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2016年10月、岡崎に誕生した小さなインテリアショップ『FILT.』。連尺通のリノベーションされたビルの3階と4階にそのお店はあります。オリジナル家具から、生活雑貨まで、シンプルでありながらも意匠の美しいアイテムが並びます。FILT.の魅力は、一人ひとりのお客様にじっくり向き合い、家具だけでなく空間全体を提案してくれる「コーディネート力」。
オープンして約一年ながらも、店舗や美容院のコーディネートを担当するなど、着実にファンを増やしているFILT.。今回は、店主の反端祐樹さんにお店に込めた想いを伺いました。
人の暮らし、人生を豊かにしたい
オーナーの反端祐樹さん。FILT.を始める前は、インテリアショップやハウスメーカーでコーディネータをされていたそう。
FILT.の店内は、北欧家具を中心に、シンプルでありながらも洗練され、どこか温かみを感じるアイテムが並び、とても心地の良い空間です。来店される方の多くが目にされるというinstgramも、FILT.の世界観が広がっています。まずは、お店のコンセプトを聞かせていただきました。
反端さん:「お店のコンセプトの一つ目は『人の暮らし、人生を豊かにしたい』ですね。北欧の工房でつくられているもの、日本の職人さんがつくるものなどは、木や土など自然の素材で出来ていてすごく暖かさがあるんですよね。そうしたものに毎日触れて生活することは、すごく豊かさにつながります。プラスチックのものばかりではなく、温度のあるもので暮らしを豊かにしたいなっていうのがまず一つあります。」
FILT.店内。3階は家具の他に、キッチンウェアやフラワーベースなどのインテリア小物もあります。
FILT.店内。4階には、ダイニングテーブル、椅子、キャビネットなど、比較的大きめの家具が並びます。
反端さん:「もう一つは『調和』です。デザイナーズ家具というとすごく奇抜なものって沢山あるんですけど、それがお部屋にいっぱいあったらどうかって言ったら、そんなに落ち着く空間ではないと思うんです。なので、空間全体をコーディネートするというのは、とても大切ですね。調和して美しい空間の中で暮らしていくと、心も落ち着きますし、人生も豊かになっていくだろうなって僕は考えています。」
その人の暮らし方で、椅子選びは変わる
店内は家具の魅力を引き立たせるシンプルなデザイン。反端さんこだわりのチェアやダイニングなどのアイテムが並びます。
続いて、反端さんが考えるインテリアの楽しみ方について伺いました。
反端さん:「インテリアは毎日触れるものだからこそ、良いものを使って欲しいなという想いがあります。特にダイニングチェアはいつも触れるものですし、良いもの・好きなものを選んで楽しんでほしいなって思います。同じテーブルでも、凛とした印象や、優雅な印象になったり。椅子一つでインテリアってすごく変わるんですよね。」
だんだんと話に熱が入り、立ち上がって椅子の説明をしてくれる反端さん。
J39(ビーチ材・ソープ仕上げ) ¥72,000(+税) / PP68(ビーチ材・ソープ仕上げ) ¥99,000(+税)
デザインだけでなく、暮らし方にも椅子は大きく影響すると言います。実際に椅子に座りながら、説明していただきました。
反端さん:「これ(写真左側)に座ると背筋がすっとして、こっち(写真右側)に座るとゆったりとなるんですよ。デザイン・見た目だけじゃなくて、椅子一つで過ごし方も変わって来るんですよね。椅子ってすごくその人らしさが出て来ると僕は思っています。行儀よくご飯を食べられる方、書き物を書かれる方、ゆったりとコーヒーやお酒を楽しまれる方、その人の暮らし方によって椅子は変わります。」
二つの椅子を見比べて見ると、左側の背筋がすっとなる椅子は、真上から見ると、一番後ろの部分と背もたれがほぼ垂直になっています。右側のゆったりする椅子は、垂直より少し後ろにあります。椅子のデザインというのは、暮らし方まで反映されてデザインされているそう。
反端さん:「見た目とか、座り心地でなんとなくで選ばれる方も多いんですが、椅子ってすごく奥深いんですよ。椅子をまず手に入れると家具の良さがすごい良くわかると思います。ダイニングテーブルなどは、体重がかかる家具ではないのでDIYなどでも良いかなと思いますが、椅子は脚の4点にすごい体重がかかります。長く使っていただくためにも、椅子にはこだわってほしいですね。」