愛くるしい手を上げて、福を招いてくれる招き猫。可愛らしい見た目から、人気の縁起物です。そんな招き猫や干支置物のやきものを、より身近に感じてほしいという思いから、やきもの体験スタジオ「STUDIO 894」が、1000年以上続く窯業地域である瀬戸市に2023年9月オープンしました。
「STUDIO 894」を手掛けるのは、創業1952年から陶磁器置物を作り続けているメーカー「中外陶園」です。
今回は瀬戸市に新たに生まれた体験スポット「STUDIO 894」の魅力をたっぷりとお届けします。
※情報は取材時のものです。 ご利用の際には、各施設・各店舗の最新情報をご確認ください。
目次
「STUDIO 894」は、名鉄瀬戸線「瀬戸駅」から徒歩約8分の場所にあります。緑豊かな木々に囲まれ、一面ガラス張りの外観に、美しい深緑色のタイルが目を引きます。
施設の横には、駐車場が完備。駐車場の敷地内には、寝ポーズをとっている大きな招き猫「涅槃大招き猫」と、京都と瀬戸市内の街を走り活躍していたバス「福猫バス」がお出迎え!施設に入る前から気分が上がります。
スタジオ内は、前面の大きな窓から陽の光が差し込み、明るくて開放的な雰囲気。エントランスを入ってすぐの場所には、深緑色のタイル張りになっているコーヒースタンドが目に飛び込んできます。
コーヒースタンドの横には、木を基調としたテーブルと椅子が並べられたワークショップスペースが広がります。こちらの席で、ワークショップを体験しながらコーヒースタンドのドリンクが楽しめますよ。
コーヒースタンドの奥にはギャラリーの部屋があります。
「STUDIO 894」で
やきものをより身近に。
今回は、丁寧な接客で素敵な時間を提供してくださる基さんに「STUDIO 894」の魅力についてお話を伺いました。
– 「STUDIO 894」の概要について教えてください。
基さん:「パッと見ただけでは、どんなことをしている施設なのか分からないと言われることも多いのですが、こちらは『体験する』『鑑賞する』『憩う』をテーマにしたやきもの体験型のスタジオです。
『体験する』は、陶器のぬり絵体験と磁器の絵付け体験です。ぬり絵をしたり絵を描いたりしてオリジナルのやきものを作っていただけます。『鑑賞する』では、ギャラリーでさまざまなアーティストの作品を観ることができます。『憩う』では、コーヒースタンドで本格的なコーヒーを味わっていただけます。」
– 「STUDIO 894」のオープンに込められたコンセプトは何でしょうか?
基さん:「創業以来、陶磁器の置物を作り続けてきた中外陶園が運営している体験スタジオです。この体験スタジオを通して、直接お客様からの声をひろっていきたいと思っています。そして、多くの方にやきものをもっと身近に感じてもらいたい思いがあります。」
自分だけのやきものを自由に制作!
絵付け体験
『体験する』では、やきものに絵付け体験ができます。開放的なワークショップスペースで、コーヒースタンドのドリンクと共に作業ができるのも嬉しいポイントです。
基さん:「絵付け体験は「磁器 絵付け体験」と「陶器 ぬり絵体験」の2種類から選べます。「磁器 ぬり絵体験」では、絵付けして塗った後に、窯で焼いてからお渡しする本格的なコースです。「陶器 ぬり絵体験」では、絵の具や色鉛筆などの身近な用具を使用して自由に色を塗っていただき、乾燥させたらそのままお持ち帰りが可能です。お子様や、お手軽な体験をご希望の方に好評いただいているコースです。」
磁器 絵付け体験
「磁器 絵付け体験」は、磁器の素地(きじ)に、専用の絵の具を使って自由に描いたり塗ったりする本格的なワークショップ。実用的なカップや平皿などの食器類からも選べます。絵付け後は、スタジオ側に焼成して仕上げてもらいます。釉薬をかけて焼成すると、色味に変化が出るため、仕上がりが楽しみになりますよ。
ワークショップは毎日開催されていますが、休日は予約をしてから来店するのがおすすめとのことです。
「陶器 ぬり絵体験」を体験してみました!
今回は、「陶器 ぬり絵」を体験してみました!
まずは、陶器の素地を選びます。招き猫だけでなく、招福の季節飾りや動物、恐竜などのさまざまな素地が取り揃えられています。どれにしようかワクワクしますよね。
招き猫を選んでみました。招き猫のポーズもさまざま。右手を上げている招き猫は金運を、左手を上げている招き猫は人を招くといわれています。
素地が選べたら、用意された絵の具・カラーペン・色鉛筆を使って塗っていきます。「中外陶園」のデザイナーによって作られた作品をお手本にするのも◎
また、鉛筆を使用して下書きができるので、どなたでも気軽に始められます。
絵の具をパレットに乗せて、見本を参考にしてカラフルな招き猫を描いていきます…!
貯金箱としても使えます。
完成です!気づけば時間を忘れて夢中になっていました。簡単にできるうえに、楽しく自由に描けるので、小さなお子さんにもおすすめです。招き猫を塗っているだけでしあわせな気持ちになりました。
ワークショップは毎日開催されていますが、休日は予約をしてから来店するのがおすすめとのことです。
何度訪れても新しい出会いがあるギャラリー
『鑑賞する』が体験できるギャラリーは、白を基調とした空間。アーティストによる個展やプロジェクトの展示がおこなわれています。
基さん:「ギャラリーでは、ほぼ月替わりでさまざまなアーティストをご紹介させていただいています。現在は、京都の刺繍工房が手掛けている刺繍ブランド「京東都」様の制作風景の写真をパネルにして展示中です。また、京東都様と協力し、鳥獣人物戯画を箸置きにした作品を展示・販売もおこなっています。(※取材時。現在は終了しています。)このように、二次元の作品を、弊社の技術で三次元の立体の作品にする企画もおこなっています。
現在は国内のアーティストが多いのですが、これからは海外アーティストの企画も考えています。」
いつ訪れても、新しいアーティストとその作品との出会いがあるギャラリーです。
本格コーヒーを瀬戸のやきもので味わう
コーヒースタンド
『憩う』が体験できるコーヒースタンドでは、注文後にドリップされた本格的なコーヒーが楽しめます。丁寧にドリップされているのを見る時間も贅沢な一時。
基さん:「コーヒースタンドのコーヒーは、東京・三軒茶屋と広島にお店を持つ「OBSCURA COFFEE ROASTERS」によって焙煎された豆を使用しています。弊社のために焙煎されたオリジナルブレンドの豆もご用意しています。
コーヒースタンドのテーマである『憩う』をイメージして作られたコーヒーです。マイルドなテイストで、ゆっくりと飲めば飲むほど、深い味わいを感じていただけます。お好みに合わせて浅煎・中煎・深煎からお選びいただけます。」
ホットを頼むと、瀬戸の窯元「王子窯」のうつわで提供されるのが嬉しいポイント。美味しいコーヒと瀬戸のうつわが同時に楽しめますよ。
季節ごとに提供しているシーズナルドリンクも楽しみの一つです。取材時現在は「抹茶ラテ」が販売中。ミルクの中に厳選された宇治抹茶と和三盆糖をブレンド。優しい甘さのなかに抹茶の苦さが感じられる、冬のドリンク。
和クッキーとパウンドケーキの焼き菓子も販売されています。コーヒーのお供におすすめですよ。
気軽に立ち寄り、さまざまな目的で
楽しめる体験スタジオ!
今回は、瀬戸市にオープンした、新しいやきもの体験スタジオ「STUDIO 894」をご紹介しました。やきものを3つのテーマから体験できるのはもちろん、季節や月毎に変化があるのも魅力。取材中には、ワークショップを楽しむ親子・コーヒースタンド目当てに来店される方・どんな施設なのだろうと見学に来られた方…それぞれの目的で来店されている姿が見受けられました。
「STUDIO 894」で、さまざまな楽しみ方を見つけて、しあわせを感じてみませんか。ぜひ足を運んでみてくださいね。