これがミツカンの博物館?!楽しみながらお酢を学べる「ミツカンミュージアム(MIM)」|愛知・半田

2019.1.29
ミツカンミュージアムMIM

2015年11月に完全リニューアルされた愛知県半田市にある「ミツカンミュージアムMIM」に行ってきました。”お酢”で有名な会社「ミツカン」の酢造りの歴史や、食文化の魅力などを楽しく学べる体験型の博物館です。

 

半田は酒粕からお酢をつくり出す画期的なイノベーションを生み出した地。江戸前ずしブームのきっかけにもなりました。今回はそんな半田のお酢造りについて学べる「ミツカンミュージアム」を徹底レポートします!

 

半田運河


場所はJR武豊線「半田」駅から徒歩3分、名鉄河和線「知多半田」駅から徒歩13分の半田運河沿いにあります。昔はここで工場用の水を採取したり、完成したお酢を船で運んでいたそう。ミツカンのマークがいたるところにあります。

 

ミツカンミュージアム

 

エントランス受付のある1Fエントランス

 

「ミツカンミュージアム」の見学は、スタッフ同行のガイドツアー(事前予約制)になっています。9:30〜15:30まで30分毎ごとに開催され、全館コース(90分)と、大地の蔵コース(30分)があります。人気も時間帯や週末は満席になりやすいので、お早めに!

 

今回は全5ゾーンをじっくり見学できる「全館コース」に参加しました。料金は大人300円・中高生200円・小学生100円・乳幼児無料。家族みんなで行っても、1,000円ほどで入場できちゃいます。

 

受付を済ませ、予約時間になったらツアースタート!

 

 

 

江戸時代の酢づくりが学べる
「大地の蔵」

 

大地の蔵

 

まずは「大地の蔵」ゾーンへ。

 

ここでは、江戸時代の酢造りや、現在の醸造の様子を見ることで、脈々と受け継がれてきたものづくりの精神にふれることができます。

 

半田市のある知多半島は、江戸時代から日本有数の酒造りの地域でした。酒以外にも、味噌・醤油・酢などの醸造品も盛んです。ミツカングループの創業家である中野家も、もともとは酒造家。酒造りの過程で余る酒粕の有効利用として酢造りをはじめました。

 

それでは、酢造りの工程をみていきましょう。天井や梁・柱・桶などの一部は、実際に使用されていたものだそうです。

 

酢づくりの工程(粕熟成)


当時の酢造りは9つの工程に分けられ、すべて人の手によって行われていました。お酢の原料となる酒粕を大きな樽に入れて、長時間寝かせて熟成させる「粕熟成」からスタート。

 

酢づくりの工程

 

熟成した酒粕を桶に移し、水を加えてかき混ぜます。その後、約1週間で「もろみ」ができあがります。

 

酢づくりの工程

 

もろみを酢袋にいれ、桶で圧搾して絞ります。もろみから絞り出された液が「酢もと(お酒)」です。

 

酢づくりの工程


酢もとの半分を、大きな鉄釜で温めます。できたものは「わかし汁」と呼ばれていました。

 

酢づくりの工程


わかし汁と残り半分の酢もとを、2階にある仕込み桶に移します。仕込み桶には、前回発酵したお酢が「種酢」として半分残っており、種酢の中の発酵菌が働くことで、約1カ月かけて酢もとがお酢に変化します。

 

出来上がったお酢の半分は、1階の貯蔵桶に移し、2〜3カ月ほど熟成させます。残り半分は、次の仕込みに使われます。

 

酢づくりの工程

 

酢づくりの工程

 

酢づくりの工程

 

その後ろ過したお酢は、桶に入れます。樽を縄で縛り、製品の完成。これだけの工程をすべて手作業で行なっていたなんて驚きです。

 

現代の酢造りの様子

 

フロア中央にある樽の中をのぞくと、現代の酢造りの様子をみることができました。「ミツカンミュージアム」では、実際にお酢をつくっています。工場の設備や使用する道具は大きく変わっていますが、製造原理は変わっていません。

 

酢造りに使用する道具

 

発酵室


廊下部分には、酢造りに使用する道具の展示や発酵室がありました。

 

発酵室では、ミツカンのブランド第一号「三ツ判 山吹(みつばん やまぶき)」という粕酢が実際に発酵されています。

 

酢造り職人たちの作業を体験


次のエリアでは、酢造り職人たちの作業を体験できます。

 

まずは酢を運ぶ作業に挑戦!左右の桶は合計15kgもありかなりの重さにヘトヘト……。実際の職人は3倍ほどの重さの樽を担いでいたというので驚きです。

 

酢造り職人たちの作業を体験

 

続いては、原料の酒粕を「竿ばかり」で酒粕を量る作業。片方に分銅を、もう片方に酒粕をのせて重さを量ります。つり合うようにのせるのは、なかなか難しかったです。

 

酢造り職人たちの作業を体験

 

最後は、中身が見えない樽の中のお酢の量を判断する作業。樽の天面を木槌で叩いたときの音の聞こえ方で、中身の量を確認していたのだそう。お酢の量が少ないものはカンカンとした高い音。お酢が満杯になっているものは、トントンという低い音がしました。

 

香りのひきだし


部屋の一角には「香りのひきだし」という、お酢の香りを体験できるコーナーも。ひとくくりにお酢と言っても、違う原料だと香りもかなり異なります。

 

大地の蔵コース(30分)で見学できるのは、このゾーンまでです。

 

 

 

半田の歴史を学べる
「風の回廊」

 

風の回廊

 

ガイドの方と合流して「風の回廊」へ。

 

こちらでは、ミツカンがともに歩んできた半田の情景や人々の息吹を、当時の懐かしい写真と音の演出から感じることができます。

 

暖簾

 


フロアの中央に飾られた暖簾(のれん)は、半田の山車31台分の法被をモチーフにしてつくられています。

 

 

 

ミツカンの変革と挑戦の歴史をたどる
「時の蔵」

 

時の蔵

 

続いては「時の蔵」ゾーンへ。真っ暗な部屋の中に足を踏み入れると、プロジェクションマッピングがスタートします。

 

時の蔵

 

時の蔵

 

目の前に木の巨大なオブジェが現れました。これは、江戸時代に半田から江戸までお酢を運んだ「弁財船(べざいせん)」を実寸大で再現したものです(長さ20メートル、高さ5メートル、重さ20トン)かなり大きな船ですが、これよりも大きな船で運ぶこともあったそうですよ。

 

時の蔵

 

江戸の様子

 

壁には、ミツカングループの歴史が絵巻物のように描かれ、ミツカンの変革と歴史を学ぶことができます。

 

実は江戸前ずしとミツカン粕酢には深い関係がありました。江戸では、今の握りずしの原型である『早ずし』が流行。当時はまだ高価だった「米酢」が使われていたので、粕酢にすることでもっとおいしく手軽なすしがつくれると、又左衛門は江戸への売り込みを開始します。米酢よりも甘みと旨味のある粕酢は、すしによく合うと瞬く間に人気をはくします。

 

江戸っ子のハートをつかんだ握りずしの大ブームとともに、又左衛門の粕酢は江戸前ずしに欠かせないものとなっていったのでした。

 

ガイド

 

このようなミツカンの歴史を、パネルを使いながらガイドさんがていねいに説明してくれます。歴史のすべてを紹介するのではなく、抑えておくべき部分をピックアップしてくれるので、堅苦しさもなく楽しく学ぶことができました。

 

弁財船

 

弁財船

 

階段で2階へ上がり「弁財船」の甲板に乗り込みます。まさか乗れるとは思っていなかったので、ワクワクが止まりません。

 

室内が暗くなり目の前の壁でCGアニメーションがスタート。半田から江戸へのお酢の運搬の様子が、軽快な音楽とアニメーションで表現されています。

 

CGアニメーション

 

航海のシーンでは、風が吹き雷が光ったり、実際に船に乗っているような感覚になります。テーマパークのアトラクションのような楽しさ!

 

 

 

日本の食文化に触れる
「水のシアター」

 

水のシアター

 

水のシアター

 

「水のシアター」は、映画館のような空間でした。ミツカングループのグループビジョン・スローガン「やがて、いのちに変わるもの。」を表現した映像が映し出されます。

 

 

 

楽しくお酢造りを学べる
「光の庭」

 

光の庭

 

最後は「光の庭」ゾーンへ。さまざまな体験を通して、食の魅力を楽しく学ぶことができます。おそらくお子さんはこのゾーンが一番テンションがあがるのではないでしょうか。

 

お酢ドリンクバー


まずは「お酢ドリンクバー」。お酢ドリンクのはちみつりんごと、ブルーベリーをいただいました。(なんとおかわり自由!)

 

すし大陸

 

すし大陸


そしてまず目に飛び込んできたのは、大量の握りずし!

 

「すし大陸」と名付けらたテーブルには、20種類以上の握りずしが1,000貫以上並びます。テーブル側面の引き出しの中は、すしの豆知識が紹介されていました。フォトスポットとしても大人気。

 

味ぽんスタジオ


続いては、「マイポン酢」がつくれる「味ぽんスタジオ」へ。味ぽん(¥200)を購入しスタートです。

 


4種類のラベルデザインから好みのものを選びます。「はい、ポーズ!」。

 

マイポン酢

 

マイポン酢


購入した「味ぽん」にラベルシールを貼り、「マイポン酢」の完成です。おしゃれな箱も付いているので、お土産にもよさそうですよ。

 

なりきりすし屋さん

 

なりきりすし屋さん

 

こちらは「なりきりすし屋さん」ブース。紙粘土をしゃりに見立てて、すしを握ります。「へい、お待ち〜〜〜!」という掛け声とともに、すし下駄へ。すしの握り方を楽しみながら学べると、お子さんたちに大人気でした。

 

なべエクササイズ


他にも、ダンスのように身体を動かすゲーム「なべエクササイズ」や、

 

フォトすポット


自分の身体を使って「す」の文字を完成させる「フォトすポット」なんかもあります。こちらはSNSでもお馴染みですよね。

 

 

 

ここでしか買えないアイテムも!
ミュージアムショップ

 

ミュージアムショップ

 

最後は、ミュージアムショップへ立ち寄りましょう。ミツカン創業のお酢「三ツ判山吹」や、ここでしか買えない数量限定醸造のお酢「千夜」といったプレミアムなお酢もありますよ。エントランスとつながっているので、ツアー参加者ではなくても立ち寄ることも可能です。

 

ミツカン創業のお酢「三ツ判山吹」ミツカン創業のお酢「三ツ判山吹」

 

「ミツカンミュージアム」オリジナルグッズ

 

「ミツカンミュージアム」オリジナルグッズ
「ミツカンミュージアム」オリジナルグッズも。

 

ミツカンミュージアム

 

想像以上にボリューム満点の見学ツアーでした。ガイドツアーと聞くと、少し小難しい印象がありましたが、終始楽しく過ごすことができました。これだけの内容で、入場料300円はお得すぎます!

 

大人だけでなく、子どもも、家族みんなで学べる博物館です。楽しくミツカンの歴史や、酢造りの奥深さを学んでみませんか。ミツカンは「半田赤レンガ建物」や、半田の食文化とも深いつながりがあります。半田へおでかけの際には、ぜひ最初に立ち寄っていただきたいスポットです。

 

【ミツカンミュージアム(MIM)】※見学は事前予約制となっています。
住所   :愛知県半田市中村町2-6 MAP
電話番号 :0569-24-5111
営業時間 :9:30〜17:00
定休日  :木曜日(木曜日が祝日の場合は開館、翌金曜日が休館)、年末年始
駐車場  :第一 約40台 、第二 約100台(バス8台有)

http://www.mizkan.co.jp/mim/