まちに“ひらく”人に”ひらく”。本を通して未来へひらいていく場へ。多治見のレトロビル「ヒラクビル」とは。
目次
世界と出会える「ひらく本屋 東文堂本店」
1、2階に入っているのが、ヒラクビルのキーテナント「ひらく本屋」です。ひらく本屋を手がけるのは、多治見市内で創業120年を誇る老舗書店「東文堂本店」。地域密着を目指して、多治見ならではの陶器の専門書をはじめに、ビルのコンセプトでもある”ひらく”を軸に選書されています。
立ち読みではなく、ゆっくりくつろげる空間で本に触れていただきたいという想いから、書店内には、ソファや椅子が設けられています。キッズスペースもあるので、お子様も安心して本を読んでいただけますね。
2Fでは、旧ワタナベ時計店時代に使われていた椅子が現在も使われています。「喫茶わに」のドリンクを持ち込んで、ゆったりと本を楽めます。
手書きで描かれたピクトグラムに注目!
ビルを楽しむ際にぜひチェックしていただきたいのが、場所ごとのピクトグラムです。手がけているのは、多治見市のアーティスト加藤ノブヤさん。ほっこりして、クスッと笑えるピクトグラムがたまりません。
例えば、この部屋はミーティングルームです。ピクトグラムをみてみると……。
猫たちが集会しているではありませんか!これはかわいすぎます。
こちらはトイレマークがカブトムシやライオンのオス・メスで表現されています。他にも、思わずクスッと笑ってしまうピクトグラムが散りばめられているので、ぜひ訪れる際は確認してみてくださいね!
キッチン付きレンタルルーム&シェアオフィス
ビルの2階にはキッチン付きのレンタルルームもあります!友人たちを招いたパーティーや料理教室、飲食店のポップアップストアなど、幅広い用途で使えるんです。
テーブルでは、最大15名まで座れて、プロジェクターも設置しているので会議室としてもお使いいただけますよ。
利用時間:9:00〜21:00
料金 :基本料金1,000円/1h(17:00以降は、+300円)
ビルの2階の一画は、シェアオフィスに。ネット環境や複合機、WEB会議用の個室も完備。空調は館内空調、共有の冷蔵庫、給湯室もあります。
※入居費用 30,000円〜/月(共益費別)
本屋のとなり「喫茶わに」
喫茶わには同じ商店街にある「カフェ温土」の姉妹店。
最後にご紹介するのは、ビルの1階、本屋の隣には併設している喫茶店「喫茶わに」です。本は好きなように持ち込んで自由に読めるように、気にいれば本屋さんでその本を購入することもできます。メニューは、こだわりのコーヒーから簡単な軽食、お酒までいただけるんです。
−店名の由来について、小口さんにお聞きしました。
小口さん:「本屋に併設している「喫茶わに」の名前はとても悩みました。そんなときに、『じょうずなワニのつかまえ方』という本が目に入り、ピンと来たんです。
カフェの中心には丸い大きなテーブルがあるのですが、これはもともと、メガネ屋さんのテーブルをリメークしたものなんです。生まれ変わったこのテーブルに座ると、人が輪に(ワニ)なる。友だちと集えば、まるでワニのように大きな口をあけながら、談笑するだろう。本は英語でBOOK、真ん中に輪が2つ。これは後付けですが、そんなさまざまな願いと想いを込めて、この名前を付けました。」
木のぬくもりを感じる店内は、ホッと心がやすらぐ空間です。カウンター席もあるので、お一人で過ごされたい方にとっても利用しやすいようになっています。
オーダーは受付カウンターで先払い制
おすすめメニュー
スパイスお豆とひき肉の巾着包み スープ仕立て600円
タッケジャン(韓国の鶏肉旨辛スープ)600円
実際に喫茶メニューをいただいてみました。
喫茶わにのメインメニューは具沢山のスープです。種類は「ふだんのスープ」「季節のスープ」から、主食は自家製パンor玄米ごはんから選べます。
この日は、季節のスープが完売だったので、「ふだんのスープ」をいただきました。素材の旨味を活かすため、調味料はほとんど使用しないのだとか。
どちらも素材本来のよさが最大限に引き出された、とってもおいしいスープでしたよ。季節ごとに楽しんでいただけるスープを開発中だそうなので、これも、ヒラクビルへ訪れる楽しみの一つになりますね。
コーヒー450円 喫茶店で使用している器はすべて多治見でつくられたもの。
食後のあとはドリンクを。ドリンクはノンアルコールだけでなく、アルコールもいただけるというんですから、これまた驚きです。しかも、ボトルキープまで可能なんだとか!
コーヒーはタカハシさんという日本の方が生産されたコーヒー。深すぎず、浅すぎない、程よい苦味のある優しい味わいのコーヒーでした。
ハーブティー600円
ハーブがたっぷり調合されたハーブティーもおすすめです。この日いただいたのは、ハイビスカスが入っていたので、ピンク色がとてもきれいなバーブティーでした。
気分をリフレッシュさせてくれるものや、胃腸や喉の調子を整えてくれるものなど、その日の気分に合わせて選んでみてくださいね。
今後は、「地域の人たちが集える拠点として、まちと本屋が相互に関われる場をつくり、未来へひらいていく場をつくっていきたいです。」と語ってくださった小口さん。取材へ訪れた日も老若男女問わずさまざまな方が、ヒラクビルで思いおもいの時間を過ごしてる姿が印象的でした。
一度は幕を閉じたビルでしたが、今また、新たなまちのシンボルとして歩みはじめています。