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※情報は取材時のものです。
ご利用の際には、各施設・各店舗の最新情報をご確認ください。
名古屋から日帰りで行ける、愛知の離島「佐久島(さくしま)」。
島内は一周約11.5km。徒歩でも半日ほどで回れる小さな離島です。島内には、22の常設展示のアート作品があり、気軽に行ける「アートの島」としても親しまれています。
今回は、そんな佐久島の魅力を堪能できる「日帰りおすすめのプラン」をたっぷりとお届けします。
佐久島ってどんな島?
三河湾のほぼ真ん中にある佐久島。一色港から佐久島西港までは、9.4km。高速船で20分ほどの距離です。周囲11.5km、面積は173ha、全域が三河湾国定公園に含まれています。スーパーやコンビニはなく、信号も1つもありません。穏やかな海と豊かな自然に囲まれ、ゆったりとした時間が流れています。
1996年からは、島の活性化のため「祭りとアート」をキーワードにさまざまなイベントを開催。今では気軽に行ける「アートの島」として、多くの観光客が訪れるようになりました。
佐久島の歴史は古く、石垣の地層からは縄文土器の破片も発見されています。弥生時代の貝塚や40基を超す古墳、400年続く盆踊りなど、歴史が色濃く残る島でもあるんです。最近では、映画『ねことじいちゃん』の舞台にもなり、話題を集めました。
佐久島へのアクセス方法
佐久島に行くには、西尾市の一色(いっしき)港から高速船に乗る必要があります。
・車で行く場合
名古屋から車で行く場合は、知多半島道路を経由して1時間ほど。一色港には約1,000台の無料駐車場があります。・電車で行く場合
名古屋から電車で行く場合は、名鉄西尾線「西尾」駅まで行きます。そこから名鉄バスで30分ほど。高速船の時間に合わせて、バスが出ています。帰りもバスを利用する場合は、佐久島東港発17:15発の船に乗船する必要があるので、ご注意ください。▼詳しい航路図・時刻表はこちら
https://sakushima.com/guide-top/access
一色港からは高速船で20分ほどなので、車だと名古屋から最短1時間半ほど。日帰りでも訪れやすい離島なんです!
佐久島の日帰りおすすめプラン
今回は実際に佐久島に行ってきました!アートスポットから、名物グルメやおすすめカフェまで、日帰りで楽しめるプランをご紹介していきます。
乗船は約20分!一色港から高速船で佐久島へ
きっぷ売り場でチケットを購入し、船に乗り込みます。(大人:片道¥830 小人:片道¥420)1日に7本と本数が限られているので、乗り遅れ注意です。
船に乗るだけで、非日常を味わえてワクワクしますよね。
20分ほどで佐久島・西港に到着しました!
この日は最高なお散歩日和。釣りを楽しんでる方も、たくさんいらっしゃいましたよ。
「佐久島アートピクニック」24作品
全制覇に挑戦!
「アートの島なんだから、アートをたっぷり楽しもう」ということで、佐久島アートピクニックのアート作品全制覇に挑戦してみることしました!
▼佐久島アートピクニックとは?
佐久島内外に点在する常設展示のアート作品24点を巡るスタンプラリー。 東・西渡船場と弁天サロンで無料配布しているスタンプシートを持って島巡りができます。
スタンプラリー全制覇には、レンタサイクルがおすすめ!
島の面積は173ha、東京ディズニーランドの約3倍。西港から東港までは、徒歩で30分ほど。のんびりとお散歩を楽しむなら徒歩でもOKですが、スタンプラリー全制覇したい!という場合はレンタサイクルがおすすめ。
今回は「レンタル自転車 愛ランド」で自転車を借りました。料金は1時間300円、2時間500円、3時間800円、1日1,000円。
【レンタル自転車 愛ランド】
https://sakushima.com/omise_oyado/%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%AB%E8%87%AA%E8%BB%A2%E8%BB%8A%E3%80%80%E9%81%8A%E3%80%85-2
では、さっそくスタートです!
まずは西港のアート作品をめぐろう!
西港に到着すると目の前にあるこちらの建物。実はここもアートスポットなんです!階段で2階へ上がると……。
こちらは、名城大学理工学部建築学科MIURA LABが改装した待合室「西港渡船場待合室リノベーション」という作品。古く暗かった待合室を、明るい白と貝染めの紫を基調に改装。島内のマップやスタンプシートが置かれていました。
アート作品の近くには、このようにスタンプが置かれています。スタンプを押すのってワクワクしますよね。
待合室を出てすぐ左側にもアート作品が!
松岡徹さんの作品・のぞき箱「宝船さちかぜ」。穴を覗くと、実際の風景に想像の世界の佐久島が重なったような視覚体験ができる作品です。島内には、4つののぞき箱があります。
実際にのぞいてみると……。
宝箱があらわれました!のぞき箱を見つけたら、ぜひ実際にのぞいてみてくださいね。
お隣も松岡徹さんの作品・「佐久島歓迎 地福開円満」。
人数に合わせて顔を出したり閉じたり、さらに縁起物の鯛を持ったりできるハイテク仕様の顔出しパネル。ぜひ記念写真を撮りましょう〜!
続いては、海沿いに歩いて「崇運寺(そううんじ)」に向かいます。
階段を登った先にある「崇運寺(そううんじ)」に展示されているのは、木村崇人さんの作品「ガリバーの目」。コンセプトは、「もし巨人になったら、どんな風景が見えるのか?」。
小さな鏡に映っている大きな鏡の中の風景を、目に力を入れないで平行に見つめて下さい。ということなのですが、これがなかなか難しい……。
コツが必要ですが、ぜひ巨人の視点を楽しんでみてくださいね!
すぐ近くの「弁天サロン」へ。(月曜定休 ※月曜が祝日の場合は翌日休館)
旧家を修築した文化施設で、島の歴史が展示されていたり、ワークショップが開かれていたりと、佐久島アートの拠点拠点となっている場所です。
弁天サロンの中にも、のぞき箱が!のぞかずにはいられません。
弁天サロンの中に飾られているのは、猫野ぺすかさんの作品「アイルリンド in 佐久島」。佐久島にある実際の風景を舞台にした版画作品です。6点展示されています。ほっこり癒される雰囲気ですね。
ちなみに、弁天サロンではこのあと見学に行く「大葉邸」に入るための鍵を借りられるので、中も見学したいという方は忘れずに申し込みしておきましょう!
【弁天サロン】
住所 :愛知県西尾市一色町佐久島西側41
電話番号 :0563-78-2001
営業時間 :9:00〜17:00
定休日 :毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は祝日明けの最初の平日)
弁天サロンの南側にある坂道を登って、黒壁集落の方へ行ってみましょう〜!
黒壁集落に潜む「大葉邸」へ
佐久島の最も印象的な風景といえば、黒壁の民家が立ち並ぶ、黒壁集落。「三河湾の黒真珠」とも呼ばれ、「島の宝100景」にも選ばれています。少し光沢のある黒壁は、船底に塗るコールタールという塩害を防ぐ成分。
細い路地は迷路のように入り組んでいるので、自転車は駐輪場に停めて進みましょう。
そんな黒壁集落の一角にあるのが、平田五郎さんの作品「佐久島空家計画/大葉邸」。築およそ100年の古民家がまるごとアート作品に生まれ変わりました。
庭は自由に見学可能ですが、邸宅内に入るには「弁天サロン」で鍵を借りる必要があります。気になる邸宅は鍵を開けてのお楽しみ……!
黒壁集落の路地を歩いていると、可愛らしい祠(ほこら)が。
松岡徹さんの作品「大和屋観音」です。「昔から佐久島で子供たちを見守っている」想像世界の観音さまなのだとか。
「大和屋観音」は、以前は集落の中にあった雑貨屋「大和屋」に展示されていましたが、大和屋の取り壊しに伴い、2020年4月にこの場所にお引越し。祠には大和屋の建物の一部が再利用されています。
続いては、佐久島を代表するアート作品「おひるねハウス」を目指しましょう!
佐久島を代表するアート作品「おひるねハウス」
くねくねとした道を抜けると、海岸に何やら箱のようなものが。
こちらが、佐久島を代表するアート作品「おひるねハウス」。
「海のそばで昼寝をしたら気持ちいいだろうな」というコンセプトでつくられた、南川祐輝さんの作品です。黒い色は、先ほど登場した黒壁集落をモチーフにしています。ちなみに、2010年公開の劇場版『名探偵コナン 天空の難破船』の中でコナン君と怪盗キッドも遊びに来たことがあるのだとか!
中に入るとこんな感じ。寝そべって海を眺めると、額縁で切り取られたアートのよう。「おひるねハウス」という名前だけあって、お昼寝したいくらい心地よい空間でした。
休日には写真撮影のために行列ができるほどの人気なので、はやめの時間帯に行くのをオススメします!(この日は平日だったので、ほぼ貸切でした)
西港のアート巡りはここまで。自転車に乗って、東港を目指します!
フラワーロードを通って、島の東へ
東港に行くには、通称「フラワーロード」を通っていきます。佐久島で1番交通量の多いメイン道路です。
西港〜東港までは、徒歩で30分ほどの距離です。
さっそく、のぞき箱を見つけました。(そろそろお馴染みですね)
今回の作品は、「ノンとビリーだ」。ノンとビリーは佐久島で買われている山羊のこと。2匹がいつまでも元気で、どんどん大きく育ちますようにという想いが込められています。どんな風景なのかはのぞいてからのお楽しみ!
かなりスタンプも集まってきました!
少し進むと見えてくるのが、松岡徹さんの作品「クラインガルテンウェルカムスペース」。体験型農業施設「クラインガルテン」の入口にあるウェルカムスペースです。
モザイクタイルの椅子や日時計など、松岡さんの作品が点在しています。タイルの色使いが鮮やかで写真映えもバツグン!
続いては、「クラインガルテンウェルカムスペース」の裏側にある駐輪場に自転車を停め、山の中にある作品「空の水―山」へ向かいます。(山道は徒歩がおすすめ)
山道を上って、白山社へ
「本当にここで合っているのかな……」と不安になりながらも、山道を進みます。
島の方の「山の中は虫が多いから大変だけど、頑張ってね」という言葉の通り、蚊が多く大変なことになりました(笑)スタンプラリーを全制覇したい!という方は、虫除け対策もお忘れなく。
10分ほど歩くと「白山社」という御社があり、少し手間に青木野枝さんの作品「空の水-山」がありました。鉄の輪を組み合わせた、鳥かご状のアート作品です。
森とアートが一体化した不思議な空間です。近くにあったベンチで、作品をながめながら一休み。
では、フラワーロードに戻りましょう!
サイクリングを楽しみながら東港へ!
少し進むと、ノンとビリーを発見しました!癒されますね〜。
ノンとビリーの小屋のすぐ近くにある、こちらのベンチも作品のひとつ。
名城大学理工学部建築学科MIURA LABが手がけた「すわるとこプロジェクト」。島内には、他にも2カ所あるので探してみてくださいね。
さらに東に進むと、海沿いの道に出ました。美しい海をながめながらのサイクリングは格別!自転車借りてよかった〜と噛み締めた瞬間ですね。