愛知県稲沢市では、2023年11月18日(土)から2023年11月26日(日)まで、「そぶえイチョウ黄葉まつり」が今年も開催されました。まちを歩けば、イチョウ並木のトンネル、樹齢100年をこえる大樹など、まさに目に映るすべてがビュースポットです。
今回は、ゆったりと秋を感じる「そぶえイチョウ黄葉まつり」へ行ってきました。
※情報は取材時のものです。
ご利用の際には、各施設・各店舗の最新情報をご確認ください。
目次
「そぶえイチョウ黄葉まつり」とは?
祖父江町のイチョウは、もともと「伊吹おろし」と呼ばれる冬の季節風から屋根を守るため、江戸時代から神社や屋敷まわりに植えられていました。その後、銀杏の食用栽培が本格的にはじまるとイチョウはまち全体に広がりました。現在では生産量はもちろん、品質でも日本で指折りの名産地となり、銀杏のまち・祖父江町と呼ばれるまでになりました。
そして、この黄葉に彩られた景色を多くの人に楽しんでもらおうと、「そぶえイチョウ黄葉まつり」がスタート。毎年、一番見頃の11月下旬に開催されるようになりました。
お祭り期間中は、ダンスなどのステージイベントや写生大会、写真コンテスト、特産品の販売などが行われ、銀杏も味わうことができます。夜には、祖父江ぎんなんパークや祐専寺周辺ではライトアップも実施されています。
じっくり写真を撮りながらでも、半日で十分イチョウを堪能できるコンパクトな散策コースも参考にしてみてくださいね。
メイン会場の祖父江ぎんなんパーク
「祖父江ぎんなん」ブランドをさらに広め、地域の交流を楽しめる場として2021年にオープンした祖父江ぎんなんパーク。
案内マップには、祖父江町内で栽培されているイチョウ(ぎんなん)の代表的な品種の「久寿(きゅうじゅ)」「藤九郎(とうくろう)」「栄神(えいしん)」「金兵衞(きんべえ)」が、どこに植えられているか表示されています。
祖父江ぎんなんパークの集いひろばと駐車場には期間中、銀杏グルメなどが味わえるブースが並びます。
祖父江ぎんなんパークの中心に位置する展望丘。丘を登ってみると、岐阜県の養老山脈まで見渡せます。
周辺一帯のイチョウを見渡すことができる高さ7.5mの展望台には、平日にもかかわらず、撮影待ちの列ができていました。
地域に1万本以上も植えられているイチョウ。また、落ちている銀杏を拾って持ち帰ることはできないのでご注意くださいね。
一週間前は、まだまだ青かったイチョウもあっという間に一変。わずか2週間程度と美しくも儚いこの時期ならではの景色は必見です。
スタッフの方おすすめのフォトスポット、イチョウのトンネル。
センスのあるどなたかの作品。思わず写真を撮らせていただきました。
稲沢市指定天然記念物のイチョウが見られる祐専寺
そぶえイチョウ黄葉まつりのもう一つの中心会場となる祐専寺は、祖父江ぎんなんパークから歩いて5分ほど。美しくフォトジェニックな風景を観賞するため、県内外からも多くの観光客が訪れます。
樹齢推定250〜300年の大樹で稲沢市指定天然記念物の祐専寺イチョウ。近隣地区に植えられた品種の原木だとされています。
境内では、歌謡ショーなどのイベントやが開催され、祐専寺の前にも、銀杏グルメや雑貨などのお店が並びます。
黄金色に染まる町と赤い名鉄電車の
鮮やかな色のコントラストも必見!
カンカンカンと踏切の警告音が聞こえたら、シャッターチャンス。時間帯にもよりますが、上り下り合わせて10分に1本程度と思ったよりも頻繁に電車が通ります。
あらかじめ、イチョウと電車を最高のタイミングで撮影できるよう準備してベストショットを狙いましょう。
起点となる名鉄山崎駅は、名古屋から電車で40分。車窓から黄金に染まる町の風景も楽しみながら、ぜひ電車でお越しくださいとのこと。
※祖父江ぎんなんパークの駐車場は、イベント会場になっているため期間中は利用できません。車の場合は、駅から近い西島グランド、祖父江商工会など臨時駐車場をご利用ください。
イチョウの乳根。樹齢200年以上のイチョウには乳根が出ることがあり、古くから子宝や安産の象徴とされています。私有地なので入っていいのか少し迷いますが、遠慮なく入って撮影もできます。生活に根ざした景観であることも情趣を高めてくれますよ。
銀杏を組み合わせたグルメも盛りだくさん
名産だけあって、銀杏を加工した魅惑のグルメが楽しめるのも醍醐味。屋台以外にも、近隣のお店でぎんなんをふんだんにつかった料理を味わえます。香り高く美味しいぎんなん料理もぜひ!
寒い空気の中、手早くひっくり返す度にたこ焼きからほわっと湯気があがります。ほっと心まで温まりそうなぎんなんたこ焼きに、この日一番の列をつくっていました。
そのままの祖父江銀杏もぜひ味わってみて!
この時期には、市場に出荷する以外にも軒先などいろいろなところで銀杏の販売がされています。木曽三川がもたらした肥沃な大地に恵まれ、大粒でもっちりとした食感が特徴。
テレビの取材も受けたばかりという祐専寺前のお店の方。「そのまま生で食べてもおいしいよ。」と笑顔で気さくに話してくれました。
自宅で美味しく食べる方法を伺ったところ、殻を割って剥がし、中の実を封筒に入れて1分レンジで加熱。それだけで、美味しい銀杏が食べられるならと箱で購入し自宅で試してみました。
封筒を開けると黄色だったぎんなんがきれいな翡翠色に。もっちりした食感で香り豊か、苦みもほとんどなく塩を振らなくてもこのままで十分。一流料亭でも高く評価されているのも納得の味でした。レンチンぎんなん、おすすめです!
いたるところで銀杏の直売所が見られるのも、この時期ならではの風物詩かもしれませんね。
会期前日は、まだまだ葉が青く黄葉がちらほら見える程度でしたが、一週間後にもう一度来てみてびっくり。黄金色に染まる景色に、圧倒されました。
メイン会場のほか、地域一体が会場となっています。私有地内にあることも多く、観賞や撮影には一定のマナーを守って散策を楽しんでくださいね。