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私たちの暮らしを支えている品物の多くが、世界各国から船で運ばれてきます。
そんな船や港について学べるが、名古屋港ポートビルにある海に関する博物館「名古屋海洋博物館」。“日本一の国際貿易港・名古屋港”をテーマに、港の役割や人々の暮らしとの関わり、名古屋港の歴史などをわかりやすく紹介しています。
クレーンの操作が体験できるコーナー、海や港のことを学べるQ&Aコーナー、ペーパークラフト教室など、家族で楽しめるコーナーも充実しているのでおでかけスポットとしてもおすすめですよ!
写真たっぷりでレポートしていきたいと思います。
名古屋港ポートビルにやってきました!
場所は、名古屋港ガーデンふ頭。地下鉄名港線「名古屋港」駅で下車して徒歩5分ほど。最上階の7階には地上53mの高さから名古屋港を一望できる「展望室」、3階と4階には「名古屋海洋博物館」があります。
港・船・海のことがわかる
「名古屋海洋博物館」
日本一の国際貿易港「名古屋港」
最初に少しだけ名古屋港についてご紹介していきます。
名古屋港は、明治40年(1907年)に開港。中部地域の海の玄関口として発展を続け、現在では世界約160の国・地域を結ぶ国際貿易港に成長しています。
取扱貨物量 1億9,444万トン(18年連続日本一)
外国貿易貨物量 1億2,638万トン(20年連続日本一)
貿易黒字額 7兆2,218億円(22年連続日本一)
完成自動車輸出台数 144万台(41年連続日本一)
陸域面積(臨海地区) 約4,288ha(日本一)※2019年現在
このようにさまざまな項目で日本一になっている名古屋港。ものづくり産業を支えているのですね。
名古屋港を2,500分の1の大きさで再現した「ライブジオラマ名古屋港」
最初のみどころは、名古屋港を2,500分の1の大きさで再現した「ライブジオラマ名古屋港」。ここでクイズです!名古屋港はいったいどのくらいの範囲までを含むと思いますか?
正解は、名古屋港ガーデンふ頭を中心に、西は鍋田ふ頭、南は新舞子マリンパークまで。想像以上に広い範囲なんです!
模型で学ぼう!「日本初の自働化コンテナターミナル」
続いては、飛島ふ頭にある「自働化コンテナターミナル」を100分の1の大きさで再現した電動模型。
このターミナルでは、日本初となるAGV(コンテナ自働搬送台車)や世界初の遠隔自働RTG(ラバータイヤ式ガントリークレーン)を導入しています。効率化を追求し、コンテナの積み下ろしが24時間スムーズに行えるようになっているんです。
船で運ばれてきたコンテナは、巨大なガントリークレーンで積み下ろしします。
AGV(コンテナ自働搬送台車)がやってきました!AGVは無人で動き、どこへ行き、どの荷物を受け取り、どこへ持って行くかはコンピュータが判断しています。
ちなみに、AGVと人との衝突を防ぐためAGVが動いている間は『メリーさんのひつじ』の曲が流れるようになっているのだとか。(模型でも実際に流れていました)
AGVが運んできたコンテナを、RTG(ラバータイヤ式ガントリークレーン)でコンテナヤードに積み上げます。
トレーラーへの積み下ろしもRTGが行います。離れた場所にある操作室から遠隔操作で動かしています。
こうした最新技術が、日本一の国際貿易港を支えているんですね!
そして、名古屋港の強みは中部国際空港と連携した「シーアンドエアー」輸送が可能なこと。
名古屋港に立地する航空機メーカーの工場でつくられた航空機の主翼・胴体は海上輸送で中部国際空港へ。そこから専用の貨物輸送機で海外に届けられています。
港の役割を知ろう!
続いてのコーナーでは、港で働く人々の仕事を通じて貨物の流れを知ることができます。港ではいったいどのようなことが行われているのでしょうか?いくつかピックアップしてご紹介します。
例えば、こちらは「水先案内人(パイロット)」。港によって潮の流れや交通ルールが異なります。そのため、港に入港する際には港の状況に詳しい水先案内人が船に乗り込んで、船長に代わって操船を指示しているんです。
こちらは検疫のコーナー。ヒトの病気だけでなく、植物検疫や動物検疫を行い国内への侵入防止に努めています。
名古屋港には、1日当たり約90隻、年間にして30,000隻を越える船が入ってきます。これらの船の安全かつ迅速に入出港は、さまざまな仕事によって実現しているんですね!
子どもたちに大人気!「おたのしみブリッジ」ゾーン
続いては、子どもたちに大人気の「おたのしみブリッジ」ゾーン。実物の舵輪やレーダーなどを使って船舶のブリッジをリアルに再現したスペースです。
船長さんになりきって、写真を撮ってみては?!
現在はコロナウイルスの影響でお休み中ですが、船の操縦体験ができる操船シミュレータもありますよ!
名古屋港を行き交う、さまざまなもの
ここまで何度も登場しているコンテナですが、実際どのくらいの大きさだと思いますか?
正解は……「20フィート(約2.4m×約2.6m×約6m)」。長さが倍の40フィートのものと2種類です。スムーズな輸送のため、外寸の大きさは国際基準で統一されているのだそう。
こちらのコーナーでは、コンテナにどんなもの積み込まれているのかが紹介されています。自動車部品・食料品・牧草・飼料・製材・衣料品など、幅広いジャンルのものがずらり。私たちの暮らしを支えている品物の多くが、世界各国から船で運ばれてきているのだと実感しました。
先ほどご紹介したガントリークレーンの操縦体験ができるシミュレーターも。地上45mからのクレーン操作を誰でもゲーム感覚で楽しむことができます。
実際に挑戦してみましたが、想像以上に難しい!大人でも楽しめましたよ。
名古屋港の技術と歩み
現在では、世界約160の国・地域を結ぶ国際貿易港に成長した名古屋港ですが、どのような歴史を辿ってきたのでしょうか。
名古屋港の歴史を語る上で欠かせないのが「グラブバケット」。
実は、名古屋港はもともと水深1mほどの浅瀬の海を掘ってできた人工港なんです。船が入れる港を建設するには、海底の土砂を掘って水深を深くする必要がありました。こちらのグラブバケットは昭和40年頃まで使用されていたものの原寸大レプリカです。
そのため、江戸時代には熱田神宮の付近まで海がありました。
明治時代に入ると、世界と貿易できる港を目指して築港工事がスタート。しかし建設反対の声も多くあがりました……。
そんなピンチを救ったのが巡航博覧会船「ろせった丸」です。築港関係者はろせった丸の入港を必死に誘致。ろせった丸の入港後、10数万人の見学者でにぎわいました。当時の名古屋の人口は約30万人。3人に1人が港を訪れたわけです。
これをきっかけに港湾の建設事業が理解されるようになりました。こうした先人たちの努力が、現在の名古屋港につながっています。
ペーパークラフトをつくろう!
館内の最後にある「ライブラリー&プレイコーナー」では、毎月第2・第4土曜日に「ペーパークラフト教室」を開催しています。名古屋海洋博物館オリジナルのペーパークラフトがつくれますよ!(どれでも1部¥100)
ご自宅用に購入もOKなので、ぜひトライしてみてくださいね。(購入はいつでも可)