店ブーム。そんな中、他店とは違うお店にしたい…..と考えたときに、「どうせやるならストーリーのある店にしたい」と思ったのだそう。

そこで生まれたのが、イギリスのロンドンを舞台にした『シャーロック・ホームズ』のストーリーをテーマにしたレストランという発想でした。

中学生時代から本で読んで親しんでいたこともあり、ホームズとそのよき理解者で友人でもあるDr.ワトソンが一緒に住んでいた部屋や街並み、そしてDr.ワトソンの手によって書かれた本をテーマにしようとしたのが始まりだったようです。

そんなオーナーの想いは、店内のこちらのコースターにもつづられていますので、ぜひチェックしてみてくださいね！

イギリスのビッグベンをイメージした時計台

建物の屋根の時計台は、イギリスのビッグベンをイメージして作ったもので、飾りではなく実際に動いています。

1階は駐車場スペース（6台）。ロンドンの地下鉄の壁画と同じデザインというこだわり。

エントランスから2階へ続く階段や玄関も、イギリス・ロンドンにいるような気分にいざなってくれます。

開放感あふれる吹き抜けの1階

ドアを開けると吹き抜けの天井と、開放感あふれる空間、そして重厚感のある飴色のウッドテイスト。そこはまさにシャーロックホームズが活躍したイギリスにタイムスリップしたような感覚に。

テーブル席のほか、伏見通り沿いを目の前にしたカウンター席もずらり。

ロンドンのパブを思わせるカウンターも。お酒はスコッチウィスキーをメインに、バーボン、カナディアン、アイリッシュなどが楽しめます。

アンティークな年代物のタイピングや電話機。壁にかけられた木の看板は、お客さんが現在のお店に移転した際に作ってくれたものだそう。

喫茶店にありがちな週刊誌などは置かず、あえて旅行雑誌と新聞のみ。

お手洗いの壁紙もクラシカルなお花模様で異国の雰囲気に。

オーナーの遊び心があふれる3階

階段をのぼると、ひときわ存在感を放つ書棚をデザインした壁紙。国内では入手できなかったというこだわりのデザインです。天井に立てかけられたはしごも遊び心が。

廊下の先においてあるチェアは、オープン当初からあるという、ホームズが座っていたと想定したチェア。

こちらは「ロイヤルルーム」という特別なお部屋。接待などで使われることも多いとか。

本物の羽ペンとベル。実際に使えるそうで、軽くて、今だと逆に新鮮に感じられます。

シャーロックホームズ好き必見のチェックポイント

そのほか、店内の至るところにシャーロックホームズとDr.ワトソンに関連したグッズや見どころがいっぱい！写真は全シリーズそろったDVD。なつかしのタイトルを見てワクワクする方も多いのでは。

1階の壁に鋲（びょう）がささった「VR」という文字。これはホームズがチェアに座って壁に向かってピストルで撃ち込んでいたという設定を再現したもの。

こちらはいろんな種類のパイプ。シャーロックホームズは、悩んだとき、ひらめきが欲しいときなど、それぞれ使い分けていたようです。

シャーロックホームズのトレードマークのひとつともいえるチェック柄の鹿撃ち帽（しかうちぼう）。これはオーナーが自身がかぶるために作ったもの。

少し目線を上に向けると、壁に英語で書かれた文字が何カ所かあります。それぞれ内容は違うのですが、本で実際使われた台詞を抜粋しているそう。ちなみに写真の「Are you Moriarty」というのは、ホームズが宿敵モリアーティと最後に対面したとき言った台詞だとか。

こちらは本物の百科事典。全巻あるそうですが、一部だけ展示しています。

こちらはシャーロック・ホームズに関する本。全く知らない人も、こうした本から興味を持ったり、知るのもおもしろいかもですね。

ちなみに、さきほどの本の1冊「シャーロック・ホームズ家の料理読本」。

実はここにはさまざまなレシピ内容が記載されており、お店のメニューにもいくつか参考にしたものもあるそうですよ。

そしてこちらの絵は、ホームズとワトソンが住んでいたベイカー街を描いたもので、シャーロック・ホームズに関しての第一人者とも言われている田中善芳氏直筆の絵。噂を聞いてお店にも足を運ばれ、そこから今でも交流があるそうで、思いがけぬご縁がつながるのも素敵ですね。

オリジナルのホームズパンを使った
モーニングやピザ

お店ではモーニングからランチをはじめ、夜はお酒の提供もあったりといろんな使い方ができます。

モーニングはコーヒー（600円）と紅茶（650円）のセットの2種類。（平日価格／土日祝は上記＋ベーコン付で各50円アップ）。使われるパンは、お店オリジナルのホームズパンというもの。通常は食パンを使うところが多いですが、ここではハンバーガーなどで使われるバンズタイプを使用しています。

ホームズパンは通常のバンズよりひとまわり大きく、切り込みが入っています。中はバターが塗られていて、その食感は驚くほどフワフワ！もう少し食べたい人は、コーヒー（150円）やパン（220円）のおかわりもできますよ。

そしてお店おすすめメニューのひとつが「クロワッサンのピザトースト（写真）」。特注の大きめのクロワッサンを斜めにカットし、溶き卵とチーズを絡めて仕上げたトーストは、サクッとしたクロワッサンとベーコンの塩味、チーズとの絡みが絶妙で、トーストの概念が変わるような、人気メニューのひとつです。

ちなみにパンはテイクアウトも可能。個数や内容も選べるので自宅でも楽しめるのも嬉しいですね。

日替わりランチに絶品スイーツも！

平日のランチメニューは全部で5種類あり、うち日替わりはサービスランチ（S）と日替わりランチ（A）の2種類。いずれもコーヒー付でお得です。

この日のSランチは海老ドリア。単品だと1,360円ですが、この日はランチが海老ドリアでさらにコーンスープ、ドリンクまでついて1,030円とかなりお得に！

そして、創業当初からのロングセラーの人気スイーツがこのキャロットケーキ！

キャロットとありますが、あまり人参は感じられないほど、ラム酒の香りがふわっと香ります。ドライフルーツ、そしてくるみの歯ごたえがアクセントになったスポンジと、その上にはバタークリーム、そしてバニラアイスがトッピング。

仕上げの生クリームの上にはジンジャーパウダーと、一口食べるといろんな味わいが楽しめる絶品スイーツ。食べ応えも十分で、テイクアウトも可能です（ベースケーキのみ）

ドリンクはイングリッシュミルクティーがおすすめ。風味豊かなオレンジペコーの茶葉をミルクで抽出して、バラ柄のロイヤルアルバートカップでいただけば、華やかで優雅な気分にさせてくれます。（※単品690円。ケーキセット1,200円。）

外観や内装、メニューにいたるまで、ここでしか体感できないオリジナティーが際立ち、かつオーナーのシャーロック・ホームズ愛がちりばめられたお店。お客さんはさながら依頼人の気分になれそう。

「ホームズを知っている人も知らない人も、その人なりの楽しみ方で楽しんでくれたらいい」というオーナー。喫茶店というくくりとはひと味違う、遊び心あふれた空間でくつろいでみてはいかがでしょうか。