【前編】酵素玄米を毎日の暮らしの中に。「酵素玄米Labo」
目次
さまざま試練を乗り越えながらの開発
こうしてスタートした酵素玄米炊飯器の開発。しかし、吉田さんにさまざまな試練が訪れます。
吉田さん:「私は家電に関しては素人だったので、どうやってつくるのか全くわかりませんでした。家電と言えば、大手メーカーだと思い、色々なメーカーさんに電話しました。でも、まともに話をしてもらえるわけがないですよね……。さらに、当時は玄米を食べる人もまだまだ少ない時代だったので、開発したところでどれだけの人が買ってくれるかもわからない状況でした。
大手さんがダメならと、中小企業でオリジナルの炊飯器を製造している企業を探しはじめたんです。そしたら、発芽玄米用のオリジナル炊飯器をつくっている会社が愛知県にあったんですよ!それが、畔柳が当時技術部長をしていた会社です。最初は相手にしてもらえませんでしたが、半年ほど交渉し続けて、ようやく開発をスタートさせることができました。」
一号機である「酵素玄米Pro」
二号機である「酵素玄米Pro2」
こうして畔柳さんの所属する企業でつくっていた発芽玄米用の炊飯器をベースに製作されたのが、一号機である「酵素玄米Pro」。世界で初めての酵素玄米炊飯器として、2009年に誕生しました。
吉田さん:「世界初の酵素玄米炊飯器として、メディアにも多く取り上げていただき、予約注文も多くいただきました。しかし、さぁこれから!というときに、メーカーが傾いてしまったんです……。そのため、生産数は300台のみでした。
そこで、新たに開発したのが「酵素玄米Pro2」です。酵素玄米を事前に浸水したり発芽させたりすることなく、洗ってすぐに炊いてもやわらかく炊き上げることができる炊飯プログラムが評価され、特許も取得しました。」
2017年に誕生した「Labo炊飯器」
ボタンひとつで簡単に操作ができます。
吉田さん:「芸能人の方が使ってくださったり、順風満帆でした。しかし、所属していた会社の方向性が変わったことで、私の理想とするものづくりとアフターサービスができない状況になってしまったんです……。それなら、2人で会社を設立しようと、2016年に「酵素玄米Labo」を立ち上げました。
しかし、会社を離れるときに特許も開発データも置いてきてしまったので、ゼロからのスタートでした。「過去の商品を超えるいいものをつくろう!」という想いで開発したのが、2017年に完成した「Labo炊飯器」です。酵素玄米Pro2を越えるものを目指した結果、新たな2つの特許も無事に取得することができました。
あのときは悲劇だと思っていましたが、今振り返ると、悲劇の後ろにチャンスが隠れていたんですよね。」
さまざまな試練を乗り越えて誕生した「Labo炊飯器」。「1人でも多くの人に、おいしく簡単に酵素玄米を食べてほしい!」というお2人の想いが詰まった、炊飯器です。
後半では、「Labo炊飯器」の使い方や特徴。酵素玄米Laboが運営している「ラボカフェ」についてご紹介していきます。