世界に一つだけのインテリア「手織ラグの店 クラフトワーク」
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目次
覚王山日泰寺の参道沿いに店舗を構える「手織ラグの店 クラフトワーク」。店主の安藤ラミンさんが、現地で直接買い付けた美しいキリムやギャッベなどのペルシャ絨毯が並びます。
今回は「キリム・ギャッベ・ペルシャ絨毯の違いはなに?」「選び方のコツ」など、素朴な疑問から、ラグにまつわる深い話までお聞きしてきました。
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お店があるのは、覚王山駅1番出口から徒歩5分ほどの場所。日泰寺の参道沿いにあります。
店内には大小さまざまな大きさのラグが並べられています。
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絵柄も一つずつ異なります。
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クッションカバーや雑貨も。
ペルシャ絨毯の世界に魅せられて
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オーナーの安藤ラミンさん
イラン出身のラミンさん。なぜ、覚王山にお店をオープンすることになったのでしょうか?最初に、お店の経歴をお聞きしました。
ラミンさん:「私がギャッベに出会ったのは、日本のデパートで見たことがきっかけです。私はイラン出身ですが、自分の国の民族たちがギャッベをつくっていることを知らなかったんです。そこから、どんどんキリムやギャッベといったペルシャ絨毯の世界にのめりこんでいきました。
次第に、イランの伝統を日本人に少しでも知ってもらいたい!そんな想いから、妻とともに徐々に仕入れルートを開拓していくようになったんです。2003年にウェブショップとしてお店をオープンし、その後、縁があって2004年にこの場所で念願のお店をオープンすることになりました。」
ペルシャ絨毯・キリム・ギャッベとは?
−ペルシャ絨毯・キリム・ギャッベの違いってどんなところですか?
ラミンさん:「ペルシャ絨毯と一言にいってもさまざまな種類があり、キリム・ギャッベもペルシャ絨毯の一部になります。皆さんがよく思い浮かべるペルシャ絨毯はイランの各地の工房でつくっており、図面の通りに織り込んでいきます。各担当がいて、それぞれのプロフェッショナルたちによって一つの作品を作り上げていくのが一般的です。」
「一方、キリムやギャッベは図面がありません。ペルシャの遊牧民たちが半年ほどの時間をかけて織り上げていきます。大きな違いは、キリムには毛足がなく、厚さも4㎜~7㎜程と薄い点です。
ギャッベは15mm~25㎜程厚みがあり、ふかふかとしています。夏は蒸れるんじゃないの?ってよく聞かれるんですが、ウールは通気性が高いので、夏は涼しく、冬は暖かく過ごしていただけるんですよ。それに、羊毛は油分を含んでいるので、撥水性があり、多少水をこぼしても弾いてくれます。小さなお子さんがいる家庭にもおすすめです。」
−お手入れ方法はどうしたらいいですか?
ラミンさん:「よく汚れたらいけないと壁に掛けて飾る方もいるんですが、遊牧民が日常で使うものですからすごく丈夫なんです。どちらも50年は平気で保ちますよ。お手入れは、掃除機で十分。大きいものだと洗うのは大変ですが、キリム、ギャッベともに洗うことができます。踏み込んでいく度にツヤと光沢がでてくるので、経年変化が楽しめるのも大きな魅力です。」
詳しいお手入れ方法についてはこちらをご参照ください。
・ギャッベのお手入れ方法
https://www.craftworkjp.com/cg-oteirehouhou.htm・キリムのお手入れ方法
https://www.craftworkjp.com/kilim-howtowash.htm
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現地での様子
−買い付けには年に何回行かれるのですか?
ラミンさん:「買い付けには、年に2回行っています。遊牧民たちは、移動をしてしまうので、いつも同じ場所にいるわけではありません。ですので、毎回彼らたちがどこいるのかを探すことから買い付けがはじまります。
多くのお店では、手元に渡るまでに複数の業者を介すので、値段が倍以上になっていることもあります。しかし、クラフトワークでは、私が一点一点現地で厳選して織り手から買い付けをするので、確かな品質のものを、お値打ちな価格で提供することができています。」
−ラグを選ぶ際にコツがあれば教えてください。
ラミンさん:「皆さんお部屋のインテリアに合わせて選ばれるんですが、私がお客様によく言うのが「インテリアには合わせないでください」ということです。自分がいいと思ったもの。気にいったものを購入するのが大切です。ラグには、無地のようなシンプルなモノから、動物が描かれたものなど、さまざまタイプがあります。
どれも、遊牧民の女性たちが時間をかけて織り込んだものです。そこには彼女たちの夢や希望が詰まっています。同じような色味に見えるものでも、一つとして同じものはありません。ですので、自分の直感を信じで、これだ!って思えるお気に入りのものを選ぶことが、長く大切にしたいと思えるラグ選びのコツですね。」
お話を聞けば聞くほど、面白いペルシャの世界。ここからはキリムとギャッベ、それぞれの魅力やデザインについて詳しくご紹介していきます。