【前編】いちばん好きなことをしよう!岐阜県安八町をアートの町へ。「RoamCouch」が描くウォールアートの世界
目次
地元へ恩返しをしたい。無償で壁画を描く
「エモーショナル・ブリッジ・プロジェクト」
2014年からは海外だけでなく、安八町を盛り上げるため、地元安八町で無償で壁画を描く「エモーショナル・ブリッジ・プロジェクト」を始動。町の至るところで小川さんの絵をみることができるんです。
小川さん:「海外のアーティストたちってアートを通じて地域を活性化するための活動に取り組んでいる方が多いんです。
僕にも何かできることはないかな?って考えたときに生まれ育った町へ帰って恩返しがしたいと思いました。拠点を海外へ移そうかと考えていた時期だったのですが、地元に戻り家を建て、活動拠点を岐阜へ移すことにしたんです。」
小川さん:「ヨーロッパやハワイのカカアコ地区もそうなですが、もともと元気がなかった町や治安が悪かったところが、ストリートアートによって元気を取り戻していく事例が世界には多くあります。それってここ安八でも同じようにできると思ったんですね。
最初は、描かせてくれそうな場所を見つけては、直接交渉をしてお願いをしました。そのうち描いて欲しい、とお声をかけていただけるようになり、今では安八を中心に14点の作品を見ることができますよ。」
小川さん:「あるとき作業をしていたら、年配の方が僕に話かけてくれたことがありました。「これを描いてるのはあなたですか?」と。その方は僕の作品や雑誌の切り抜きをファイルにしてくれていて大事に集めてくれていたんです。そのときに、僕が一人で勝手にはじめたこの活動だけど、ちゃんと見てくれている人はいるんだなって思えたんです。
最近では町の高校生たちがスマホで撮影をしてくれていたり、次はどこに描くの?と声をかけてくれる人が増えました。最近では、自転車で作品巡りをして投稿してくれる方も増えてきて、とてもうれしいですね。」
小川さん:「誰かが一人ではじめたことが、次第に賛同されて想いを汲み取ってくれる人たちって絶対にいると思うんです。エモーショナルブリッジプロジェクトはまだまだ知られていない存在ですが、いつか多くの人の目に止まって観光誘致のきっかけや、夢へつながるきっかけになればいいなって思っています。そのためにもこの活動はこれからも続けていきたいですね。一時は身体を壊して仕事もできなくなった時期があった僕だからこそ、夢は挑戦し続ければ叶うということを活動を通じて伝えていきたいです。」
「RoamCouch(ロームカウチ)※」という名前には、とてつもない感動や、人生を変えるようなものでなくてもいい。ホッと座れるような、ちょっと不思議で、いつもと違う色の景色がみえたりしてくれたらいいなという小川さんの想いが込めれています。
※直訳すると彷徨える椅子
その言葉通り、どの作品もうつくしく、どこか不思議でなんだか落ち着く魅力があります。まずが安八町の作品を中心に小川さんの作品い触れてみてください!
次回は実際に壁画巡りをしてきましたので、その様子をお届けいたします!