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木々の緑や清流に囲まれた自然豊かな山里・美杉町。
その美杉町内にあって地元住民でも土地勘のない人も多いという下之川地区にある2軒のお店「素朴舎」と「3274」。市街地から山道を通り抜けてようやくたどり着ける場所ながら、ご夫婦がそれぞれに展開する個性的な店舗がSNSや口コミで注目を浴びています。
伊勢自動車道久居インターから約45分ほどで店舗近くに到着。緑が映える山々と澄み切った川の流れ。これぞ美杉町という景観に見とれてしまいます。
通り沿いの駐車場に車を停めて、そこからは数分ほど徒歩でお店に向かいます。
築80年という風情のある古民家が姿を現しました。向かって右手の白い壁に覆われている店舗が、お菓子のお店「素朴舎」、左側がレストラン「3274」です。手つかずのままだった古民家をオーナーの東谷さんご夫妻が自らの手でイチから全面的に改装したとのこと。なんと、傾いていた家屋を自らジャッキアップして補修したというから驚きです。
まずは、「素朴舎」の店内へとお邪魔してみました。
開店30分で売り切れも。
彩り豊かなマフィンが揃う「素朴舎」
白一色のシンプルな店内へは靴を脱いで上がるスタイル。プライベートなお部屋にお邪魔した気分になります。商品棚にはオーナーの東谷麻由さんがその日の朝に焼き上げた色とりどりのマフィンが陳列されています。
見ているだけでワクワクしてくる可愛らしいマフィンの数々。季節に応じて内容は変わりますが、20〜30種類、100個程度のマフィンが開店時に並ぶと言います。
お店が開いているのは金曜から月曜までの週4日。11時半開店ですが、なんと12時過ぎには100個全部売り切れてしまうこともあるとか。おっとり刀で駆けつけていては到底間に合いません。
マフィンはメープル、抹茶、ショコラ、ベリーの4種類の生地をベースにして、葡萄やブラウニー、ブルーベリーココナッツ、チェリークランブル、苺大福などさまざまなあしらいが施されています。
マフィンにこだわった理由を麻由さんにたずねてみました。
麻由さん:「子どもの頃、母がよくお菓子を作ってくれていたんです。その中でも一番好きだったマフィンの味が忘れられなくて。自分のお店でもマフィンを提供したいと思いました」。
1点1点に手作りの味わいが感じられるのは、そうした思いが込められているからなのでしょう。
「“この子”たちも人気です」と麻由さんが見せてくれたのは、エディブルフラワー(食用花)をあしらったマフィンの数々。(ちなみに、麻由さんはマフィンのことを“この子”と紹介してくれました)
パンジーやビオラ、ジュリアン、ベゴニアといったエディブルフラワーが素朴な形で温かみの感じられるマフィンに華やかな彩りを与えてくれています。
昨年12月に「素朴舎」をオープンする前は夫の東谷文明さんとともに鈴鹿の街なかで「喫茶めがね」を開いていた麻由さん。現在の地である美杉町の魅力をたずねてみました。
麻由さん:「とにかく自然が豊かで静かな場所です。川のせせらぎの音だけが聞こえてきて。ここにお店を構えて、日々の喧騒から離れてゆっくりと過ごしてもらえる場所にできたらと思ったんです。」
店内には2席分のカウンタースペース、屋外にはテーブル席もあり、季節の酵素ドリンクなどとともに窓越しの景色を眺めながら、至福の時間を過ごすこともできます。
食事メニューは「歓喜のスパイス&ナッツのブラックカリー」。スパイスたっぷりで身体が喜ぶ味わいの1品です。
Instagramにはこのブラックカリーのように麻由さんが撮影した雰囲気たっぷりの写真が多数アップされています。1点アップするために300カット以上は撮影しているとのこと。お店を訪れる前にぜひチェックしておいてください。