【文化のみちを歩こう】優雅なティータイムも楽しめる。大正ロマンを感じる邸宅「橦木館」

2018.11.30
文化のみち橦木館

名古屋城から徳川園に至るエリアは、文化人・財界人の屋敷が連なり「文化のみち」と名付けられています。 江戸時代から明治、大正へと続く名古屋の近代化を担った文化人たちが暮らした歴史的建造物が今も多く残されています。

 

そんな「文化のみち」は、陶磁器の絵付け師や加工商が集まり、愛知の陶磁器産業の礎を築いた場所でもあります。そのことを今に伝える象徴的な建物が「文化のみち橦木館(しゅもくかん)」です。大正ロマン漂う邸宅の魅力をたっぷりとご紹介していきます。

 

 

「文化のみち橦木館」とは?

 

文化のみち橦木館の入り口

 

「文化のみち橦木館」は、陶磁器商として活躍した井元為三郎によって、1926年(大正15年頃)に建てられた邸宅です。名古屋は明治の初めには9万人前後だった人口が、大正の終わり頃には10倍の100万人を超え、東京・大阪に次いで三代都市の仲間入りをはたしました。橦木館は、そんな時代の賑わいを象徴している建物でもあるのです。

 

約600坪の敷地には、和館・洋館・東西2棟の蔵・茶室・庭園があり、大正末期から昭和初期の邸宅の特徴を色濃く残しています。橦木町につくられたことから「橦木館」と呼ばれ、現在は名古屋市有形文化財、景観重要建造物に指定されています。

 

エントランス

 

陶磁器のエントランス

 

陶磁器商として活躍した井元為三郎の邸宅というだけあって、玄関周りにも陶磁器がふんだんに使われています。輸出のために多くのバイヤーをこの邸宅でもてなしていたのだそう。

 

 

美しい日本庭園を望む和室

 

文化のみち橦木館

 

和室の廊下

 

和室

 

日本庭園

 

橦木館は、住居として使用していた「和館」と応接用の「洋館」が合わさった和洋折衷の建物です。洋館は当時の最先端のおもてなしだったそう。和室は貸室としての利用も可能で、この日も展示が行われていました。

 

茶室

 

日本庭園の一角には、2畳半中板向切の構えの茶室があります。こちらの茶室は京都から移築されたものです。

 

資料室

 

昭和初期の台所


和室の奥には、昭和初期の姿をとどめた台所をみることができます。

 

 

名古屋の陶磁器産業について学べる展示室

 

昭和初期の台所

 

洋館2階と和館にそれぞれ展示室があります。

 

森村組の下請けからはじまり、陶磁器加工問屋として事業を拡大していった井元為三郎。サンフランシスコ、シンガポールなどに支店を構え、輸入事業も手広く展開していきます。また、名古屋陶磁器貿易商工同業組合の組合長を務めるなど、陶磁器産業の発展のために多大の貢献を果たしました。

 

この文化のみち周辺は、瀬戸や多治見へ続く街道沿いにあり、堀川の船着場にも近かったことから、陶磁器の絵付けや加工業者が多く集まっていました。当時日本でつくられた輸出用陶磁器の7割以上がこのエリアで加工されていたのだといいます。

 

 

 

 

大正ロマン溢れるステンドグラス

 

サンルーム
2階サンルーム


そして、橦木館でぜひ注目していただきたいのが「ステンドグラス」。海外との交流も多かった井元為三郎のセンスが光っています。

 

橦木館のステンドグラスは、ドイツ、オーストラリアに興った分離派である「ゼセッション」の影響を受けたデザインと、アメリカン・アール・デコのデザインがさりげなく使われています。アメリカン・アール・デコの意匠は、昭和に入ってから日本中に広まり、建築をはじめ、室内装飾や生活用品など、さまざまな形で広がっていきました。橦木館のステンドグラスは、この流行に先駆けた作品です。

 

サンルームのステンドガラス

 

2階の旧娯楽室とサンルームの間に設置されたステンドグラス。ダイヤ・クローバー・スペードのマークが取り入れられています。

 

玄関のステンドグラス


玄関のステンドグラス。「文化のみち二葉館」ほどの派手さはありませんが、館内の随所にさりげなく取り入れられています。

 

旧応接室のステンドグラス

 

旧応接室のステンドグラス


受付の方から、ステンドグラスに関する素敵なお話を教えていただきました。旧応接室にあるこちらのステンドグラスには、2羽の青い鳥が描かれています。

 

青い鳥のステンドグラス

 

建具の青い鳥

 

受付付近のステンドグラスと、旧応接室の入り口のドアにも同じく青い鳥が描かれています。この2羽の鳥たちが出会った様子を描いたものが、最初にご紹介されたステンドグラスと言われているそうです。

 

 

優雅なティータイムを過ごせる
「SHUMOKU CAFE」

 

「SHUMOKU CAFE」

 

「SHUMOKU CAFE」

 

そんなステンドグラスのある旧応接室は、2018年7月にカフェスペース「SHUMOKU CAFE」としてリニューアルオープンしました。美しいステンドグラスや日本庭園を眺めながら、スリランカでも最高級の茶葉のみを使用したムレスナ社の紅茶、安心素材のイタリアンジェラートなどを楽しむことができます。

 

※カフェのみ利用の場合は入館料は必要ありません

 

【SHUMOKU CAFE】
10:30-17:00 (L.O16:30)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)
https://www.shumoku.net/shumokucafe

 

文化のみち橦木館

 

昭和初期。名古屋は日本の陶磁器産業の中心ともいえる場所でした。橦木館では、そんな陶磁器産業の歴史や豊かさを知ることができました。

 

カフェスペースも併設しているので、文化のみち散策の休憩場所としても、ぜひ立ち寄っていただきたい場所です。「文化のみち橦木館共通観覧券(320円)」も販売されているので、散策される方は共通券を購入しましょう。

 

【文化のみち橦木館】
住所   :名古屋市東区橦木町2丁目18番地
電話番号 :052-939-2850
営業時間 :10:00~17:00
定休日  :月曜日(祝日の場合はその翌日) / 12月29日~1月3日

https://www.shumokukan.city.nagoya.jp/index.html