名古屋・松坂屋美術館で開催中の「ウィリアム・モリスと英国の壁紙展」に行ってきました。

2019.2.6
ウィリアム・モリスと英国の壁紙展

2019年1月2日(水)から名古屋で開催されている「ウィリアム・モリスと英国の壁紙展」に行ってきました。見応えたっぷりの展覧会でしたので、みどころをピックアップしてご紹介していきます!

 

本展は、ウィリアム・モリスの壁紙デザインを中心に、19世紀に興隆期を迎えた英国壁紙デザインの変遷をたどります。英国有数の壁紙会社・サンダーソン社が所蔵する貴重な壁紙やモリスの版木など約130点が日本で初めて紹介されています。

 

松坂屋美術館

 

ウィリアム・モリスと英国の壁紙展


本展は、松坂屋名古屋店・南館7階にある「松坂屋美術館」で開催されています。国内外の絵画や博物、工芸、アニメーションなど幅広いジャンルの展覧会を数多く開催しています。ショッピングとともに気軽に立ち寄れる美術館です。

 

 

 

ウィリアム・モリスとは

 

《ピンパーネル(るりはこべ)》1876年(印刷)©Morris&Co.
《ピンパーネル(るりはこべ)》1876年(印刷)©Morris&Co.

 

ウィリアム・モリス(1834-96)は、19世紀イギリスを代表する思想家、詩人、そしてデザイナー、工芸家でもあった人物です。産業革命により大量生産品があふれた時期、彼は時間をかけたていねいな手仕事を愛し、自然の美しさを讃えた生き生きとしたデザインを生み出しました。

 

モリスの壁紙づくりのきっかけは、彼が結婚を機に新居となるレッド・ハウスを建設したときのことです。自身の目指す快適な生活空間には、家具や壁紙が欠かせないものだと気づき、木版によるうつくしい壁紙を生み出しました。壁一杯に広がる草花のデザインは、100年以上たった今でも人々を魅了し続けています。

 

第1章「ウィリアム・モリス以前」、第2章「ウィリアム・モリスとモリス商会」、第3章「アーツ・アンド・クラフツ運動」の3部構成で、英国壁紙デザインの変貌を辿っていきます。

 

 

 

第1章「ウィリアム・モリス以前」

 

《花とロココ調スクロール》1850年頃 ©Sanderson
《花とロココ調スクロール》1850年頃 ©Sanderson


第1章「ウィリアム・モリス以前」では、ウィリアム・モリスの壁紙が登場する以前の壁紙が紹介されています。19世紀前半、イギリスではフランス製の壁紙が人気でした。そのため写実主義的な花束模様が多くデザインされています。手描きの壁画のような作品が多くありました。

 

この章で気になったのは、日本風のモチーフを取り入れた壁紙です。1862年に開催されたロンドン万国博覧会において、日本美術工芸品への関心が高まったことにより広まったのだそう。特に日本の金唐革紙(きんからかわかみ)が注目され、英国の会社が横浜に工場を設立して、日本の職人を雇って壁紙を輸出していたそうです。英国壁紙の展覧会で日本の技術に出会えるとは、うれしい驚きでした。

 

 

 

第2章「ウィリアム・モリスとモリス商会」

 

《ばら》1877年(印刷)©Morris&Co.
《ばら》1877年(印刷)©Morris&Co.

 

《ウィロー・バウ(柳の枝)》1887年(印刷)©Morris&Co.《ウィロー・バウ(柳の枝)》1887年(印刷)©Morris&Co.

 

第2章「ウィリアム・モリスとモリス商会」では、モリスデザインの壁紙と、モリスが立ち上げた「モリス商会」の壁紙が紹介されています。モリスは、フランス風の自然主義の花模様と、デザイン革命運動の幻想的な平面パターン、そのどちらとも異なる新鮮なスタイルをもたらしました。

 

《トレリス(格子垣)》1863年(デザイン)・1864年(印刷)©Morris&Co.
《トレリス(格子垣)》1863年(デザイン)・1864年(印刷)©Morris&Co.

 

《ブラックソーン(スピノサスモモ)》1892年(印刷)©Morris&Co.
《ブラックソーン(スピノサスモモ)》1892年(印刷)©Morris&Co.


このような美しい壁紙たちがどのように製作されているか気になりますよね。第2章では、実際に使用していた版木が展示され、ブロック・プリントの作業風景の映像もみることができました。

 

壁紙の説明を見てみると「ブロック・プリント 7版」のように、使用された木版の数が記載されています。「この壁紙には何枚の木版が使われているのだろう」と考えながら鑑賞するのも楽しみ方のひとつです。

 

ウィリアム・モリスと英国の壁紙展

 

クラシックモリス

 

クラシックモリス

 

こちらは、モリスの壁紙を用い居間を想定した「クラシックモリス」コーナー。モリスが目指した「美しい生活」とは、どのような暮らしか。自然との共生、手仕事の温もり、簡素でも居心地のよい部屋というコンセプトで、モリスの壁紙と英国家具を組み合わせています。


※こちらのコーナーは撮影可能です

 

 

 

第3章「アーツ・アンド・クラフツ運動」

 

C・F・A・ヴォイジー《地主の庭》1896年(デザイン)・1898年(印刷) ©Sanderson
C・F・A・ヴォイジー《地主の庭》1896年(デザイン)・1898年(印刷) ©Sanderson

 

第3章「アーツ・アンド・クラフツ運動」では、モリスに影響を受けたデザイナーたちによる壁紙を中心に、19世紀末〜20世紀はじめにかけての壁紙が紹介されています。中世の手仕事の素晴らしさを学び、美しく有用なものをつくることによって、生活と芸術を一致させようとするモリスのデザインの思想と実績は大きな影響力を持ちました。

 

1880年代には、アーツ・アンド・クラフツ展覧会協会をはじめとするデザイナーの団体が組織されました。その展覧会を通じて生活の中の芸術をめざすアーツ・アンド・クラフツは、国際的な規模で広がっていきます。

 

ピュアモリス

 

ピュアモリス

 

ピュアモリス

 

章の最後に展示されたのは「ピュアモリス」コーナー。モリスが亡くなってから約120年たちますが、彼のデザインは世界中で愛されています。もし今、モリスが生きていたら、どんなデザインを発表するのか。モリスのデザインをモノトーンにした現代的な空間の提案です。

 

※こちらのコーナーは撮影可能です

 

 

 

最後はミュージアムショップへ

 

ミュージアムショップ

 

ミュージアムショップ

 

展覧会を楽しんだあとは、ぜひミュージアムショップにも立ち寄ってみましょう。「ウィリアム・モリスと英国の壁紙展」限定のアイテムもありますよ。

 

展覧会図録展覧会図録 ¥2,300(税込)

 

展覧会限定「ポストカードセット」
展覧会限定「ポストカードセット」¥3,200(+税) 専用ケース・ポストカード(全24種)・ミニノートのセット

 

展覧会オリジナルポストカード

 

展覧会オリジナルポストカード
展覧会オリジナルポストカード ¥162(税込)額縁に入れてインテリアとしても◎

 


ティッシュケース 税込3,888円 ゴミ箱 税込4,320円 ペン立て 税込1,512円

 

Andonライト Andonライト 税込27,000円

 

 

 

英国にちなんだスペシャルメニュー

 

英国にちなんだスペシャルメニュー
左)松栄堂スコッチソテー野菜シチューとローストビーフセット 税込2500円(コンソメスープ、パンまたはライス付き)
右)松栄堂風トライフル(コーヒーまたは紅茶付き)税込1250円


松坂屋美術館と同じ7階のあるレストラン「松栄堂」では、ウィリアム・モリスの国、英国にちなんだメニューが味わえます。会期中にしか食べられないスペシャルなメニューです。

 


会場外には、フォトブースもありました。


第1章から第3章まで、約130点が展示され想像以上に見応えたっぷりの展覧会でした。ていねいに解説も記載されているので、「壁紙は詳しくない……。」という方も絵画展のように楽しめると思いますよ。「ウィリアム・モリスと英国の壁紙展」は、2019年2月17日まで開催されています。ぜひ足を運んでみてくださいね。

 

【展覧会情報】

展覧会名:サンダーソンアーカイブ
     ウィリアム・モリスと英国の壁紙展 〜美しい生活をもとめて-
会期  :2019年1月2日(水)〜 2月17日(日) 会期中無休
開館時間:10時〜19時30分
     ただし、最終日2月17日(日)は18時閉館(いずれも入館は閉館30分前まで)
入館料 :一般1,000円(800円)/高・大生800円(600円) 中学生以下無料
     ※( )内は前売り・団体割引料金
     ※団体は10名様以上
     ※障がい者手帳・特定疾患医療受給者証をお持ちの方と付添の方1名様まで無料
     ※前売券は、チケットぴあ・サークルKサンクス(Pコード 769-367)、ローソ      ン・ミニストップ(Lコード 42156)、セブン-イレブン、ファミリーマート、      イープラスなどでも、2019年1月1日(火・祝)までお求めいただけます。
     ※コンビニエンスストアにてお買い求めいただいた前売券、当日券は松坂屋の契      約駐車サービスはご利用いただけません。
主催  :松坂屋美術館、朝日新聞社、メ〜テレ
特別協力:ウォーカー・グリーンバンク社
後援  :ブリティッシュ・カウンシル
協賛  :西川株式会社、マナトレーディング株式会社
協力  :日本航空、株式会社川島織物セルコン、リリカラ株式会社、リンデン株式会社

https://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/museum/exhibition/2019_william_morris/