名古屋で最も古い商店街の一つ、円頓寺商店街。アーケードのある、昔ながらのお店が立ち並ぶ中、新しいお店も増えてきて商店街の様子が少しずつ変化しています。
2023年6月10日にオープンしたクラフトビールと広東料理のお店「ENDOJI BREWING(エンドウジブルーイング)」もその一つです。天井まである大きなガラス窓が印象的で、商店街の中でもひときわ目を引きます。
全国各地のクラフトビールを厳選して、12個あるタップから注ぎたてを味わえるという贅沢。手間暇かけたこだわりの広東料理とともに楽しめるENDOJI BREWINGを今回はご紹介します。
※2024年3月取材時の情報です。
目次
店長の橋本さんとシェフの戸田さんにお話を伺いました。
シンプルな店内で、開放感ある立ち飲みスタイル
商店街の中でもひときわ目を引く外観から「なんの店だろう?」とついつい足を止めてしまいます。天井まである大きなガラス窓から中を覗くと12個のビールのタップがずらり。名古屋市内のクラフトビールが飲めるお店でも、これはかなり多い数です。
シルバーに光るL字型のカウンターとオープンキッチン。その奥には、ビールの醸造用の発酵タンクが並んでいます。白タイルで明るく、シンプルですっきりした店内。窓が大きいので圧迫感がなく、とても居心地がいいです。ふらりと立ち寄れる気軽さがあり、早い時間から営業しているので、さまざまなシーンで利用できます。
「こだわり」がたくさん詰まったお店づくり
オーナーとクラフトビールの出会いは、20年近く前。きっかけは、海外に住んでいる友人から勧められて飲んだクラフトビールだったそうです。そのビールのおいしさに、「いつかクラフトビールのお店を出したい」と決意。クラフトビール造りを一から学び、お店オープンの準備をスタート。
そして、2023年に念願のお店を出店。場所は、ご縁がつなげてくれた円頓寺。他の飲食店も経営されているオーナーの「こだわり」がたくさん詰め込まれたお店となりました。厳選したクラフトビール、絶品の広東料理、気軽に寄れる立ち飲みスタイルなど、随所にこだわりのポイントがあります。
そのこだわりはクラフトビールのグラスにも。珍しい、うすはりのグラスです。ビアジョッキのような厚みのあるグラスとは違い、繊細で口当たりがソフト。細かな心遣いがより一層ビールの味を引き立てます。
一期一会!オーナーが厳選したクラフトビール
お店のビールはオーナーが実際に飲んで、感じて、「本当においしいと思ったビール」が並びます。この日のビールだけでも、アメリカ、東京、カナダ、和歌山、北海道、岐阜……まるで各地を旅している気分です。中には、他ではなかなか飲めないビールのブルワリー(醸造所)同士のコラボ銘柄などもあります。
− 毎日ビールが入れ替わると言うことですが、本日のおすすめはありますか?
橋本さん:「”おすすめビール”と言うのは無いんです。お客様の好みに合ったビールをお選びいただけたらと思います。選び方がわからないお客様には、お好みを伺いながらご提案させていただきます。メニューは毎日更新しています。次に同じビールが必ずあるわけではないので、一期一会を楽しんでいただけたらうれしいです。」
今回そんな橋本さんに選んでいただいたビールは、この2つ。
一つ目は、MAINE EVENT(Magnify Brewing@ニュージャージー)。柑橘の香りが爽やかで、すっきりとした飲み心地です。クセがあまり強くないので、クラフトビールが初めての方でも飲みやすいクラフトビールでした。
二つ目は、NOM CLASSIC WEISEN(NOM CRAFT@和歌山)。鼻に抜けるバナナの香りが豊かで、とても濃厚で飲み応えのあるビールでした。いわゆる白ビールの中でも、ひときわクリーミー。でも後味がフルーティなので、続けて飲みたくなります。
絶品!こだわりの広東料理
ENDOJI BREWINGは、料理にもこだわりがたっぷり。「広東料理」とは、中国南部や香港などに伝わる料理のこと。ENDOJI BREWINGでは、本格的な広東料理を提供するため、専用の焼き釜を設置しています。遠赤外線でじっくりと焼き上げた肉料理は絶品で、ビールにぴったり。
− これは、この焼き釜で作っているんですか?
戸田さん:「そうです。肉を吊るして、遠赤外線効果でじっくり焼き上げ、余分な油を落とします。この皮付き豚バラのカリカリ焼は結構手間がかかってて、仕込みに二日くらい、焼き上げに1時間くらいかかります。豚肩ロースの釜焼チャーシューは、中国の甘い味噌などの調味料に3〜4時間ほど漬け込み、焼くのは30分以内。ほどよいタイミングを見計らいます。あとは、鮮やかなグリーンの葱山椒ソースが乗った柔らかい蒸し鶏です。ピーナッツも手作りですよ。油で揚げて、塩と山椒で味付けしています。」
カウンターにも金具で吊るされた肉の塊が並んでいます。これはオープンキッチンならではの醍醐味です。
どんなシチュエーションでも利用しやすい
「ENDOJI BREWING」
一人で気軽に立ち寄るお客さんから、広東料理を目当てに来るお客さん、2次会や3次会などのグループで来店するお客さんまで幅広いそうです。商店街という立地がら子連れのお客さんもいたりと、さまざまな年齢層のお客さんに利用されています。
− 何か予定している企画などはありますか?
橋本さん:「12個もあるビアタップ(ビールの注ぎ口)を1種の銘柄で揃えて、品種の違うビールを提供する、という企画が好評なので、またやる予定です。あとは、今度の6月の1周年で記念イベントを考えたいですね。」
− これから、どんなお店にしていきたいですか?
橋本さん:「醸造免許を申請中なので、早くお客様に自家醸造のビールをご提供したいです。その先は、他の醸造所とコラボしたビールが作れたらいいなとも思います。」
ENDOJI BREWINGの情報は、インスタグラムで随時イベント情報が更新されています。その日飲めるビールやビアタップをジャックするイベントの告知など、見逃せません。
円頓寺商店街に来た際にはぜひ立ち寄って、一期一会を楽しんでください。