静岡県三島市、三島駅から徒歩15分ほどの位置にある「三嶋大社(みしまたいしゃ)」。
源頼朝が源氏再興を祈願したことで知られ、千数百年の歴史を持つ大社です。境内には国指定重要文化財の本殿・幣殿・拝殿をはじめ、貴重な建物や史跡が残され見どころもたくさん!
今回は、三嶋大社のご由緒や境内の見どころ、魅力をたっぷりとご紹介します。
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목차
三嶋大社の歴史・ご由緒
三嶋大社は、山森農産の守護神とされる大山祇命(おおやまつみのみこと)、「恵比須様」とも呼ばれ福徳の神とされる積羽八重事代主神(つみはやえことしろぬしのかみ)をご祭神としており、二柱の神を総じて「三嶋大明神(みしまだいみょうじん)」と呼ばれています。
創建の時期は不明ですが、奈良・平安時代の古書には記録が残っていることから、古くから三島の地にあり東海随一の神格として大切にされてきました。三島の地名は、三嶋大社の名前に由来しているとのこと。
そして、中世に入ると伊豆国の一宮(その地域で最も格式が高い神社)として広く知られ、源頼朝は三嶋大社で源氏再興を祈願。その後、緒戦に勝利し鎌倉幕府を開くに至りました。
江戸時代になると東海道(現在の旧東海道)に面する大社として崇敬され、門前に位置する三島宿は東西交流の拠点として、また伊豆の玄関口として栄えました。
三嶋大社のご利益
三嶋大社では、以下のようなご利益がいただけるとされています。
・農業林業鉱山業などの守護・繁栄
・海上の安全・豊漁
・商売繁盛
・家内安全
・金運向上
・開運
・安産
・交通安全
・良縁成就 など
また、源頼朝が源氏再興を祈願し鎌倉幕府を開いたことから、必勝祈願や合格祈願をする人も多くいます。
三嶋大社の境内の見どころやポイントを紹介!
三嶋大社は大鳥居から総門、神門、舞殿、本殿が一直線に並び、境内に点在する建物や史跡はいずれも歴史的にも貴重な存在です。
今回は、大鳥居から入りまっすぐ本殿へ向かい、折り返してくる際に各施設やスポットを巡るルートで参拝しました。
大鳥居をくぐると、すぐに「神池(しんち)」が現れ、古くは源頼朝が放生会(ほうじょうえ:捕獲した魚や鳥獣を野に放して殺生を戒める儀式)を行ったと言われています。そして神池の中に鎮座している真っ赤な社は厳島神社です。
広島の安芸に鎮座する厳島神社は平清盛が建立した神社ですが、北条政子が三嶋大社へ勧請したと言われています。弁天様として慕われる市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)が祀られており、安産、裁縫上達、芸事上達のご利益があるとされています。
総門は三島市の文化財に指定されており、存在感を放つ注連縄は重さ400kg、太さ2m、長さ6.4mにも渡ります。総門をくぐると参道の左右には何本もの桜が並んでいて、春には三島桜とソメイヨシノが満開に。
そのまま直進すると、神門があります。こちらも三島市の文化財に指定されており、精緻な彫刻が施されています。
神門をくぐると目の前に現れるのが三島市指定文化財の舞殿(ぶでん)。年間を通じてさまざまな神事、奉納行事が執り行われています。
なかでも1月に行われる田祭りは、五穀豊穣を祈願して「お田打ち神事」と呼ばれる伝統芸能が奉納される行事。お田打ち神事は静岡県無形民俗文化財に指定されており、起源は平安時代ともいわれ、大昔から受け継がれてきました。
このお田打ちに登場する「福太郎」は、「福の種蒔く福太郎」と呼ばれ親しまれ、三嶋大社の銘菓としても人気です。
舞殿の奥でひときわ厳かな雰囲気を放つのが本殿。国の重要文化財です。
手前に幣殿・拝殿、奥には本殿があり、3つの建物が連なる複合社殿。総けやき素木造りで、伊豆の名工とされる小沢半兵衛・希道父子一派による彫刻は精緻で高い完成度を誇ります。
彫刻は中央・左右でそれぞれ異なり、中央は天の岩戸開き、右は吉備真備(きびのまきび)・玄宗の打碁、左は源頼政のぬえ退治の様子が描かれています。
本殿の参拝後は、境内の見どころをじっくりと巡って行きましょう。
本殿の近くには、お守りや絵馬などを授与できる授与所があります。せっかくなので、おみくじを引いてみました。
「幸福(しあわせ)おみくじ」は、おみくじと10種類の縁起物のうちのいずれかが納められています。このお守りを身に着けていると幸せが訪れるとか。
さっそく、開いてみます。
結果は「吉」!。縁起物は一粒万倍(もみ)でした。書かれているお告げがとても具体的なので、今後の行動指針にしようかと思います。
神門のすぐ横には、国の天然記念物に指定されている金木犀があります。樹齢はなんと1200年と推定され、毎年9月上旬と下旬に2度満開を迎えるそう。薄黄色の可憐な花をつけ、甘い芳香が特徴です。
大鳥居から見て神門の手前には神馬舎と腰掛石があります。
古くから三嶋大社の神馬は、毎朝神様を乗せて箱根山に登るという伝統があり、街道の旅人の健脚や子どもの成長を祈るなどの風習があるそう。
大小2つの石は「腰掛け石」と呼ばれ、大きな岩には源頼朝が腰を掛けたとされ、小さな岩は北条政子の腰掛け石と言われています。
総門を入って右に見えるのが「宝物館」。1階はギャラリー・ミュージアムショップがあり、無料で入れます。2階が展示室で、入場には別途有料のチケット購入が必要です。
宝物館には国の重要文化財となる「太刀 銘宗忠」「脇差 銘相模国住秋義」「源頼朝筆 般若心経」「三嶋大社矢田部家文書」などの御神宝、文化財が保管され、一部が展示されています。
展示室では国宝の一遍聖絵をもとにした、鎌倉時代の境内ジオラマなども見られます。
特に注目したいのが、北条政子が奉納したと伝えられる国宝「梅蒔絵手箱」です。手箱表面は金粉を蒔きつける「沃懸地(いかげじ)」という手法で仕上げられ、意匠は梅樹や雁の群れ、白居易の漢詩をもとにした文字などで表現されています。鎌倉時代の最高技術を結集させた手箱・道具は、まさに豪華絢爛。内容品となる化粧用具一式がほぼ完存する最古の手箱でもあります。
展示されているのは模造復元品ですが、当時の上層階級の風雅が伝わってきます。
そして、宝物館の奥に進むと、たくさんの鹿が!
この場所は「神鹿園(しんろくえん)」と呼ばれ、大正時代に奈良の春日大社から雄雌8頭の鹿を譲り受けたことから名付けられました。毎年3月22日には、神鹿記念祭が行われています。
境内のお土産屋さんで鹿せんべいを購入すれば、フェンス越しにあげることもできますよ。
人に慣れているのか、子鹿が寄ってきてくれました。かわいい!
神池のほとりにはお土産やコイの餌、鹿せんべいを購入できる「大社のよりどころ」があります。併設している福太郎茶屋では、福太郎餅とお茶のセットで休憩もできますよ。
福太郎餅は、こしあんでくるまれた草餅です。ヨモギの餅を顔に、あんを烏帽子に見立てて福太郎の翁のお面をイメージしています。
天然ヨモギ100%と厳選された小豆を使い、無添加で作られたお餅は、一口食べると優しい甘さと自然の香りが広がります。ほろ苦い緑茶との相性も抜群!
命を強化すると言われる餅と、邪気を払うとされ滋養に富むヨモギで作られているため、縁起餅として親しまれています。
まだまだ見どころたくさん!
三嶋大社はパワースポットとしても有名
源頼朝ゆかりの地でもある三嶋大社は、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の影響もあり大きく注目されているスポットです。三島の歴史・文化・伝統を継承・発信するための、地域行事となる「三嶋大祭り」では、大河ドラマに出演している俳優さんも参加したことで大きなニュースとなりました。
三嶋大社の歴史や主要な見どころを紹介しましたが、他にも見どころがたくさんあります。若宮神社や見目神社、祓所神社(はらえどじんじゃ)、伊豆魂神社などいくつもの神社を有しているほか、たたり石や安達藤九郎盛長警護の跡などの史跡も点在しています。
また、神池や境内には多くの樹木があるため、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉と四季折々の美しさを感じられるのも大きな魅力。長い歴史と伝統を誇る三嶋大社は、古くから格式高い神社として名を馳せていたこともあり、伊豆随一のパワースポットとしても人気を集めています。
三島を訪れる際は、ぜひ三嶋大社を訪れてみてはいかがでしょうか。