日本が世界に誇る”有松鳴海絞り”に新しい風を吹き込む「まり木綿」

2018.11.16
marimomenn

「まり木綿」は名古屋芸術大学の同級生だった村口実梨さん(写真左)と伊藤木綿(写真右)さんのお二人による有松鳴海絞りブランドです。従来の有松鳴海絞りのイメージとは異なり、花柄や水玉のような愛らしい模様と、カラフルな色が女性たちから大変人気を集めています。

 

”伝統は「鑑賞」するのではなく、使い続けていくこと”をモットーに、今までにない自由な色使いと発想で、日々の生活に寄り添ったものづくりをされています。伝統を守りながらも、新しいチャレンジを続けるまり木綿のお二人。今回は、立ち上げの経緯や商品のこと後半では滅多に見ることができない、作業中の様子も含めてまり木綿の魅力をご紹介していきます。

 

 

まり木綿

まり木綿は、名鉄「有松駅」から徒歩数分の場所にあります。

 

まず簡単に有松鳴海絞りについてご説明します。

 

有松鳴海絞りとは、名古屋市緑区の有松・鳴海地域を中心に生産される絞り染めです。400年以上の歴史を誇り、国の伝統工芸品にも指定されています。その技法は100種以上におよび、『縫う』『括る』『挟む』の3つの動作を施すことで多彩な文様を表現しています。

 

有松しぼり

 

−今日はよろしくお願いします!まず最初にお二人の経歴から教えていただけますか?

 

伊藤さん:「私たちはもともと、名古屋芸術大学のテキスタイルコースに在籍していました。有松鳴海絞りに出会ったのは、大学3年のときのことです。授業で、地場産業との連携プロジェクトということで、初めて有松鳴海絞りに触れたんです。

 

そのときに講師で来てくださったのが京都の和装ブランド「SOU・SOU」の代表である若林剛之さんでした。その際に代表が私たちが制作した生地をとても気に入ってくださり「商品化してみないか?」とお声をかけていただいたのが最初のきっかけです。在学中はSOU・SOUに商品を置かせてもらいつつ、卒業した年の5月にお店をオープンしました。」

 

SOUSOU

 

−SOU・SOUさんがお二人の作品を気に入ったポイントはどんなところだったんですか?

 

伊藤さん:「みなさんがよく想像する、有松鳴海絞りといえば、凹凸した模様で藍で染めた渋めな印象だと思うんです。そんな中で私たちは「板締め絞り」という技法で、従来のイメージとは異なる、凹凸がなく、色をたくさん使った絞りを制作していました。

 

伝統技法と色彩感覚を合わせた、自由な発想や柄ゆきで、板締め絞りを染めた点などが、有松鳴海絞りの今までにないイメージとして認めていただけたのかな?と思っています。」

 

板締め

 

−まり木綿の特徴はなんですか?

 

伊藤さん:「まり木綿の大きな特徴は、「板締め絞り」に特化しているということです。板締め絞りは生地を屏風状に折りたたみ染め上げることで、連続した文様をつくりだすことができます。そこに、従来の絞りに使われている染料ではなく、発色のいい染料を使うことで、カラフルでポップな色合いの絞りをつくり出しています。」

 

まり木綿


−板締め絞りはとは、どういった技法になるんですか?

 

村口さん:「実は有松鳴海絞りと一言にいっても、100を超える技法があります。私たちが採用している「板締め絞り」は他の技法に比べると生産がしやすく、昔は赤ちゃんのおしめにも施されていました。大胆でモダンな印象の絞りに仕上がるので、ポップな色合いとも相性がいいんです。

 

また、染色によってにじみ方や、微妙に文様の形が変るので同じものがつくりにくい技法でもあります。同じ柄でも一枚一枚表情が違うことも魅力だと思うので、そこも楽しんでいただけるとうれしいです。」

 


ここからはおすすめの商品をご紹介していきます。

 

手ぬぐい まり木綿
サイズは2種類 通常サイズ ¥ 1,642(税込) / ひめ丈 ¥929(税込)

 

まり木綿の商品で一番人気の「手ぬぐい」。手ぬぐいに使用している伊勢木綿は三重県の織元「臼井織布株式会社」のものを使用。風合いがよく、やわらかい肌触りで、シワになりにくいのが特徴なんだとか。1枚1枚丁寧に染められた手ぬぐいは美しく、カラーバリエーションも豊富。それぞれの柄に名前が付けられているもの魅力です。

 

日傘各¥19,440(税込)

 

こちらの日傘は2018年の新作アイテム。一つずつ柄が違うのもポイント。持っていると思わず自慢したくなるアイテムです。木の取っ手部分がねじれていて、そこもとてもかわいいです。

 

日傘持つとこんな感じ。小ぶりなところもまた女性らしくステキです。

 

服
各¥9.612(税込)


絞りの洋服もオススメアイテムの一つです。形は同じでも柄の雰囲気が異なるだけで全く印象の違うものに見えます。全面が絞りのものと一部だけに絞りが使われているものがあるので、お気に入りの一枚を見つけてみてくださいね。

 


まり木綿の作業場は、有限会社 「絞染色久野染工場」の一部を借りて染色されています。伊藤さんと村口さんは交代でお店に立ち、お店にいない方が工場で染めるという体制を取っています。今回私たちは、実際に手ぬぐいを染色していく様子を見させていただきました。

 

作業中 まり木綿


手ぬぐいを染めるにあたり、生地を折っていくことからはじまります。

 

有松絞り

 

 

屏風状に折りたたんだ後、端から三角形に折っていきます。

 

 

有松

 

たたみ終わったら2枚の板に挟んで板締めをします。布の折り方をアレンジしていくことで、日々新しいデザインを考案されているそう。

 

染色

 

染料


布を折りたたんだら、染料づくりです。デザインを書き留めたノートを元に染料をつくっていきます。

 

三角形


染料液をつくったら、いよいよ染色です!

 

有松絞り

 

 

手ぬぐい染色


どれくらい浸したら色がしっかり染み込むのか、浸しすぎても柄がつぶれてしまうそうなので、色に合わせた浸透率を計算しながら染色していきます。これは、まさに経験がものをいう技です。

 

手ぬぐい

 

5分もしないうちに10本近くあった布があっという間に、染め終わりました!水洗いをし、また熱湯で洗って余分な染料を落としてから天日に干すという工程を踏んで商品が完成します!

 


完成後はこのようになりました。伊藤さん、村口さんありがとうございました!

 

「今後は自分たちで専用の工場を持って、お店も開いていきたいです。」と語ってくださったお二人。帰り際、有松で別の取材をしていたスタッフと合流すると、先ほど近所の方に「まり木綿さんっていうお店がとてもすてきだから行ってみてね!」と言われたんです!というエピソードを聞き、地元の方たちにとても愛されているのを感じました。

 

店舗 まり木綿

 

今回取材を通して、日本の伝統を守りながらも、新しいものづくりに挑戦していく姿は一人の女性として、とてもかっこいいなと思いました。夏は暑く、冬は寒い、過酷な作業環境の中で、丁寧に一つずつ作り上げている商品はどれも、魅力的なものばかりです。伝統を残しながらも、新しい風を吹き込むまり木綿にぜひ足を運んでみてくださいね。

 


【まり木綿】
住所  :〒458-0924 愛知県名古屋市緑区有松1901
営業時間:10:00−18:00
定休日 :火・水
http://marimomen.com/