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今回ご紹介するのは、ヒノキが香るシフォンケーキ「MASUCHIFFON(マスシフォン)」。なんと、大垣市の特産品である”枡”を丸ごと焼いているんです!手がけたのは、大垣の枡メーカー「大橋量器」がプロデュースするカフェ「masu cafe」。
ヒノキの香りのケーキ……。一体どんなケーキなのか気になりますよね。誕生のきっかけから実食レポートまでお届けします!
さっそくmasu cafeにやってきました!大垣駅南口から徒歩5分ほどの場所にあります。お店の前にはテラス席も。
さすが枡メーカーがプロデュースするカフェ!内装にも枡がふんだんに使用されています。
日本一の生産量!枡の街「大垣」
最初に少しだけ、大垣の枡についてご紹介を。
masu cafeのある大垣市は、「木枡」の生産において、全国の約8割をつくる日本一の産地です。枡は、もともと米などを量っていた日本古来の計量器です。古くは1,200年前、奈良・平城京から出土しています。
大垣で枡づくりが盛んになった背景は、かつて木曽ヒノキの一大集積地だった名古屋で枡づくりが盛んに行われていたことに関係しています。明治中期に、職人の1人が奉公を終えて、名古屋から大垣に戻ったことから、大垣でも枡がつくられるように。名古屋では徐々に枡づくりが衰退していく中、大垣の枡づくりは、太平洋戦争で街が焼け野原となった後もたくましく復興し、次第に盛んになっていきました。現在では、年間200万個もの枡を製造しているのだそう。
枡の魅力をもっと幅広い年齢層に知ってほしい
MASUCHIFFONは、大橋量器と株式会社Coneruのフードビジネスコンサルタント平塚さんと共同開発で誕生しました。誕生のきっかけや、ケーキのこだわりについて教えていただきました。
– なぜ枡でシフォンケーキをつくろうと思ったのですか?
大橋量器・伊東さん:「masu cafeをオープンして3年目を迎えました。これまで枡に馴染みのなかった若い世代にも、大垣市の特産品を知ってほしいという想いから、枡メーカーならではのケーキをつくりたいと開発しました。
また、近年問題視されている森林問題を考えるきっかけになってくれたらという想いもあります。木材を使うことは良くないというイメージを持たれている方も多いですが、実は木材を使うことは森林を守ることにつながるんです。森林は適度に間伐をすることで、健全な状態が保たれます。
こうした木製品の新たな使い方・魅力を通じて、木への興味関心を持っていただいたり、健全な森を保っていけるように木の消費を促していきたいです。」
– なぜシフォンケーキを選ばれたのですか?
Coneru・平塚さん:「枡のヒノキの香りを楽しめるケーキにしたいとオーダーをいただきました。一般的なケーキにはバターをふんだんに使うので、枡の香りが負けてしまいます。ケーキの香りをできるだけ消して、枡の香りを楽しめるのがシフォンケーキだったんです!さらに、シフォンケーキは空気をたっぷり含むので、より枡の香りが引き立つというメリットもあります。」
– 開発する上で、苦労されたポイントはありますか?
Coneru・平塚さん:「1番苦労したポイントは、木材である枡をそのまま焼くということでした。焼けてしまうのでは?という心配がありましたが、昔の文献や資料を読んでみると、カステラや和菓子を木の型で焼いていることを知りました。枡を焼くことには成功し、そこからは温度と時間との戦い。また枡は木材なので、熱伝導が悪いことも苦労したポイントですね。
焼きあがったシフォンをつるすなど、試行錯誤を繰り返しました。枡を逆さにすることで、ケーキがつぶれることなく、ヒノキの香りが閉じ込められるんです。」
MASUCHIFFONを実食レポート
では、気になるMASUCHIFFONをいただいてみたいと思います!ヒノキの葉も添えられています。
口に入れた瞬間、ふわ〜っとヒノキの香りが広がります。これは初めての体験です。アロマの効果なのか、リラックスした気持ちに。
シフォンケーキも空気をたっぷり含んでいるので、しゅわしゅわっと溶けていきます。これはmasu cafeだからこそのケーキですね!
さらに、食べ終わった枡は持ち帰ることができるんです!
枡を吊るす工程で底に穴が開いていたり、オーブンで焼くことで木の収縮が起こり、すき間が発生していることもあるので、お酒や水などは入れられませんが、小物入れやインテリアとしても◎ 大垣土産になりますね。
今回はヒノキの香りを1番楽しめるプレーンをいただきましたが、ベリー・バナナ・小倉抹茶と3種類のトッピングも楽しめますよ。※トッピング有は¥800(税別)
世界でもめずしい、枡を使ったシフォンケーキ「MASUCHIFFON」。ぜひ大垣に行かれた際には、masu cafeで味わってみてくださいね!