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愛知県常滑市にある「INAX ライブミュージアム」にて開催されている、企画展『和製マジョリカタイル―憧れの連鎖』に行って来ました。
「和製マジョリカタイル」とは、主に大正初めから昭和10年代頃に日本で生産された多彩色レリーフタイルのこと。懐かしく可愛げのある「和製マジョリカタイル」の魅力をたっぷりとレポートしていきます。
「窯のある広場・資料館」は保全工事のため一時休館中
「土・どろんこ館」
本展が開催されているのは、株式会社 LIXIL が運営する、土とやきものの魅力を伝える文化施設「INAX ライブミュージアム」。その中の「土・どろんこ館」の企画展示室にて開催されています。
「和製マジョリカタイル」とは
展示デザインを手がけたのは、京都と東京に拠点をおく建築設計事務所「GENETO」。
はじめに少しだけ「和製マジョリカタイル」についてご紹介します。
「和製マジョリカタイル」は、主に大正初めから昭和10年代頃に日本で生産された多彩色レリーフタイルで、近代イギリス製の「ヴィクトリアンタイル」を模倣(もほう)してつくられたものです。1800年代半ばにイギリスで売り出された、ヴィクトリアンタイルの中でも華やかな発色と艶が美しいタイルは、イタリアなどのマヨルカ焼の流れをくむ多彩色表現という意味で「マジョリカタイル」と名付けられ、日本でもその呼び名で広まりました。
本展は、「和製マジョリカタイルの魅力」「ヴィクトリアンタイルへの憧れから始まった」「和製マジョリカタイルの誕生」「世界へ羽ばたいたマジョリカタイル」の4つのコーナーで構成されています。
「和製マジョリカタイルの魅力」
会場に入ってすぐの場所では、「和製マジョリカタイルの魅力」と題し、現役で輝くマジョリカタイルの館「船岡温泉」「さらさ西陣」などが紹介されています。
こちらは、各地の近代建築・近代化遺産を巡る旅をしている岡崎紀子(おかざきみちこ)さんのコレクション。「和製マジョリカタイル」は、私たちの身近な場所でも目にできることがわかります。展覧会図録には、建物の住所が記載されているので、実際にタイルを見にいくこともできますよ。
蝶の形の珍しいマジョリカタイル(加藤郁美蔵)
マジョリカタイルが描かれたタイルパネル(株式会社Danto Tile蔵)