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「日本で一番暑い街」として、全国で知られている岐阜県多治見市は、古くから「美濃焼」の産地として栄えてきました。そんな、地元の陶芸家のつくった美濃焼の器で食事がいただけるのが、「うつわとごはん カフェ温土(以下:温土)」です。2010年7月のオープン以来、地元のみならず、遠方から訪れる方々にも愛されている人気店です。
場所は多治見駅から徒歩5分ほど、「ながせ商店街」の中に温土はあります。
グリーンと木を基調とした店内はあたたかみのある空気が流れています。ランチ時には、満席になることが多いのだとか。
お子さま連れでも安心の、座敷席も完備。席数は30席ほどなので、ゆったりと時間を過ごすことができます。
入り口付近には、ギャラリーと工房も併設しています。
ギャラリーでは、若手の作家さんが作品を披露する場としての役割も担っています。
陶器だけじゃなくアクセサリーや小物も。
温土の大きな特徴は、美濃焼の陶芸家たちがつくった器で食事をいただけること。ギャラリーも併設しているので、使用して気に入った器はその場で購入していただけます。
かわいらしいくまの器たち
実際にカフェで使用しているからこそ、実際に使ってみると使いづらい……。お料理に合わせづらい……なんてことがありません。スタッフさんたちが、吟味した選りすぐりの器が店内には、セレクトされています。
食後にのぞいてみてくださいね。
オープンのきっかけ
多治見まちづくり株式会社の小口英二さん
温土を運営するのは、多治見を中心にまちづくりを行う「多治見まちづくり株式会社」。マネージャーの小口さんにオープンのきっかけをお伺いしました。
小口さん:「多治見まちづくり株式会社」が設立されたのは2001年のことです。以来、多治見市の中心市街地の活性化を目指して、事業展開を行っています。
多治見まちづくり株式会社では、ながせ商店街の空き店舗を利用してさまざまな事業を展開しているのですが、飲食店の第一号として、オープンしたのが「うつわとごはん カフェ温土」です。
当時、商店街の中には、気軽にふらっと集まれるような場所がほとんどありませんでした。そこで、まずは地元の人が集まることができる、情報発信や交流の拠点になる場所をつくることを目指しました。
また、陶器が盛んなまちであるにも関わらず、多治見駅周辺には、陶芸体験ができるところが少なかったんです。なので、店名にある通り、温土では、地元の陶芸家さんがつくった美濃焼の器で食事を提供し、陶芸体験ができる工房も併設しています。」
店内では、多治見で活躍されている陶芸家さんたちの器がバリエーション豊かにそろえられています。
−温土のオープン以来、大きな変化ありましたか?
小口さん:「何よりも地元の方が、気軽に集まってくれるようになったことがうれしいですね。ボジョレーヌーボーの解禁日には、商店街の人たちが集まって、みんなでパーティーをしたり、会議があれば遅くまでここで話合いをしています。
定期的にワークショップや陶芸イベントも開催しているので、地元の方だけでなく、多くの方にこの商店街へ足を運んでいただけるきっかけができました。2019年3月には、「ヒラクビル」や温土の姉妹店として、「喫茶わに」オープンしたので、今後も少しずつですが、多治見の魅力を伝えていけるまちづくりをしていきたいと思っています。」