RE SQUARE BANUL(以下BANUL)は、愛知県小牧市にある不用品の買取・リメイク・販売をしているリサイクルショップです。リサイクルショップと聞くとみなさんはどんなイメージを思い浮かべますか?私は、店の中に雑多に商品が置かれている。そんなイメージを持っていました。
BANUL(バナル)とは<BREATHE A NU LIFE(新しい命を吹き込む)>という言葉の頭文字をとった造語です。その言葉の持つ意味の通り、従来のリサイクルショップのイメージを180度変え、リサイクル業界に新しい風を吹き込んでいます。今回は代表の若山さんに今までの経歴から現在のことまで、たっぷりとお話をお伺いしてきました。また、実際に買取もしていただいたので、そちらの様子も合わせてご紹介していきますね。
目次
ダンスに打ち込んだ青春時代から営業マンへ転身
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代表の若山陽一郎さん
店内の様子
もともとはダンサーだったという若山さん。ダンサーからリサイクルショップのオーナーとは意外すぎる経歴ですよね。最初に、若山さんの経歴からお伺いしました。
若山さん:「僕、もともはダンサーだったんです。中学生から23歳くらいまでダンス一筋の人生でした。。毎日ダンス漬けで、当時はそれこそ本当にダンスにしか興味がないくらい。毎日クラブで踊って、髪型もドレッドヘアーだったりね。2000年にTRFのバックダンサーをしたんです。そのときに、ダンスの業界で生きていくことへの難しさや厳しさを知りました。それまでダンスしかやってこなかったので、このままダンスにしがみついて、結局僕がどうにもならなかった場合、僕はもう生きていけないんじゃないかと思い、23歳のときにむちゃくちゃ好きだったダンスをやめました。」
23歳で大好きだったダンスをすっぱりとやめて、営業マンへと転身します。
若山さん:「それまでダンスしかやってこなかったので、普通に会社に勤めても大学行った人に勝てないじゃないですか。今ではあまり関係ないかもしれないですけど。当時の世間は学歴がある人とない人では違ったので、早めに社会に出ようと思ったんです。そんなとき、ある会社の社長さんの紹介がきっかけで、営業の仕事をやることになりました。
営業代行のような仕事で、広告代理店や訪問販売など全国を飛び回りながら、いろんな販売の営業を4年ほどしました。大好きだったダンスをやめて、やった仕事だったので、絶対に結果を出したかったんです。とにかく営業成績一番を取る勢いでがむしゃらに働きました。もちろん、それに見合った収入を得ることもできたんですが、ダンスをやめた負い目から、その先で成功したんだ!っていう自分を演じたくて金銭感覚がおかしくなっちゃったんです。そしたら、次第に収入と支出のバランスが崩れて、やっていた営業も下火になったときに、自分の借金が膨れ上がってることに気づいたんです。」
成功からの転落。這い上がるためにしたこと
ある社長さんの言葉がきっかけで、もう一度這い上がることを決意。
若山さん:「さすがにまずいなと思い、知り合いだったいろいろな社長さんに相談に行きました。そしたら、一人の社長さんに大爆笑されたんですね(笑)。「よくあることだわ」って。「だいたいみんな、急にお金を稼ぐようになるとそうなるんだわ」って。その言葉にやけに安心したんですよ。僕だけじゃないんだって。
それで、「ほとんどのやつはそこから落ちぶれていくけれど、一部のやつはそれをバネにまた這い上がっていく」っていう話をされたときに、「お前はどうしたいんだ」って言われて。「僕、這い上がりたいんです」って言ったら、「じゃあ俺の言う通りにしろ」って。そこで言われたのが「今お前が思いつく一番嫌なことをやれ」だったんです。それでアルバイトの情報誌を渡されて、その中で一番嫌なことを探したんですね。それが不用品回収の仕事でした。
僕の周りには、同じように将来に不安を抱えていた仲間がたくさんいたので、周りに声をかけて不用品回収をみんなでワイワイやっていたら、なんだか予想以上に盛り上がってしまって、その後に起業することとなりました。それがこの会社の成り立ちなんです。」
人生が大きく変わったリサイクル業界との出会い
営業マン時代の華々しい生活から一転。再起を胸に、リサイクル業界へ飛び込みます。そこでの出会いは若山さんに人生を大きく変えていくことになります。
若山さん:「そこから人生が大きく変わっていきましたね。嫌なことなんで早く辞めたいじゃないですか、なので懸命に、頑張って借金もすぐに返したんです。ところが、気づけばこのリサイクル業界に面白さを感じるようになっていました。この仕事は、世の中からゴミがなくならない限り、すごく必要とされる仕事で、当分はなくならないなって思ったんです。今まで自分がお金をいただくっていうのは、銀行にお金が振り込まれて、お客さんの顔がそんなに見えない。お金のありがたみを感じることができない仕事だったんです。
でも、この仕事は違う。お客様が困っていることを解決しにいく仕事だったんです。要はゴミを自分で処理出来ないとか、部屋をきれいにして欲しい。重いものを運んで欲しいとか、庭の草むしりとかね。とにかく頼まれてできることはなんでもやりましたね。それこそすごく喜んでもらえて、「ありがとう」って面と向かってお金をすごい喜んでいただく瞬間に、なんか悪くないなこの仕事。って思うようになって、うまく噛み合っていったっていうのが今でも続いている理由ですね。」
リサイクル業界に新しい命を吹き込む
BANULの誕生
店舗を構えず、業者販売をメインでやっていたそうですが、2016年にBANULをオープンさせることに。
若山さん:「この仕事を7〜8年とやっていく中で、いい家具や、いい家電製品、状態がものすごくいい商品がたくさん手に入るようになってきたんです。それまでは、量が多かったので、自分たちで店を構えて販売するっていう考えはなくて、リサイクルショップさんへの販売をメインでやっていたんです。」
若山さん:「なんかもうちょっとかっこよく、センスよく、ゴミにしちゃっているものを上手く見せられないかと思ったんです。リメイクや考え方を変えたり、提案の仕方を変えることによって、もっと良い商品の提供の仕方があるんじゃないかって。もともと家具とかインテリアがすごく好きだったこともあって、自分たちでリサイクルショップをやりたいなっていう想いになってきたんです。
ゴミがあるからこそ不用品回収っていう仕事が成り立つんですけど、かといってゴミが増えて欲しいとは思っていないんですよね。地球環境や世の中のことを考えたときに、自分たちの子供や孫世代へ居心地の良い環境を残していきたい。僕たちの仕事が本当に一番考えなきゃいけないことは、ゴミを減らすことなんじゃないかなって思ったんです。」
若山さん:「リサイクルショップをやるまでは、大きく傷がついていたり、グラグラしていたり、壊れかけのものなどはジャンク品として処分していたんですね。ただ今の時代、ジャンク雑貨とか、インダストリアルとか、ヴィンテージとか、すごく流行ってきていて、ちょっと見方を変えたらゴミじゃなくて、人が求めているものに変わる瞬間っていうのがいっぱいあったんです。そうなったときに、自分たちが集めてくるものの中で、お宝がいっぱいあることに気がつきました。。そういうゴミを減らす活動の一貫として、2016年の6月にこの場所にBANULをオープンさせました。」
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ソファーやイスの種類も豊富。
毎回入ってくる商品が違う中で、いかにかっこよく見せるかにこだわっているそう。商品に”新しい命を吹き込む”ことで、捨てられるはずだったものが再び、誰かの手に渡り、輝きを取り戻していきます。
若山さん:「お店のコンセプトは、”新しい命を吹き込む”です。本来なら捨てられているはずのアイテムや、手を加えなければ誰も買ってくれないような材料とか、そういうアイテムを自分たちがリメイクしたり、ちょっと修理したり。もっと言うと提案の仕方を変えて、新しい価値を見出していく。新しい価値として提供していくっていうのを一番コンセプトにしました。
空間づくりは、思いつきでいつもやっています。日々入ってくるものが違うので見せ方を考えるのは大変なこともあるんです。このアイテムカッコいいなって思っていても、それが売れていくじゃないですか。次に何が入ってくるかっていうのは未知なので、入って来たものをじゃあこれどこに置こうかとか、これ何と組み合わせようとか、全部がアンティーク系なら、どういう風に置いても形は決まるんですけど、実際は多ジャンルの家具が入って来るので、見せ方を考えるのが楽しかったりもしています。」
リサイクルショップという定義の中で、
できる最上級のおしゃれを
現在、お店には全国各地からお客さんが来店されるそう。
若山さん:「お客さんの大半はInstagramをみて来てくださる方がほとんどです。遠方からもたくさん来てくださるんですよ。この間は、店をみたいって言って、大分県からここを目的に来てくれた方とか。昨日も広島からわざわざ来て下さった方がいらっしゃいましたね。あとは、大阪、京都、福井とか、もう本当に遠方から来てくださる方がいっぱいいてうれしく思っています。」
僕たちはあくまでもリサイクルショップ
若山さん:「僕らはこれからも、あくまでリサイクルショップという窓口で、やっていきたいと思っているんです。ヴィンテージショップとか、おしゃれすぎて尖った感じのお店になると、多くの方が来にくくなるし、僕らもそういうものだけを扱うことはできないので。店内にはIKEAやニトリのもの、ヴィンテージからノーブランドまで幅広く扱っています。
僕らの目的はゴミを減らすことなので、どんなものでも販売していきたいんですよ。なので、あくまでリサイクルショップという定義の中で、リサイクルショップができる最上級のおしゃれを突き詰めていきたいと思っていて、なのでお店もあえてこういうガレージ使って、やっていますね。」
新しい「出会い」や「つながり」が
生まれる場所にしていきたい
今後、BANULが目指していくビジョンについてもお伺いしてみました。
若山さん:「僕たちは、もの売りではなく、「出会い」を大切にしているので、この場所から新しい人との出会いがあり、つながっていく場になっていくといいなって思っています。なので、商品の価格はできるだけお値打ちに設定しています。スタッフ同士の仲も本当にいいですよ。それぞれが楽しく、自由に仕事をしています。仕事って絶対に楽しくないと続かないですし、いいものは生まれないと思うんです。BANULを通じて、これからどんな新しいことがつながっていくのかと思うとワクワクしますね。」
販売販路が多いからこその強み
BANULでは買取も行っており、もともとが不用品回収屋という強みがあるので、販売販路もたくさんあるんだとか。査定額は購入時の価格ではなく、現在の市場のニーズなどをもとに出しているそうです。
若山さん:「中には購入時よりも高い場合もありますし、ノーブランドであっても”かっこいい”と思ったものに関しては値段を高く設定しています。よく、リサイクルショップに持って行ったものの、値段がまったく付かない。ってことあるじゃないですか。僕たちは、お客様がお店に来てくれるだけでうれしいんですよ。小牧って場所で、交通の便がいい訳でもないのにも関わらず来てくださる。それだけでも本当に感動しますね。なので、例えお茶代にしかならないようなものだったとしても、値段は必ず出しています。」
レイアウトセンス抜群の店内
ここからは、店内の様子も少しだけご紹介します。
※商品は随時変わります。
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ヴィンテージのカリモクもあります。
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お部屋のインテリアになりそうなラジオ
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店内はセンス良く配置されています。
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ファイヤーキングやデッドストックの食器まで。
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値札についていない古着は全品500円
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アンティーク家具も多数。
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提案の仕方一つで、不用品がかっこよく見えます。
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バナルファニチャーのダイニングテーブル。価格は30,000円〜
BANULではオーダーの家具製作も行っています。価格も3万円からで、2週間という短い製作期間でかっこいい家具をオーダーできます。お店に行ったらオーダー家具もチェックしてみてくださいね。
実際に買取をお願いしてみました!
実際に持ち込みをして査定をお願いしました。BANULの買取方法には以下の種類があります。
・出張買取
自分で運ぶ事ができない量や大きさ、引っ越しや閉店等でたくさんのモノが不要になった場合には、出張買取がおすすめです。・持ち込み買取
店頭に直接持ち込んでその場で査定してもらうこともできます。※また査定は「メール査定」「LINE査定」も行っているので、買い取ってもらいたい商品がある際は事前に確認してみてくださいね。
どちらも面倒だな〜という方はお電話でのお問い合わせもOKだそうです。
今回私たちは、「持ち込み査定」をお願いしました。査定をお願いしたのは、IKEAの照明3つです。一体どうなるのか楽しみです。
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アイテムの状態を丁寧に確認し、型番がわかるものは、新品の状態での価格などを調べます。
結果は6,500円でした。また、「持ち込み買取」ということで+500円してくださいました。想像していた額よりも高くて驚きです。こういった照明は店舗さんに需要があるんだとか。
丁寧に検品をし、査定額も各項目ごとに分かれてでるので、そういった点も明朗でうれしいですよね。
毎月第一と第三日曜日はガレージセールを開催
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お店の前にはズラリと商品が並びます。
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ガレージセール中の店内の様子。
また、BANULでは毎月第一と第三日曜日を「バナルの日」と題して、ガレージセールを開催しています。普段店頭に並ばない商品や無料商品まで、外に並べて大安売りしています。詳しくは、ブログやInstagramで告知されるので要チェック。
オーナーの若山さんは世界一周を経験されていたり、結婚指輪にするルビーを鉱山に掘りに行ったり、ここでは書ききれないくらい魅力的な経歴をお持ちです。BANULは若山さんに会いに行くだけでも楽しく、中に入っても宝物探しにいくような気持ちで何度も訪れたくなるお店です。みなさんもぜひ掘り出しものやお気に入りの一つを見つけに足を運んでみてくださいね。リサイクルショップの見方がガラッと変わりますよ。