【名作家具シリーズ】日本人にもっとも愛される名作家具「Yチェア 」| ハンスJ.ウェグナー

2018.11.30
CH24

世界にはさまざまな名作と言われる椅子が存在します。インテリアショップやカフェなど、私たちの身近な生活の中でも、デザイナーズチェアと呼ばれる椅子たちは日常的に使われています。

 

よく見かける椅子も、実は有名なデザイナーがつくったものかもしれません。そんな知っていて損はない名作椅子をライフデザインズでは改めてご紹介していきます。

 

名作椅子と呼ばれるからには、どの椅子にもちゃんとした理由があるんです。今回お届けするのは、ハンスJ.ウェグナーの代表作「Yチェア」。名前は知らなくても、見かけたことがある方は多いかもしませんね。名作椅子なんてまったく知らないという方もぜひこの機会にその魅力に触れてみてください。

 

 

北欧家具の巨匠

Hans_Wegner

 

まず、Yチェアを語る上で欠かせない人物が、デンマークを代表する家具デザイナー「ハンスJ.ウェグナー」です。ウェグナーは1914年、デンマークとドイツの国境の町、トゥナーにて誕生。13歳から家具職人の下で修行を始め、17歳で家具職人の資格を取得。20歳でコペンハーゲンに移り、1936年から1938年まで工芸スクールに在籍。その後デザイナーとしての活動を開始しました。

 

彼は生涯で500種類以上の椅子をデザインし、20世紀の北欧デザイン界に多大な影響を与えた人物でもあります。彼のデザインした椅子は、単に美しいだけではなく、とても座りやすく、現代の椅子の一つの基準をつくり上げたと言われています。

 

 

不朽の名作「Yチェア」の誕生

 

Yチェア画像引用元:www.shop.carlhansen.jp

 

ハンスJ.ウェグナーの代表作でありベストセラー「CH24 」(通称「Yチェア」)。1949年にデザインされ、翌年の1950年から生産を開始。現在まで60年以上生産され続けている不朽の名作です。背を支える支柱がYの字であることから「Yチェア」「ウィッシュボーンチェア」の愛称で親しまれ、今もなお世界中で愛されています。

 

 

デザインルーツは中国明代の椅子

 

ch24

 

Yチェアのはじまりは、1943年にウェグナーが、中国・明代の 「圏椅(クァン・イ)」「曲ろく(キョクロク)」 というチャイニーズチェアを本で見たことです。この椅子がきっかけとなりYチェアがデザインされたと言われています。笠木と後ろ2本のフレームの曲線が生み出す美しいフォルムは、ウェグナーならではのデザイン。ペーパーコード張りの座面は優しい風合いで上品な仕上がりとなっています。

 


ここからはYチェアの魅力を5つに分けてご紹介します。

 

 

魅力① 60年以上売れ続けていること

 

Y
引用元画像:https://www.fabulousmoderns.jp/item/ch24set/


Yチェアは今から約70年前につくられた椅子でありながら、デザインに古くささを一切感じないのが大きな特徴でもあります。70年間売れ続ける椅子というのは他を探してもそうそうあるものではありません。日本では毎年5,000~6,000脚ほど販売されており、見た目の美しさ、座り心地、丈夫さ、買える価格であることなど、さまざまな要素が人気につながっています。

 

 

魅力② バリエーションが豊か

 

Yチェア


引用元画像:https://shop.carlhansen.jp/shop/types/chairs/ch24/c-23/c-97


Yチェアの魅力と言えば、デザイン、座り心地も去ることながらバリエーションの豊富さもまた、魅力の一つです。ナチュラルのフレームには、ピーチ・アッシュ・オーク・チェリー・ウォールナットの5種類から。仕上げや塗装にもバリエーションがあります。またペーパーコードもナチュラルとブラックから選択可能なんです。

 

これだけバリエーションが豊かですと、どんなデザインの部屋にも馴染みやすく、部屋のイメージに合わせて選ぶことが可能です。

 

 

魅力③ くつろぐための椅子

 

Y

引用画像元:https://www.sempre.jp/item/464611/

 

日常で使用する椅子の座り心地は何よりも大切なポイントです。椅子を一つとってもくつろぐための椅子、勉強するための椅子、食事をするための椅子など使用用途によってデザインはさまざまです。Yチェアはゆったりとした背もたれを持つことから、くつろぐために最適なデザインとされています。横を向いたり、背に向かって座ったり、体の自由が効くことも人気の理由です。背もたれは、丁寧に一つずつスチームで曲げ木加工で製作されています。

 

さらに、安定性が高いことも重要な要素です。高齢者が立ち座りをしても安定しており、子どもが椅子の上で暴れ回っても倒れることはありません。

 

 

魅力④ 購入できる価格であること

 

Ychair
引用元画像:https://shop.carlhansen.jp/y%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%A2_production/

 

Yチェアはウェグナーがデザインした椅子の中でも、かなりリーズナブルな価格設定になっています。(約10万円ほど〜)耐久性や品質を考えても、この価格で購入できるというのは非常にコストパフォーマンに優れています。そこには、生産工程の多くを機械によって対応していることがあげられます。

 

Yチェアは100以上の製作工程を経て制作されていますが、手作業で行うのは、各パーツの組み立て作業とペーパーコードの張り作業のみ。その他の工程、各パーツの成形、加工などは正確に品質を維持しつつ大量生産に対応できるよう、制御された機械により制作されています。クラフトマンシップと機械の導入をうまく組み合わせていることが、コストパフォーマンスの良さを実現しています。

 

 

魅力⑤ 一生大切にできる家具であること

 

 

Yチェア最大の魅力は使い込めば使い込むほど色に深みが出て、経年変化を楽しめることです。座面のペーパーコードは張り替え可能なので、張り替えれば何十年と長く使い続けることができます。親から子へ受け継いでいきたい家具です。


知れば知るほど奥深いYチェア。ただ座るためだけのツールとして、デザインがなんとなくいいからなどではなく、こうした誕生背景や特徴を知っていくことで、大切に長く使えるものを選ぶためのヒントになるのではないでしょうか。

 

今後も定期的に、デザイナーズチェアの魅力についてご紹介していきます!次回もお楽しみに。