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家づくりをする上で忘れてはいけないのが、建物の外部空間である庭づくり&エクステリア(外構)。最近では、建物は塀で囲わずゆるやかに仕切るのが主流になっています。そのため、家づくりと庭づくりは切り離せない存在です。しかし、「どこに相談したらいいの?」「金額はどのくらい?」「気をつけるポイントは?」など、家づくりよりもわからないことが多いのではないでしょうか。
そこで今回は、名古屋市天白区で庭づくり&エクステリアを手がける「GREEN STYLE(グリーンスタイル)」のオーナー・安藤嘉記さんに、庭づくりのコツについてお話を伺ってきました。今回は家づくりの際に押さえておきたい「庭づくりのコツ」を、7つのポイントにまとめてご紹介します。
【7つのポイント】
①家づくりの段階から予算を考える
②最終形をしっかりとイメージする
③日本の気候にあったものを選ぶ
④植物の数はできるだけ少なくする
⑤庭は家を引き立たせる額縁である
⑥1年に1回のメンテナンス
⑦お庭の得意な会社に依頼をする
ポイント① 家づくりの段階から予算を考える
GREEN STYLEのオーナーの安藤さん。GREEN STYLEは、「家の雰囲気、施主様の要望に合わせてどんな庭でも作ることができる」のが特徴。外構工事から植栽までトータルで提案してくれます。
すてきなお家でもお庭やエクステリアが未完成だったり、どこか残念なことってありますよね。そういった失敗をしないようにするには、どうしたらいいのでしょうか。
安藤さん:「まずはお家づくりの段階から、お庭の予算も含めて考えてください。よくお家が完成してから、見積もりを取られて予算が足りず諦められるという方がいらっしゃいます。住宅会社さんによっては資金計画の際、建物本体だけの金額で算出している場合もあるのでしっかりと確認しましょう。お庭の予算の目安としては、建物本体価格の約1割ほど。平均としては、250万円くらいですね。150〜300万円くらいの方がほとんどです。自分の理想通りのお庭をつくるためには、予算の確保がまずは何よりも大切です。」
お庭の予算相場を知っておくだけでも、考え方が変わってきます。資金計画の段階から、どのくらいのお庭やエクステリアが理想なのか、具体的にイメージをしてみましょう。
②最終形をしっかりとイメージする
そしてもう一つ最初の段階からしっかりと考えておくべきポイントがあります。
安藤さん:「お庭が完成した最終形のイメージをしっかりと持っておくことが大切です。最近はDIY同様、ご自身で庭づくりをされたいという方も増えていますが、そうした場合は特に大事なポイントだと思います。
そうしないと、買い物に行ったときに、「これ可愛い!」と買ってきても植える場所がなかったり、ごちゃごちゃとした寄せ植え状態になってしまいます。お店にはその季節の一番良い状態の草花が置いてあるので、つい欲しくなってしまうんですよね。」
施工中の現場の完成イメージを見せていただきました。
完成したお庭がこちら
安藤さん:「こんな感じにしたいというイメージや写真を数枚持ってきていただければ、あとはヒアリングをしながら3Dイメージを作成していきます。ふわふわっとしたイメージだけでも考えておいていただければ、あとは僕らプロが具体化していくのでご安心ください。
「この植物を使いたい」「このアイテムを使いたい」と数え切れないほどの写真を持って来られる方もいらっしゃるのですが、単体で考えてしまうと全体の統一感がなくなってしまいます。それよりも、こんな雰囲気が好きだなという全体イメージを明確にする方が、理想のお庭がつくれると思いますよ。」
③日本の気候にあったものを選ぶ
ここからは実際のお庭づくりのポイントをご紹介していきます。
安藤さん:「お家のデザイン同様、お庭にも流行やトレンドはあります。しかし、植物を選ぶ際には、日本の気候に合っているかという点を忘れてはいけません。例えば近年では、葉っぱが丸く、色味も可愛らしいユーカリがとても人気ですが、巨大化する上に根が細くて倒れてしまうとう特性があり、日本の気候に合っていないんです。」
日本の気候にも合うという「オリーブ」。オリーブの樹が最初に日本にやってきたのは江戸時代末期のこと。長い年月をかけて、日本の風土に適した樹木となりました。
季節ものや変わり種は、鉢植えとして楽しむのもおすすめです。
安藤さん:「変わり種ではなく、昔から日本にある植物がおすすめですね。ホームセンターなどで売っている種類は、昔からあるものなので強いものが多いんです。植物のサイズや組み合わせを変えるだけで、イメージはガラッと変わります。お庭は数ヵ月、数年で変えるものではありません。そのため、品種やデザインだけでなく、日本の気候に適していて、育てやすいかも考える必要があります。変わり種や一年草を楽しみたい場合は、「季節の植え替えゾーン」をつくるようにしています。
あとは一年を通して楽しめるかもポイントですね。例えば、春には「桜を植えたい」という要望が増えるのですが、桜の見頃は1週間ほど。しかし、桜は毛虫が付きやすく、剪定に向かないなどお手入れが大変な木でもあります。そうしたことも考慮して選ぶ必要があります。」