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古くから焼き物の産地として栄えた、愛知県・常滑市にある「常滑やきもの散歩道」。その散歩道にあるのが、今回ご紹介する「えんける道具店」です。陶器の湯たんぽ・黒七輪・甕(かめ)など、手仕事でつくられる暮らしの品を提案してくれるお店です。
場所は、名鉄「常滑」駅から歩いて5分ほど。もともと古本屋だったという店舗を改装した、長屋の一部が店舗になっています。
店内には、陶器の湯たんぽ・黒七輪・甕(かめ)、昭和中期のレトロな器などが並びます。
すべてはここから。加藤さんがつくる「湯たんぽ」との出会い。
「えんける道具店」オーナーの早川信隆さん
もともとインテリア関係の仕事をしていたという早川さん。なぜ「えんける道具店」をはじめることになったのでしょうか。お店誕生のきっかけから教えていただきました。
早川さん:「お店をはじめたきっかけは、お店のメイン商品でもある、加藤さんがつくる「湯たんぽ」に出会ったことです。ある日、雑誌で見かけ、こんなすてきなアイテムがあるのだと心惹かれました。僕は知多市に住んでいたんですけど、生産地が多治見と近いことにもご縁を感じ、すぐにお話を聞きに行きました。」
加藤さんがつくる「陶器の湯たんぽ」
岐阜県多治見市で13代続く、窯元の職人である加藤さん
早川さん:「加藤さんの窯のある岐阜県多治見市は、陶器の湯たんぽの生産地として、最盛期には70ほどの窯元があったそうです。その後、量産化の時代になり、陶器の湯たんぽを製造する窯元はみるみると減少……。現在でも変わらず手作業で、陶器の湯たんぽをつくられているのは、加藤さんご夫婦のみなんです。加藤さんは、岐阜県多治見市で13代続く窯元の職人として、今でも機械操作に頼らず、一点一点を手作業でつくっていらっしゃいます。
加藤さんのような、古き良き時代の手作業のものづくりを伝えていきたい。その想いで2017年2月にお店をオープンしました。」
普通でちょうど良い。
手作業でつくられる暮らしの品
えんける道具店の「えんける」とはどのような意味なのでしょうか。
早川さん:「フィンランド語で「シンプル」という意味です。普通でちょうど良いものを、大切にしていきましょうという想いを込めて店名にしました。忙しない時代だからこそ、みなさん”ていねいな暮らし”を求められていると感じています。ひと手間かける。お気に入りの道具を大切に使う。そんな暮らしをご提案していきたいですね。」
岐阜県多治見産
加藤さんがつくる「陶器の湯たんぽ」
陶器の湯たんぽ ¥3,100(税別)
ここからは、えんける道具店のアイテムをご紹介していきます。
まずは、岐阜県多治見市で13代続く窯元さんの職人である加藤さんがつくる「陶器の湯たんぽ」。陶器の湯たんぽの産地であった岐阜県多治見市。今でも変わらず陶器の湯たんぽをつくっているのは加藤さんだけ。とても貴重な湯たんぽなのです。
湯たんぽの特徴① じんわり温かい。陶器の保温性
陶器の湯たんぽ ハリネズミ ¥3,500(税別)
陶器の湯たんぽ うさぎ ¥3,500(税別)
陶器製の湯たんぽは、江戸時代から使われているのだそう。
一番の特徴は、陶器独特の保温性の高さ。厚みのある陶器は、空気を含む性質があるので、保温性がとても高いんです。夜にお湯を入れてから、翌朝までしっかりと温かさを保ってくれます。陶器の温もりは、体の内側にじんわりと届きます。
また、熱や電気を使わないので、空気や肌が乾燥しないのもうれしいポイント。就寝のおともとしてだけでなく、留守中のペットの暖房器具としても活躍します。
湯たんぽの特徴② 珪藻土による、ひなたぼっこの心地よさ
そして、素材の「土」にも秘密があります。
加藤さんの窯がある、多治見市高田町の土には、珪藻土が含まれています。珪藻土には、ケイ素が含有しているので、熱を加えると遠赤外線を発生します。遠赤外線の効果で、身体の内側からぽかぽかと温まり、ひなたぼっこと同じ状態をつくってくれるんです。
湯たんぽの特徴③ 現在の暮らしに馴染む。モダンなカラー
カラーは、赤・白・ベージュ・飴茶・青・黒の6種類。釉薬(ゆうやく)の色は、加藤さんと早川さんが相談して製作。モダンなカラーは、現代の暮らしにもすっとなじみます。