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おだやかな商店街の通りにたくさんの花や植物で彩りをくわえる、小さなお花屋さん。
今回は、名古屋市名東区の西山商店街にある複合施設「NISHIYAMA NAGAYA(ニシヤマナガヤ)」にある「草木花の店 たんぽぽ」をご紹介します。
西山商店街を盛り上げようと立ち上がったプロジェクトによってオープンした「NISHIYAMA NAGAYA」。昨年秋のオープンから1年が過ぎたばかりの新しいショップです。
「たんぽぽ」は1階の一角にお店を構えており、ほかには焼菓子店やコーヒー店が集まった街の人たちの憩いの場となっています。
店頭には彩りあざやかな生花と緑豊かな植物たちがずらっと並んでいます。
季節ごとに店頭を彩る花は異なりますが、どれもやさしいナチュラルテイストのものばかり。並んでいるお花や植物たちを眺めていると、自然と心が安らいでいく素敵な空間です。
「自分のお店を持って生きる」という
選択肢をこどもに伝えたかった。
小川さんはとても気さくでチャーミング。お話していると楽しくなってしまって、つい時が過ぎるのを忘れてしまいました。そんな小川さんに、なぜ花屋をはじめようと思ったのか、きっかけなどについてお伺いしました。
– 花屋をはじめたきっかけを教えてください。
小川さん:「もともとお花が好きで、会社勤めをしながら休みの日はお花屋さんでアルバイトをしていました。その後に会社を辞め、本格的に花屋一本で働くことに。そのころ働いていたお花屋さんがお店で働く人たちの自立を助けてくれる環境だったので、花の仕入れについて行ったりいろいろなことを学ばせてもらいました。また、先輩たちが個人でお店を持っていたので、自分でお店を運営することに抵抗がなかったんです。
その後は結婚・出産を経て少し仕事をお休みしていたのですが、会社勤めだけではなく自分の力でお店をやる道もあるんだよということを子供に伝えたくって……。新たに自分でお花屋さんをはじめることにしました。」
– NISHIYAMA NAGAYAに入店するまでの経緯はどのようなものだったのでしょうか。
小川さん:「通っていた寄せ植え教室の先生に『まずは自宅の前からはじめてみては?』とアドバイスをいただき、最初は自宅の前からはじめてみました。そのうちにマルシェに出はじめ、徳川園で開催されたクラフト市に出てみないかと声がかかるようになり、その後は三越さんの催し物に出させてもらったり……。ただ在庫が余ってしまうのがとても気がかりで、やはりお店を構えないとという想いから、商店街での出店を考えるようになりました。ちょうど西山商店街の一角を借りて週に3回ほどお店を出していたんですが、ニシヤマナガヤプロジェクトの話があがった際にそこで花屋をやらないかとお声がけをいただき、めでたくお店を持つことになりました。」
素敵なご縁があって、目標であったご自身のお店を持つことができた小川さん。
「たんぽぽ」という店名の由来は、春夏秋冬いつどんなときでも環境にあわせて力強く咲くたんぽぽのように自分も力強く咲き続けたい、という意気込みから命名されたそうです。
仕入れの時間が一番の贅沢!
「かわいい」を重視したお花選び
小川さんの愛情がこもった店内には、可愛らしいお花や植物であふれています。
とても楽しそうに花を選ぶ小川さん。
率直に「かわいい」と思った花だけを仕入れているとのことで、お店に並ぶ花はすべて小川さんが市場にいってセレクトしたもの。「花の仕入れをしているときが、一番の贅沢な時間なんです!」と幸せそうにお話しされていました。
たんぽぽでは生花のほかにドライフラワーも豊富に取り揃えております。
できるかぎり長い時間、綺麗な状態で楽しんでもらうためにドライフラワーにしても色が抜けにくい花を選んでいるそうです。花束などオーダーされるときには、そのままドライフラワーにして飾ることのできるアレンジメントをお願いされることが多いんだとか。
今回はおまかせで、ドライフラワーとしても楽しめる花束をつくっていただきました。
徐々に仕上がっていく過程をみていると、思わず「かわいい!」と声に出してしまうほど……。魔法がかかったかのように、小川さんの手元に淡くやさしい自然の色味が加わっていきます。
可愛らしいピンクのお花がベースのボタニカルな花束が完成しました!ラッピングも小川さんセレクトの「かわいい」を追求したもの。シンプルではありますが、どんな花束にも合う花が映えるようなカラーをチョイスしています。楽しく会話をしていたら、あっとゆう間にこんな素敵なアレンジメントをしていただきました。
おひとりで運営されていてお店の規模も限られているため、店頭には厳選された花と植物だけが仕入れられています。だからこそ小川さんのあたたかな人柄があらわれた、ぬくもりを感じる魅力的な空間になっているのではないでしょうか。
スワッグにリース、アレンジメントなど
お客様の要望に応えるワークショップを開催
たんぽぽでは、店主の小川さんによるワークショップを開催しています。
小川さんが開くワークショップはとても自由な形をとっています。見本は用意せず、お客さんが作りたいものを一緒につくっていくスタイル。事前にお客さんからどのようなものがつくりたいか、使いたい花があるかなどイメージを聞き、そのイメージに近づけるような材料を集めるんだとか。クリスマスシーズンには、赤い実のついたリースをつくりたいなど……お客さんの要望にそった形でワークショップを行っています。
毎週月曜日は、NISHIYAMA NAGAYAに入っているたんぽぽ以外の店舗がお休みとなるため、ワークショップを開催していることが多く予約なしにその場で受けることもできます。なんとレッスン費は無料、使用するお花代だけで楽しめるんです!事前に予約をしなくても、ふらっと訪れたついでにフラワーアレンジメントを学ぶことができるのはとても魅力的ですね。
年末など時期によっては混み合うこともあるため、事前の予約が必要となる場合もあります。その際には、お店のWEBサイトやInstagramからお問い合わせください。
たんぽぽは西山商店街を明るく彩る、素敵なお花屋さんです。
今回の取材を通してお話をしているうちに、すっかり小川さんのファンになってしまいました!お花の手入れの仕方や長持ちの秘訣など、草木花に関するさまざまなことも気さくに教えてくれます。
チャーミングな小川さんとかわいらしい花や植物に癒されに、ぜひ足を運んでみてください!