有松鳴海絞りの歴史や文化にふれる。「有松ぶらり散歩」に行ってみよう!

2018.11.27
有松めぐり

有松鳴海絞りで知られるレトロな街「有松」。旧東海道の古い町並みが残り、名古屋市町並み保存地区にも指定されています。江戸時代にタイムスリップしたかのような風情溢れる町並みは、ぶらり散歩におすすめ。

 

今回は有松の歴史や文化を楽しめるおすすめコースをご紹介します。

 

 

歴史と絞りの里「有松」とは

 

 

有松の街並み

 

有松の暖簾民家から郵便局まで、軒先には有松絞りの「のれん」がかかっていました。

 

有松は、1608(慶長13)年に江戸と京都をむすんだ「東海道」の鳴海宿と池鯉鮒宿(ちりゅうのしゅく) の間に尾張藩によって開かれました。東海道を行き来する旅人の土産物として「有松鳴海絞り」が考案され、以降絞りとともに有松は発展しました。

 

しかし、天明4(1784年)の大火によって大半が焼失。その後、火災に備えて漆喰による塗籠造に屋根瓦という豪壮な町家の街並みへと変わっていきます。2016年には、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、美しい街並みを見ることができます。

 

 

 

まずは「有松・鳴海絞会館」で歴史を学ぼう

 

有松・鳴海絞会館

 

有松散策でまずはじめに訪れていただきたいのが、名鉄「有松」駅から徒歩5分ほどのところにある「有松・鳴海絞会館」。こちらは、有松絞りの歴史や技術について、資料・ビデオ・実演などでわかりやすく展示している施設です。

 

二階展示室2階展示室

 

絞りに使われる道具たち絞りに使われる道具たち

 

2階の展示室では、有松鳴海絞りの歴史や技法がわかりやすく解説されています。

 

 

 

 

有松鳴海絞りの特徴は何と言っても技法の豊富さ。現在は70種類ほどまで減ってしまったそうですが、全盛期には120種類以上の技法があったのだとか。この種類の多さは、世界中の絞りの中でも有松鳴海絞りだけです。そして、一人の職人に対して一技法というのも特徴。一つの技法に対して、道具もそれぞれ異なります。

 

絞りの実演

 

そして「有松・鳴海絞会館」の一番の魅力は、絞りの実演を見学できるというところ。こうして作り手さんから直接お話を伺う機会はなかなかないですよね。「合わせ縫い」「ひしゃき縫い」「蜘蛛」など日によって異なりますが、さまざまな技法を目の前で見ることができます。

 

竜巻絞り


伝統工芸士である松岡清子さんが見せてくれたのは、「竜巻絞り」という技法。細かなプリーツ状になった生地を鳴煎台を使って絞っていきます。糸の巻き方で、模様が変わります。

 

突き出し鹿の子絞り

 

突き出し鹿の子絞り


お隣の深谷幸子さんが見せてくれたのは、「突き出し鹿の子絞り」という技法。「この針に糸をこうして巻きつけてね。」とていねいに教えていただきました。

 

突き出し鹿の子絞りは、台の頭部の針金の上から布をかぶせて、針を滑らせるようにして、
粒を引っかけて糸で軽く一巻きし、2回目で根元を固く「かもさげ」をして止めるのが特徴。

 

話ながらもまったくお2人の手は止まりません。有松の歴史や文化などのお話も教えていただきました。

 

有松・鳴海絞会館


1階は、絞りの着物やハンカチなどを購入できるショップになっています。手頃に購入できる小物も豊富なので、お土産としてもおすすめ。

 

【有松・鳴海絞会館】
住所   :愛知県名古屋市緑区有松3008番地
電話番号 :052-621-0111
営業時間 :9:30~17:00(実演は16:30迄)

 

 

 

絞り問屋の街並みを散策

 

有松散策

 

有松の歴史や文化を学んだら、いよいよ散策スタート!

 

有松の東海道沿道では、卯建(うだつ)を設けた和瓦の屋根、塗籠造(ぬりごめづくり)、虫籠窓(むしごまど)といった特徴を持つ伝統的建築物が街並みを形成しています。

 

観光案内所

 

「嵐絞り」を復活させたという早川嘉英氏の作品


はじめて有松を散策するという方は、ぜひこちらの観光案内所へ。みどころやおすすめルートを教えていただきました。建物の中では、嵐のときの雨のように細い斜めの絞り模様が現れる「嵐絞り」を復活させたという早川嘉英氏の作品の展示も。

 

 

竹田家住宅(竹田嘉兵衛商店)

 

竹田家住宅(竹田嘉兵衛商店)

 

まずは旧東海道を東へ50mほど進んだところにある「竹田家住宅」へ。

 

竹田家は、300年以上続く家系で、旧東海道を代表する建築物のひとつ。主屋1棟、蔵3棟、茶室1棟、26畳の書院造りの座敷からなる建物です。有力な絞商の屋敷構えの典型例をみることができます。現在は、「竹田嘉兵衛商店」として有松絞りの製造および卸をしています。

 

長屋門家の者や業者などが出入りする母屋側の「長屋門」。客人用と入り口が別になっています。

 

明治期のガス灯の名残明治期のガス灯の名残

 


町並みを散策していると、建物の開口がどれも大きいことに気がつきます。

 

江戸時代の町人は家の間口の広さで税金が決められていたため「うなぎの寝床(間口が狭くて奥行きの深い建物のこと)」の町家が主流です。しかし、有松では税の優遇措置があったため、1軒ごとの間口がとても広くなっているのです。

 

 

岡家住宅

 

岡家住宅

 

岡家住宅


こちらの「岡家住宅」は、江戸末期の建造で1棟の建物としては有松最大規模を誇ります。2階のひさし下の建材を漆喰で塗り固めた塗籠造(ぬりごめづくり)が波状になっていて、これは名古屋城にみられる意匠と同じ。現在内部は一般公開されていません。

 

 

小塚家住宅

 

小塚家住宅

 

小塚家住宅

 

寛文年間(1661〜1673年)に有松に移住した小塚家は、山形屋の屋号で明治期まで絞り問屋を営んでいました。こちらの特徴は、有松では数少ない「卯建(うだつ)」。卯建とは、日本家屋の屋根に取り付けられる防火壁のこと。本来は防火が目的ですが、装飾としての意味合いもあります。

 

 

裏道

 

観光案内所の方に「裏道もぜひ歩いてみてね」とおすすめしていただいたので、裏道をぬけて東側へ。旧東海道の周辺は、伝統的建造物群保存地区・町並み保存地区に指定されているので、一般の住居も風情あるものが多く、お散歩に最適でした。

 

有松しぼり久田本店


裏道を歩いていると有松絞りのお店を見つけました。

 

伝統を受け継ぎながらも新しいデザインを取り入れた製品をつくり続けている「有松しぼり久田本店」。伝統を受け継ぎながらも、常に「今の時代」を表現するデザインを開発しているお店です。多彩な柄が表現できる「巻き上げ絞り技法」でつくられた吸水性抜群のタオルや、色鮮やかながま口などが人気なのだそう。

 

日本庭園門をくぐると、緑豊かな日本庭園が広がります。

 

「有松しぼり久田本店」の店内
「有松しぼり久田本店」の店内

 

旧東海道の東側


では、ここからは旧東海道の東側へ行ってみましょう!

 

 

中濱家住宅

 

中濱家住宅

 

中濱家住宅

 

当初は絞商の山田与吉郎家の建物でしたが、2004(平成16)年からは、中濱家の建物として使われています。土蔵の軒先の瓦に「山ヨ」の印が入っており、当時の名残が感じられます。

 

 

服部家住宅(井桁屋)

 

服部家住宅(井桁屋)

 

服部家(井桁屋)は、1790(寛政2)に創業した絞商で、敷地の間口は約45mと有松で最大。江戸末期から明治30年代にかけて整備された建物が多く残されています。

 

服部家住宅(井桁屋)

 

服部家住宅(井桁屋)


今回ご紹介した以外にも、絞商の主屋をはじめとする伝統的な建物が多く残り、有松鳴海絞りによって繁栄した当時の様子を垣間見ることができます。

 

 

 

おすすめ有松絞り「まり木綿」

 

まり木綿

 

最後にライフデザインズおすすめの有松鳴海絞り「まり木綿」をご紹介します。

 

「まり木綿」は、従来の有松鳴海絞りのイメージとは異なり、花柄や水玉のような愛らしい模様と、カラフルな色が女性たちから大変人気を集めている有松鳴海絞りブランド。”伝統は「鑑賞」するのではなく、使い続けていくこと”をモットーに、今までにない自由な色使いと発想で、日々の生活に寄り添ったものづくりをされています。

 

手ぬぐい まり木綿サイズは2種類 通常サイズ ¥ 1,642(税込) / ひめ丈 ¥929(税込)

 

まり木綿の商品で一番人気の「手ぬぐい」。手ぬぐいに使用している伊勢木綿は三重県の織元「臼井織布株式会社」のものを使用。風合いがよく、やわらかい肌触りで、シワになりにくいのが特徴なんだとか。1枚1枚丁寧に染められた手ぬぐいは美しく、カラーバリエーションも豊富。それぞれの柄に名前が付けられているもの魅力です。

 

日傘各¥19,440(税込)

 

こちらの日傘は2018年の新作アイテム。一つずつ柄が違うのもポイント。持っていると思わず自慢したくなるアイテムです。木の取っ手部分がねじれていて、そこもとてもかわいいです。

 

服
各¥9.612(税込)


絞りの洋服もオススメアイテムの一つです。形は同じでも柄の雰囲気が異なるだけで全く印象の違うものに見えます。全面が絞りのものと一部だけに絞りが使われているものがあるので、お気に入りの一枚を見つけてみてくださいね。

 

【まり木綿】
住所  :〒458-0924 愛知県名古屋市緑区有松1901
営業時間:10:00−18:00
定休日 :火・水
http://marimomen.com/

▼まり木綿の記事はこちら
https://life-designs.jp/webmagazine/marimomen/

 

有松


名古屋市内にありながら、江戸時代の面影を残す「有松」。歴史を学んで、建物探訪をして、プチトリップにはうってつけです。今回はご紹介できなかったですが、古民家を改修したカフェやパン屋さん、町家を改装したゲストハウスもありますよ。名古屋駅から電車で20分ほどの有松。今週末のお出かけの参考にしてみてくださいね。