「夜来香 栄本店」は焼き餃子のおいしさを名古屋に広めたパイオニア!

名古屋 中区栄
掲載日:2023.05.02
「夜来香 栄本店」は焼き餃子のおいしさを名古屋に広めたパイオニア!

昭和30年(1955)創業の老舗中華料理店「夜来香 栄本店(えいらいしゃん さかえほんてん)」。皮はパリっ、中はフワっとした食感の焼き餃子が名物です。

店の歴史を紐解けば、名古屋に焼き餃子を広めたパイオニアであることも判明。歴史を感じる趣深い町中華で、店自慢の味を堪能します。

※2023年4月取材時の情報です

皮はパリっ、中はフワっ
野菜たっぷりの名物・焼き餃子

名古屋のメインストリート・広小路通から一本逸れた、飲食店が立ち並ぶ小路に佇む「夜来香 栄本店」。店先に並べられた食品サンプルが、なんともいい味を出しています。

白いテーブルクロスや直線的な形をした椅子、オーダーを厨房に伝える札など、店内にはどこかノスタルジックな雰囲気が漂っています。

焼き餃子(1人前10個450円※写真は2人前)。中央に盛り付けられているのは春雨

「夜来香」を訪れたら、マストでオーダーしたいのが「焼き餃子」。美しく円形に盛り付けられ、見た目もインパクトがあります。皮はパリっ、中はフワっとした食感が特徴。

餡にはキャベツと玉ねぎがたっぷり入っています。ニンニクは少量のみ使用されており、クドさはほとんどゼロ。合挽肉、野菜ともに国産で、割合は2:8と野菜たっぷりです。皮は薄めで一つひとつが小ぶり。一軒目で飲んだ後に訪れたとしても、ペロッと平らげられそうな味わいと食感です。

もうひとつ特筆すべきなのが、通称「夜来香握り」と呼ばれる餃子の包み方。時間を短縮し1日に多くの餃子を提供するために、通常のように皮をしっかり包まないのが特徴です。多いときは一日に12,000個作るときもあるとのことで、理にかなった包み方と言えそうです。

特別に作業を見せていただくと、店員のお母さんの手によってテンポよく、リズミカルに餃子が包まれていきます。訊けば50年近く(!)餃子を包み続けているとのこと。「熟練の技」とは、まさにこのことでしょう。

「夜来香」の歴史を紐解く

創業者である小縣新一郎さん

「夜来香」は、名古屋で初めて焼餃子の提供をはじめた中華料理店と言われています。

創業者である小縣新一郎(おがたしんいちろう)さんは明治大学に入学し、その後皇族関係者の運転手を務め、戦時中は近衛兵(このえへい)として中国へ渡っていたそうです。

昭和30年代の「夜来香」の様子。店名は小縣さんが中国滞在中に知り合った女優・李香蘭が歌った『夜来香』に由来する

日本に帰国後は靴磨き店、バー、うなぎ料理店などを開業。昭和30年(1955)、バーだった建物を中国料理店に改装したのが「夜来香」のはじまりです。

 

名古屋には当時、水餃子店は存在したものの、焼き餃子店はなかったとのこと。小縣さんは社員とともに大阪や東京まで赴き、当時珍しかった焼餃子を研究。その末に名古屋初の焼き餃子が生まれたのです。

「夜来香」の魅力は餃子のみにあらず!
豊富なメニューでおもてなし

名物の餃子以外にも「町中華の定番」が一通りラインナップされています。卓上のメニューを広げて、何を食べようか迷っている時間も楽しいもの。

夜来香定食(1,000円)

おすすめのひとつが「夜来香定食」。八宝菜、バンバンジー、酢豚、漬物がワンプレートにたっぷり盛り付けられています。このボリュームでたったの1,000円とは驚き!定食ではありますがビールのアテにも最適で、コストパフォーマンス抜群です。

夜来麺(650円)

「夜来香」は実は麺料理もうまい!そのひとつ「夜来麺(えーらいめん)」は、野菜がたっぷり乗せられた一品です。厳選された小麦を組み合わせて作られた麺は風味豊かで、ラーメン専門店にも引けを取りません。スープのとろみも程よく、重たさを感じないのもポイント。

70年近く名古屋の街で愛される、老舗中の老舗「夜来香」。餃子を包んでいたお母さんをはじめ、長く働いている店員さんが多く、飾らずアットホームな雰囲気も人を惹きつけます。お腹も心も満たされ、店を後にするのでした。

スポット詳細

【夜来香 栄本店(えいらいしゃん さかえほんてん)】
住所   :愛知県名古屋市中区栄3-2-112
電話番号 :052-241-4050
駐車場  :なし
web :https://eiraishan.com/
Instagram:@eiraishan.honten
facebook :なし

名古屋市在住の編集・ライター。旅、グルメ、温泉、レジャーを中心に様々なジャンルの記事を執筆している。とくに国内旅行はライフワークであり、全国津々浦々を探訪。地のおいしい食材との出会いを楽しみにしている。旅先ではお酒を嗜みたいため、基本は鉄道移動。「青春18きっぷ」を使った過酷な旅も厭わない。また、「サウナ・スパ健康アドバイザー」の資格も保有し、サウナ施設やスーパー銭湯にも足繁く通っている。

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