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約60年という年月で日本の暮らしが大きく変化した、昭和時代。
特に昭和30年代は、テレビ・冷蔵庫・洗濯機などの電化製品が普及し、薄暗い裸電球から白々とした蛍光灯へ変化するなど、最も変化の激しかった時代といえます。
そんな昭和時代の暮らしについて展示・保存しているのが、愛知県北名古屋市にある「昭和日常博物館」です。昭和時代を過ごした方には懐かしく、以降の年代にはレトロで新鮮。昭和時代の暮らしを知れると、幅広い世代に親しまれています。
場所は、名鉄犬山線「西春駅」から徒歩25分ほど。西春駅から市内循環バス「きたバス」も利用できます。
まずは常設展示が並ぶ3Fへ!
エレベーターを降りると、まるで昭和時代にタイムスリップしたかのような気持ちに。1955年(昭和30年)~1965年(昭和40年)当時のものが緻密に展示されています。
暮らしの中で消えてしまうものを
次の時代に伝えていく
もともとは北名古屋市の地域の資料館としてオープンした当館。平成5年に開催された企画展『屋根裏のみかん箱は宝箱』をきっかけに、昭和の激動の変化を後世に伝える活動をスタート。
平成9年には「日常が博物館入りする時」と題した特別展でフロアー全体を昭和30年代の資料で構成し、同時に「昭和日常博物館」と呼ばれるようになりました。
令和の時代をむかえ、私たちの日常から昭和の暮らしの品々がどんどんと消えつつあります。トイレのちり紙置き・食品の包装紙・文房具など、一点一点はただ懐かしく、日常の中でゴミとして捨ててしまいそうなものばかりですが、昭和という時代を後世に伝える大切な資料です。
昭和日常博物館では、12万点以上もの資料を収集・保存。その中からピックアップした約1万点が展示されています。
懐かしさに心おどる、常設展示
常設展示は、「おはよう」「木造校舎の思い出」「駄菓子屋さんの思い出」など、テーマごとに展示がされています。展示資料は入替を行なっているので、その時どんな資料が見られるのかはお楽しみに。
「これ見たことがある」「昔使ってたな〜」と、どれも懐かしくなるものばかり。平成、令和生まれの方には、初めてみるものも多いのではないでしょうか。
小学校の通学にかかせないランドセル。昭和時代は今よりも小さく、花や野球少年などが描かれていたんですね。水筒の形もコロンと可愛らしいです。
こちらは「おはよう」のコーナー。牛乳ビンのフタまで展示されています。
昭和日常博物館の資料は全国各地から集まります。こちらはビンのコレクターさんが寄贈ししてくださったという、レトロなビンの数々。
めんこ、ブリキの車など懐かしいおもちゃもずらり。昭和のおもちゃは色合いが鮮やかですね!
現代でも親しまれている多くのお菓子も昭和時代に誕生しました。この頃からパッケージがほとんど変わらないものも多いですね!
国民食とも言えるカレーが普及したのも昭和時代。名古屋発祥「オリエンタルカレー」のパッケージも発見!
このような日用品の数々は、昭和時代の映画やドラマを作成する際の参考資料にもなっています。例えば、こちらの「渡辺のジュースの素」は、メディアから最も問い合わせの多い資料の一つなのだそう。
一つひとつが興味深く、時間が経つのも忘れて見入ってしまいました。
昭和から平成、令和へ
続いてのコーナーでは、平成と令和の暮らしを象徴するものたちが展示されていました。今は当たり前に生活の中にある品々も、30年後、50年後には、昭和時代と同じように貴重な資料となっていきます。(展示資料は入れ替わります)
例えば、マスクやフェイスシールドのような品々も、数年後、数十年後には、時代を象徴する資料となっているかもしれません。