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今回ご紹介するのは、名古屋市天白区植田にあるパン屋「ブランジェリーぱぴ・ぱん」。
看板商品はフランス仕込みのバゲット。本場フランスで食べたバゲットのおいしさに衝撃を受けた、店主の笠間さん。まだ日本ではバゲットを日常的に食べる習慣がなかった15年以上も前から、「おいしいバゲットを日本に届けたい」という想いでパンを焼き続けています。
今回は、そんなバゲットへのこだわりからおすすめパンまで、たっぷりとお届けします。
場所は、地下鉄鶴舞線「植田」駅から徒歩1分ほど。駅近のパン屋さんは、朝の出勤時に、帰り道の途中にと、立ち寄りやすいですよね。
緑の扉を開け店内に入ると、焼き立てパンのおいしそうな香りとともに、「愛知コッペ焼きあがりました〜」という店員さんの元気いっぱいな声に包まれました。
おいしいバゲットを日本に届けたい
まずは、店主の笠間さんに、ぱぴ・ぱん誕生のきっかけや想いをお伺いしました。パン屋をはじめる前は東京でサラリーマンとして働かれていたという笠間さん。なぜ、パン屋をはじめられたのでしょうか。
笠間さん:「自分の手で何かをつくる仕事がしたいと、脱サラしました。そして、妻を連れフランスに渡り、2年半パンづくりの修行をすることに。
そこで、初めてフランスでバゲットを食べたときの衝撃は今でも忘れられません。形・表情・食感・香り・風味、たった4フランのバゲットに完全にノックアウトされてしまったんです。「おいしいバゲットを日本に届けたい」その想いでパン屋をオープンすることにしました。」
笠間さん:「しかし、開店当時の2003年は名古屋では食パンが主流。バゲットを食べる文化がありませんでした。売れるようになったのは、2〜3年してからですね。
なので、必死でおいしいバゲットの食べ方を伝えるようにしました。カットしたあとに、煮込んだ野菜と一緒に食べたり、スープにつけたり、ジャムをつけたり。バゲットをスライスして野菜や季節の具材をのせたタルティーヌは、今でもお店の看板メニューです。」
対面式販売で生まれる、
お客さんとのコミュニケーション
ぱぴ・ぱんは、まるでケーキ屋さんのような対面販売式。ここにもフランスで修行された笠間さんだからこそのこだわりがありました。
笠間さん:「開店当初から、ぱぴ・ぱんでは対面式販売を採用しています。ヨーロッパでは、こちらが一般的。自分でトングで取るスタイルは、日本独自のものなんです。
対面式だと、お客さんとのコミュニケーションが自然に生まれます。新メニューの話、パンのおいしい食べ方、常連さんと交わす何気ない会話。お客さんと直接話すことができるので、パンの紹介もできますし、好みに合わせておすすめすることもできます。対面販売のスタイルは、ぱぴ・ぱんで修行して独立した人たちにも受け継がれています。」